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5−1 接触
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「どうするつもりなの? 私の姿はオルザベートに見せない方がいいのよね?」
「ああ。あと、ロードウェルはトゥッチと無事に合流出来たみたいだな」
いつの間にかエドは、オルザベートの事をトゥッチと呼び捨てにしている。
それだけ、緊張感が増してきたのかもしれない。
私達が座っているテーブルは、窓際の席だから、オルザベートが立つ位置によっては、私の姿は見えてしまう。
私の姿を見たら、オルザベートは喜ぶかもしれないし…。
「どうしたらいいの? 今すぐ、店を出た方がいいのかしら?」
「いや、君とビアラはここにいてくれ。彼女達には僕が挨拶してくる」
「…大丈夫なの?」
「僕も多少は魔法を使えるし、君の祖父母の様な効果はないけど、魔法の効果を解除する魔導具を持ってるから、魅了魔法などにかかる心配はない」
尋ねた私に、エドは優しく微笑んでから頷くと、ビアラに言う。
「ビアラ、君にお願いしたい事がある」
「何でしょう?」
「気は進まないかもしれないが、エアリスにベタベタしてくれないか?」
「私、そういうタイプじゃないんですけど」
「わかってるよ。だけど、トゥッチを挑発するには、それが一番良い」
私もそうだけれど、ビアラも人からの束縛やベタベタされる事を嫌っている。
たまに仲の良い女子が手を繋いで歩いたりするけど、それに対して文句を言うつもりはない。
だけど、自分がそれをするのは嫌なタイプだ。
別に本人達が良いのなら、それはそれで良いと思うし、私達の場合は自分達がしたくないだけ。
そんな事を考えていたら、オルザベートが私と手を繋ぎたがっていたのを思い出す。
断ったけど。
私とビアラが仲良くしているのを見たら、オルザベートはショックを受けるはず。
だから、申し訳ないけれど、渋るビアラに提案してみる。
「ねぇビアラ。ベタベタしなくても、お互いの食べてる物や飲み物を交換するだけでも、オルザベートは嫌がると思う。それでもいいんじゃない?」
「そうね。半分こみたいな感じにしましょうか」
「ビアラを巻き込みたくないとか言っておきながらごめん」
「もう、エアリスは気にしなくていいわよ。友達な事に間違いないんだから、いいじゃない!」
話が決まったところで、私とビアラが頼んでいたパンケーキが運ばれてきた。
エドは飲み物しか頼んでおらず、すでに飲みきっていたので、それと同時に立ち上がる。
「エアリスは絶対に窓の外の方を見ないように」
「わかったわ」
「じゃあ、行ってくる」
エドが私の頭に軽く手を置いてから、店から外へ出ていく。
「上手くいくかしら」
「エアリスに危害がいく事はないわよ。エドワード様がそんなミスはしないでしょ。散々、彼女には痛い目にあわされたんだから」
「そうね、信じる事にする」
頷いてから、早速、私達は私達らしくない仲良しの演技を始める事にした。
「ああ。あと、ロードウェルはトゥッチと無事に合流出来たみたいだな」
いつの間にかエドは、オルザベートの事をトゥッチと呼び捨てにしている。
それだけ、緊張感が増してきたのかもしれない。
私達が座っているテーブルは、窓際の席だから、オルザベートが立つ位置によっては、私の姿は見えてしまう。
私の姿を見たら、オルザベートは喜ぶかもしれないし…。
「どうしたらいいの? 今すぐ、店を出た方がいいのかしら?」
「いや、君とビアラはここにいてくれ。彼女達には僕が挨拶してくる」
「…大丈夫なの?」
「僕も多少は魔法を使えるし、君の祖父母の様な効果はないけど、魔法の効果を解除する魔導具を持ってるから、魅了魔法などにかかる心配はない」
尋ねた私に、エドは優しく微笑んでから頷くと、ビアラに言う。
「ビアラ、君にお願いしたい事がある」
「何でしょう?」
「気は進まないかもしれないが、エアリスにベタベタしてくれないか?」
「私、そういうタイプじゃないんですけど」
「わかってるよ。だけど、トゥッチを挑発するには、それが一番良い」
私もそうだけれど、ビアラも人からの束縛やベタベタされる事を嫌っている。
たまに仲の良い女子が手を繋いで歩いたりするけど、それに対して文句を言うつもりはない。
だけど、自分がそれをするのは嫌なタイプだ。
別に本人達が良いのなら、それはそれで良いと思うし、私達の場合は自分達がしたくないだけ。
そんな事を考えていたら、オルザベートが私と手を繋ぎたがっていたのを思い出す。
断ったけど。
私とビアラが仲良くしているのを見たら、オルザベートはショックを受けるはず。
だから、申し訳ないけれど、渋るビアラに提案してみる。
「ねぇビアラ。ベタベタしなくても、お互いの食べてる物や飲み物を交換するだけでも、オルザベートは嫌がると思う。それでもいいんじゃない?」
「そうね。半分こみたいな感じにしましょうか」
「ビアラを巻き込みたくないとか言っておきながらごめん」
「もう、エアリスは気にしなくていいわよ。友達な事に間違いないんだから、いいじゃない!」
話が決まったところで、私とビアラが頼んでいたパンケーキが運ばれてきた。
エドは飲み物しか頼んでおらず、すでに飲みきっていたので、それと同時に立ち上がる。
「エアリスは絶対に窓の外の方を見ないように」
「わかったわ」
「じゃあ、行ってくる」
エドが私の頭に軽く手を置いてから、店から外へ出ていく。
「上手くいくかしら」
「エアリスに危害がいく事はないわよ。エドワード様がそんなミスはしないでしょ。散々、彼女には痛い目にあわされたんだから」
「そうね、信じる事にする」
頷いてから、早速、私達は私達らしくない仲良しの演技を始める事にした。
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