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5 2番目の妻への挨拶
ファナ様がやって来てから4日が経った。
この3日間、ターズ様はファナ様と一緒にいてくれたので、自分のベッドでぐっすり眠ることができていた。
明日にはファナ様が帰るということで、ターズ様から三人で夕食をとろうと言われた。
ターズ様からそう言われた時は、ファナ様に失礼だとわかっていながらも、最初はお断りした。
食事時間が最近の楽しみなのに、その時間まで邪魔されたくはない。
それに彼女だって、ターズ様と2人で過ごしたいはずだと思ったのだ。
それなのに、ファナ様がどうしても一緒に食事をしたいと言い張り、王太子妃として対応せざるを得なくなった。
「ファナはリリララと仲良くなりたいんだよね」
「はい。リリララ様はとても素敵な方ですもの。ぜひ、お友達になりたいんです」
ターズ様の隣に座っているファナ様は、笑顔で彼の肩に自分の頬を寄せた。
何だか、恋人同士の食事会に他人が付き合わされているような気分だわ。
無視して食事を進めていると、ファナ様が挑戦的な眼差しを向けてくる。
「本当にリリララ様は心が広い方ですのね。それとも、鈍いだけなのかしら」
「……そうかもしれませんわね」
どちらでもない。
でも、素直に答える必要もない。
曖昧に答えを返した時、ターズ様の側近がダイニングルームにやって来て、ターズ様に報告する。
「両陛下がターズ様にお話したいことがあるとのことで、今すぐ、国王陛下の自室に来るようにとのことです」
「わかった。すぐ行くよ」
ターズ様は笑顔で「喧嘩はしないようにね」と言うと、ダイニングルームから出ていった。
最悪だわ。
私がお相手しないといけないじゃないの。
少しの沈黙のあと、ファナ様が口を開く。
「リリララ様と2人で話がしたいの。他の人たちは外に出てちょうだい」
私とファナ様の侍女は、なぜか私を見つめてきた。
ファナ様の侍女が私を心配するだなんてよっぽどね。
気持ちは有り難いけど、あとでファナ様に怒られないか心配だわ。
「ファナ様の言う通りにしてちょうだい」
微笑んでお願いすると、侍女たちは何も言わずに部屋の外に出ていった。
2人きりになると、ファナ様の声色が変わる。
「今からする話は、ここだけの話にしてちょうだい」
「内容によりますわ」
「私に口答えするつもりなの!?」
「ファナ様、あなたが第1王女であらせられることは存じております」
「なら、言うことをききなさい!」
「申し訳ございませんが、それはできかねます。私はサレナール王国の王太子妃です。国の不利益になるような話を聞いた場合は黙っていることはできません。どのようなお話でしょうか」
嫌になっているとはいえ、今の立場が王太子妃であることに変わりはない。
ファナ様はターズ様の話をするつもりでしょうけど、決めつけてしまうのは良くない。
もし、違う話だった場合、後悔するのは自分だし、多くの人に迷惑をかけてしまうことになる。
ファナ様は私を睨みつけて答える。
「私が話すことといえば、ターズ様のことだけですわ」
「では、ターズ様のどのような話でしょうか」
「ターズ様の弱みを握っているのなら教えなさい」
「弱みなんて握っていません」
「じゃあ、どうしてあなたを正妃にするって言うのよ! 私のほうが先に結婚したのに!」
ああ。
やっぱり納得していないじゃないの。
「申し訳ございませんが、それはターズ様、本人に聞いていただけませんか」
「聞いたら、嘘をついたと思われるじゃないの!」
「嘘をついたとは、どういうことでしょうか」
「結婚前に約束したの。正妃の座を望まないって! あなたを正妃として認め、側妃でも良いと言うのなら結婚しても良いって言われたのよ!」
「それを承諾したのですね?」
「そうよ!」
興奮しているのか、ファナ様は立ち上がって叫んだ。
自分が承諾したくせに、私に文句を言うだなんておかしいでしょう。
こんなくだらない話のせいで、料理が冷めてしまった。
温め直してもらえるかしら。
「ちょっと聞いているの!?」
妹や両親にうるさく言われるせいで、話を聞き流す癖がついてしまっている。
そのせいで、今も聞き流そうとしてしまっていた。
悪い癖だわ。
聞き流そうとしてしまったのは、私が全面的に悪い。
反省して頭を下げる。
「申し訳ございません。もちろん聞いております。ですが、どうして今更、そんなことをおっしゃるのです?」
「……好きだからよ! 私は本当にターズ様のことが好きなの!」
「……ファナ様、あなたは王女という身分を捨ててでも、ターズ様の正妃になりたいと思いますか?」
「そんなこと無理に決まっているでしょう! 四の五の言わずに身を引きなさい!」
「正妃になるということは、この国の王太子妃、いずれは王妃になるのです。今までのような生活は送ることができません」
「それとこれとは別よ!」
ファナ様は馬鹿にされたと思ったのか、水の入ったコップを掴むと、その水を私にかけてきた。
子供じゃないんだから癇癪を起こさないでほしいわ。
髪だけじゃなく、顔もドレスも濡れてしまった。
ここで、ターズ様が帰ってきたら、どうするつもりなのかしら。
こんなことを言うのは失礼だとわかってはいる。
……でも、思ってしまう。
嫌がらせするならターズ様にバレないようにやりなさいよ。
私は側妃を減らしたいわけじゃないんだから。
髪から顔に落ちてくる雫を拭うこともせず、ただ無言でファナ様を見つめる。
すると、さすがのファナ様も自分がやってはいけないことをしたと気が付いたようだった。
「誰か! リリララ様がコップの水をこぼしてしまったわ!」
自分が水をかけてきておいて、よく言うわ。
どうやったら、コップの水をこぼして自分の頭にかけられるのか知りたい。
すぐに扉が開いて侍女たちが入ってくると、私の姿を見て小さな悲鳴を上げた。
「リリララ様! 一体、どうされたのですか?」
「言ったでしょう! コップに入った水を零したのよ!」
ファナ様が答えると、侍女は私の前に置かれているコップを見た。
コップには半分以上の水が残っている。
訝しげな視線に気が付いたファナ様は慌てて取り繕う。
「その水は私がリリララ様に差し上げたのよ。空になったコップはここにあるわ」
「……そうでしたか」
侍女は頷きはしたけど、納得はしていない顔で私を見た。
「水をかけられたの」
「……ちょっと!」
ファナ様を冷たい目で見つめると、威圧的な態度に慣れていないのか、俯いて口を閉ざした。
濡れたままでいるわけにもいかず、立ち上がってファナ様に詫びる。
「申し訳ございませんが、この状態でここにいるわけにはいきません。部屋に戻らせていただきます」
「リリララ様……、その、私は何も」
「そうですわね。激昂して水をかけてきたという話はターズ様にはいたしません」
このことを話せば、ターズ様は彼女にどんな考えを持つかわからない。
別に私は彼女とターズ様の離婚を望んでいるわけじゃない。
どちらかといえば、上手くいってほしい。
ただ、正妃にはなりたいけど、王太子妃になりたくないというのが問題ね。
分けられると思っているところがすごいわ。
「皆もいいわね?」
侍女たちに確認すると、意図を察してくれたのか、何も言わずに頷いた。
部屋に帰ってしばらくすると、ターズ様がやって来た。
「体調が悪いと聞いたよ」
「ええ。ここ最近は仕事に追われていましたので、疲れが出たのだと思います」
「……そうか。医者を呼ぼうか?」
「結構ですわ。眠れば回復すると思います。おやすみなさいませ」
ターズ様は何か言いたげにしていたけれど、大人しく帰ってくれた。
次の日にはファナ様は自国に帰っていった。
明日には2番目の妻である、セカノノ・ゴロ様がやって来る。
それまでにターズ様には少しでも仕事を進めてもらわなければならない。
「今日はやっと二人きりになれるね」
「申し訳ございませんが、明日までにやらなければならない仕事は山積みです。寝る間も惜しんでやっていただかねばなりません」
「そんな。大げさじゃないか? そこまで溜まってる?」
笑顔で話しかけてきたターズ様に、机の上に山積みになっている書類を無言で叩いてみせると、黙って仕事をしてくれた。
*****
次の日の昼過ぎに、2番目の妻がやって来た。
ストレートの黒髪に赤色の瞳を持つセカノノ様は、ファナ様と同じタイプの美女だった。
もし、似た見た目の美女が続くようなら、ターズ様の好みがわかる。
ターズ様の側近のルド様に聞いたところ、サレナール王国内でも、彼の妻になりたいと希望する女性が現れているそうだ。
でも、ターズ様は会うつもりはなさそうだとも言っていた。
ターズ様の好みがわかれば、その好みに合い、彼と結婚したいと望む女性を探しやすくなると思ったのに、本人にその気がないのは辛いわ。
「あなたが正妃の?」
「はじめまして。9番と申します。セカノノ様にお会いできて光栄です」
話しかけてきたセカノノ様に挨拶をしてカーテシーをした。
これくらい言わせてもらわないと、ストレスが溜まっていく一方だわ。
すると、セカノノ様は満面の笑みを浮かべ、ターズ様は苦虫をかみつぶしたような顔をした。
この3日間、ターズ様はファナ様と一緒にいてくれたので、自分のベッドでぐっすり眠ることができていた。
明日にはファナ様が帰るということで、ターズ様から三人で夕食をとろうと言われた。
ターズ様からそう言われた時は、ファナ様に失礼だとわかっていながらも、最初はお断りした。
食事時間が最近の楽しみなのに、その時間まで邪魔されたくはない。
それに彼女だって、ターズ様と2人で過ごしたいはずだと思ったのだ。
それなのに、ファナ様がどうしても一緒に食事をしたいと言い張り、王太子妃として対応せざるを得なくなった。
「ファナはリリララと仲良くなりたいんだよね」
「はい。リリララ様はとても素敵な方ですもの。ぜひ、お友達になりたいんです」
ターズ様の隣に座っているファナ様は、笑顔で彼の肩に自分の頬を寄せた。
何だか、恋人同士の食事会に他人が付き合わされているような気分だわ。
無視して食事を進めていると、ファナ様が挑戦的な眼差しを向けてくる。
「本当にリリララ様は心が広い方ですのね。それとも、鈍いだけなのかしら」
「……そうかもしれませんわね」
どちらでもない。
でも、素直に答える必要もない。
曖昧に答えを返した時、ターズ様の側近がダイニングルームにやって来て、ターズ様に報告する。
「両陛下がターズ様にお話したいことがあるとのことで、今すぐ、国王陛下の自室に来るようにとのことです」
「わかった。すぐ行くよ」
ターズ様は笑顔で「喧嘩はしないようにね」と言うと、ダイニングルームから出ていった。
最悪だわ。
私がお相手しないといけないじゃないの。
少しの沈黙のあと、ファナ様が口を開く。
「リリララ様と2人で話がしたいの。他の人たちは外に出てちょうだい」
私とファナ様の侍女は、なぜか私を見つめてきた。
ファナ様の侍女が私を心配するだなんてよっぽどね。
気持ちは有り難いけど、あとでファナ様に怒られないか心配だわ。
「ファナ様の言う通りにしてちょうだい」
微笑んでお願いすると、侍女たちは何も言わずに部屋の外に出ていった。
2人きりになると、ファナ様の声色が変わる。
「今からする話は、ここだけの話にしてちょうだい」
「内容によりますわ」
「私に口答えするつもりなの!?」
「ファナ様、あなたが第1王女であらせられることは存じております」
「なら、言うことをききなさい!」
「申し訳ございませんが、それはできかねます。私はサレナール王国の王太子妃です。国の不利益になるような話を聞いた場合は黙っていることはできません。どのようなお話でしょうか」
嫌になっているとはいえ、今の立場が王太子妃であることに変わりはない。
ファナ様はターズ様の話をするつもりでしょうけど、決めつけてしまうのは良くない。
もし、違う話だった場合、後悔するのは自分だし、多くの人に迷惑をかけてしまうことになる。
ファナ様は私を睨みつけて答える。
「私が話すことといえば、ターズ様のことだけですわ」
「では、ターズ様のどのような話でしょうか」
「ターズ様の弱みを握っているのなら教えなさい」
「弱みなんて握っていません」
「じゃあ、どうしてあなたを正妃にするって言うのよ! 私のほうが先に結婚したのに!」
ああ。
やっぱり納得していないじゃないの。
「申し訳ございませんが、それはターズ様、本人に聞いていただけませんか」
「聞いたら、嘘をついたと思われるじゃないの!」
「嘘をついたとは、どういうことでしょうか」
「結婚前に約束したの。正妃の座を望まないって! あなたを正妃として認め、側妃でも良いと言うのなら結婚しても良いって言われたのよ!」
「それを承諾したのですね?」
「そうよ!」
興奮しているのか、ファナ様は立ち上がって叫んだ。
自分が承諾したくせに、私に文句を言うだなんておかしいでしょう。
こんなくだらない話のせいで、料理が冷めてしまった。
温め直してもらえるかしら。
「ちょっと聞いているの!?」
妹や両親にうるさく言われるせいで、話を聞き流す癖がついてしまっている。
そのせいで、今も聞き流そうとしてしまっていた。
悪い癖だわ。
聞き流そうとしてしまったのは、私が全面的に悪い。
反省して頭を下げる。
「申し訳ございません。もちろん聞いております。ですが、どうして今更、そんなことをおっしゃるのです?」
「……好きだからよ! 私は本当にターズ様のことが好きなの!」
「……ファナ様、あなたは王女という身分を捨ててでも、ターズ様の正妃になりたいと思いますか?」
「そんなこと無理に決まっているでしょう! 四の五の言わずに身を引きなさい!」
「正妃になるということは、この国の王太子妃、いずれは王妃になるのです。今までのような生活は送ることができません」
「それとこれとは別よ!」
ファナ様は馬鹿にされたと思ったのか、水の入ったコップを掴むと、その水を私にかけてきた。
子供じゃないんだから癇癪を起こさないでほしいわ。
髪だけじゃなく、顔もドレスも濡れてしまった。
ここで、ターズ様が帰ってきたら、どうするつもりなのかしら。
こんなことを言うのは失礼だとわかってはいる。
……でも、思ってしまう。
嫌がらせするならターズ様にバレないようにやりなさいよ。
私は側妃を減らしたいわけじゃないんだから。
髪から顔に落ちてくる雫を拭うこともせず、ただ無言でファナ様を見つめる。
すると、さすがのファナ様も自分がやってはいけないことをしたと気が付いたようだった。
「誰か! リリララ様がコップの水をこぼしてしまったわ!」
自分が水をかけてきておいて、よく言うわ。
どうやったら、コップの水をこぼして自分の頭にかけられるのか知りたい。
すぐに扉が開いて侍女たちが入ってくると、私の姿を見て小さな悲鳴を上げた。
「リリララ様! 一体、どうされたのですか?」
「言ったでしょう! コップに入った水を零したのよ!」
ファナ様が答えると、侍女は私の前に置かれているコップを見た。
コップには半分以上の水が残っている。
訝しげな視線に気が付いたファナ様は慌てて取り繕う。
「その水は私がリリララ様に差し上げたのよ。空になったコップはここにあるわ」
「……そうでしたか」
侍女は頷きはしたけど、納得はしていない顔で私を見た。
「水をかけられたの」
「……ちょっと!」
ファナ様を冷たい目で見つめると、威圧的な態度に慣れていないのか、俯いて口を閉ざした。
濡れたままでいるわけにもいかず、立ち上がってファナ様に詫びる。
「申し訳ございませんが、この状態でここにいるわけにはいきません。部屋に戻らせていただきます」
「リリララ様……、その、私は何も」
「そうですわね。激昂して水をかけてきたという話はターズ様にはいたしません」
このことを話せば、ターズ様は彼女にどんな考えを持つかわからない。
別に私は彼女とターズ様の離婚を望んでいるわけじゃない。
どちらかといえば、上手くいってほしい。
ただ、正妃にはなりたいけど、王太子妃になりたくないというのが問題ね。
分けられると思っているところがすごいわ。
「皆もいいわね?」
侍女たちに確認すると、意図を察してくれたのか、何も言わずに頷いた。
部屋に帰ってしばらくすると、ターズ様がやって来た。
「体調が悪いと聞いたよ」
「ええ。ここ最近は仕事に追われていましたので、疲れが出たのだと思います」
「……そうか。医者を呼ぼうか?」
「結構ですわ。眠れば回復すると思います。おやすみなさいませ」
ターズ様は何か言いたげにしていたけれど、大人しく帰ってくれた。
次の日にはファナ様は自国に帰っていった。
明日には2番目の妻である、セカノノ・ゴロ様がやって来る。
それまでにターズ様には少しでも仕事を進めてもらわなければならない。
「今日はやっと二人きりになれるね」
「申し訳ございませんが、明日までにやらなければならない仕事は山積みです。寝る間も惜しんでやっていただかねばなりません」
「そんな。大げさじゃないか? そこまで溜まってる?」
笑顔で話しかけてきたターズ様に、机の上に山積みになっている書類を無言で叩いてみせると、黙って仕事をしてくれた。
*****
次の日の昼過ぎに、2番目の妻がやって来た。
ストレートの黒髪に赤色の瞳を持つセカノノ様は、ファナ様と同じタイプの美女だった。
もし、似た見た目の美女が続くようなら、ターズ様の好みがわかる。
ターズ様の側近のルド様に聞いたところ、サレナール王国内でも、彼の妻になりたいと希望する女性が現れているそうだ。
でも、ターズ様は会うつもりはなさそうだとも言っていた。
ターズ様の好みがわかれば、その好みに合い、彼と結婚したいと望む女性を探しやすくなると思ったのに、本人にその気がないのは辛いわ。
「あなたが正妃の?」
「はじめまして。9番と申します。セカノノ様にお会いできて光栄です」
話しかけてきたセカノノ様に挨拶をしてカーテシーをした。
これくらい言わせてもらわないと、ストレスが溜まっていく一方だわ。
すると、セカノノ様は満面の笑みを浮かべ、ターズ様は苦虫をかみつぶしたような顔をした。
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