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33 公爵令嬢の嫌がらせ①
リアムやお義父様達がプリステッド公爵家で行われるお茶会について、色々と調べてくれた。
私以外の招待客は、プリステッド公爵家に逆らうことの出来ない貴族ばかりで、私にとっては完全なアウェイだった。
伯爵令嬢以上しか呼ばれておらず、パーティーに出席経験の少ない私とは面識のない人しかいなかった。
当たり前だけれど、他の招待客に関しての知識も頭に叩き込んだ。
このお茶会を上手く乗り切ることができれば、私の勝ちということになり、リアムを悩ませなくても良くなる。
勝ち負けなんかは正式にはないのかもしれないけれど、プリステッド公爵令嬢だって諦めざるを得ないはず。
私に出来ることって、これくらいしかないのよね。
そう考えると、余計に頑張ろうと思えた。
当日の朝、出かけようとしてエントランスホールに行くと、リアムだけでなく、トーイも心配そうな顔をして待っていてくれた。
身だしなみについては、何度もチェックしたし、服装やアクセサリー、メイクなどは、お義母様のおすすめのため、プリステッド公爵令嬢に何か言われようなら、お義母様の名を出せば大人しくなってくれるはず。
心配なのは、私の家族のことを言われることだった。
「君の家族のことや、君の御父上の爵位のことを言われても、そんなことは気にしなくていい。僕が君を選んだのだと言ってくれ」
リアムはそう言って、私を送り出してくれた。
そして、馬車に揺られて約一時間後、私はプリステッド公爵邸にたどり着いた。
マオニール公爵邸に慣れてしまっているせいか、三階建ての大きな洋館を見ても、大して驚きはしなかった。
メイドに案内されたのは、中庭やテラスではなく、ティールームだった。
まだ、誰も来ていないのか、ティールームには誰一人いなかった。
メイドからは「こちらでお待ちくださいませ」と言われたので、立ったまま、誰かが来るのを待っていた。
けれど、約束の時間が近付いてきても、他の令嬢達がやって来ることもない。
もしかして、違う場所に案内された?
ココルに何度かされたことがある、彼女なりの悪戯、私的には嫌がらせで、こんなことがあった。
メイドに私を呼びに行かせて、違う所で待たせておき、しばらくしてから「どうして、お姉様はここにいるの。騙されちゃったの?」なんて言われたことがある。
それと一緒で、プリステッド公爵令嬢は、私をここで待たせ、約束の時間通りに来なかった上に、ここまで勝手に入ってきたと言い出すつもりかもしれない。
勝手に入ってきた云々に関しては、そんなセキュリティの甘い家なのかと、遠回しに言うことはできるけれど、騙されたとはいえ、時間に遅れたくはない。
私がティールームから出ると、ちょうど良いタイミングで、先程のメイドとは違うメイドに出会えた。
「プリセス様のお茶会に招待していただいた、アイリス・マオニールです。申し訳ないのだけれど、メイドがここに案内してくれたきり、いなくなってしまったの。お茶会の場所はここて良いのかしら?」
「それは申し訳ございません!」
運の良いことに、私が話しかけたメイドは、プリステッド公爵令嬢の息がかかっていなかった。
深々と頭を下げたあと「ご案内いたします」と言って、私を本当のお茶会の会場である中庭まで案内してくれた。
「ごきげんよう、プリステッド公爵令嬢」
「あ、あなた! どうして?」
プリステッド公爵令嬢は、私の姿を見て、驚いた顔をしたあと、どういうことだと言わんばかりに彼女の近くにいたメイドを睨んだ。
彼女が睨んだ相手は、先程、私をティールームまで案内してくれたメイドだった。
こんなくだらない意地悪をして、どうするつもりだったのかしら?
自慢できることではないけれど、ココルや家族のおかげで、嫌がらせをされることには慣れてしまっている。
ちょっとやそっとの嫌がらせでくじけるような精神じゃないんだから。
私以外の招待客は、プリステッド公爵家に逆らうことの出来ない貴族ばかりで、私にとっては完全なアウェイだった。
伯爵令嬢以上しか呼ばれておらず、パーティーに出席経験の少ない私とは面識のない人しかいなかった。
当たり前だけれど、他の招待客に関しての知識も頭に叩き込んだ。
このお茶会を上手く乗り切ることができれば、私の勝ちということになり、リアムを悩ませなくても良くなる。
勝ち負けなんかは正式にはないのかもしれないけれど、プリステッド公爵令嬢だって諦めざるを得ないはず。
私に出来ることって、これくらいしかないのよね。
そう考えると、余計に頑張ろうと思えた。
当日の朝、出かけようとしてエントランスホールに行くと、リアムだけでなく、トーイも心配そうな顔をして待っていてくれた。
身だしなみについては、何度もチェックしたし、服装やアクセサリー、メイクなどは、お義母様のおすすめのため、プリステッド公爵令嬢に何か言われようなら、お義母様の名を出せば大人しくなってくれるはず。
心配なのは、私の家族のことを言われることだった。
「君の家族のことや、君の御父上の爵位のことを言われても、そんなことは気にしなくていい。僕が君を選んだのだと言ってくれ」
リアムはそう言って、私を送り出してくれた。
そして、馬車に揺られて約一時間後、私はプリステッド公爵邸にたどり着いた。
マオニール公爵邸に慣れてしまっているせいか、三階建ての大きな洋館を見ても、大して驚きはしなかった。
メイドに案内されたのは、中庭やテラスではなく、ティールームだった。
まだ、誰も来ていないのか、ティールームには誰一人いなかった。
メイドからは「こちらでお待ちくださいませ」と言われたので、立ったまま、誰かが来るのを待っていた。
けれど、約束の時間が近付いてきても、他の令嬢達がやって来ることもない。
もしかして、違う場所に案内された?
ココルに何度かされたことがある、彼女なりの悪戯、私的には嫌がらせで、こんなことがあった。
メイドに私を呼びに行かせて、違う所で待たせておき、しばらくしてから「どうして、お姉様はここにいるの。騙されちゃったの?」なんて言われたことがある。
それと一緒で、プリステッド公爵令嬢は、私をここで待たせ、約束の時間通りに来なかった上に、ここまで勝手に入ってきたと言い出すつもりかもしれない。
勝手に入ってきた云々に関しては、そんなセキュリティの甘い家なのかと、遠回しに言うことはできるけれど、騙されたとはいえ、時間に遅れたくはない。
私がティールームから出ると、ちょうど良いタイミングで、先程のメイドとは違うメイドに出会えた。
「プリセス様のお茶会に招待していただいた、アイリス・マオニールです。申し訳ないのだけれど、メイドがここに案内してくれたきり、いなくなってしまったの。お茶会の場所はここて良いのかしら?」
「それは申し訳ございません!」
運の良いことに、私が話しかけたメイドは、プリステッド公爵令嬢の息がかかっていなかった。
深々と頭を下げたあと「ご案内いたします」と言って、私を本当のお茶会の会場である中庭まで案内してくれた。
「ごきげんよう、プリステッド公爵令嬢」
「あ、あなた! どうして?」
プリステッド公爵令嬢は、私の姿を見て、驚いた顔をしたあと、どういうことだと言わんばかりに彼女の近くにいたメイドを睨んだ。
彼女が睨んだ相手は、先程、私をティールームまで案内してくれたメイドだった。
こんなくだらない意地悪をして、どうするつもりだったのかしら?
自慢できることではないけれど、ココルや家族のおかげで、嫌がらせをされることには慣れてしまっている。
ちょっとやそっとの嫌がらせでくじけるような精神じゃないんだから。
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