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第二部
6 パーティーへの誘い
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クレア様とはあれから色々とあって、文通したり、お互いの家を行き来するようになった。
そのせいもあり、お飾り妻だった時のように、屋敷の中にいるだけでなく、外にもよく出かけるようになった。
もちろん、公爵家での仕事もしているし、遊び呆けているわけでも、お金を浪費しているわけでもない。
そんなある日の晩、寝室にあるベッドの上で本を読んでいると、隣のベッドで横になっていたリアムが話しかけてきた。
「……アイリス、隣国であるアラルフェイトの王家主催のパーティーに夫婦で招待されてるんだ。悪いけど、一緒に行ってくれないかな」
「他国の王家主催のパーティーですか……。承知しました」
「かなり長旅にもなるけどいいかな?」
「かまいませんよ。隣国とはいえ、王家主催なら断れませんものね! ただ、お仕事をどうするよかが気になりますが……」
私が不安そうにすると、リアムは笑う。
「トーイは一緒に行ってもらうけど、それ以外は屋敷に残らせるから、代理で頑張ってもらうよ。父上と母上も協力してくれるって」
「そうなんですね、お義父様達には申し訳ないですが、助けていただけるのは有り難いですね」
「本当にごめん」
「リアムが謝ることではありませんから!」
お互いの気持ちを伝えあってからのリアムは、私に今まで以上に甘くなった。
元々、リアムは私には甘いとは思っていたけれど、今まで以上に甘くて、どう対応したら良いのかわからないほどになった。
妻なのだから当たり前のことなのに、パーティーが苦手な私に同行を求めることを申し訳なく思ってくれているんだから、困ったものだわ。
それくらいで、私がリアムを嫌うと思ってるのかしら?
そんな疑問と共に、隣国についての疑問がわいてきた。
「私はあまり隣国には詳しくはないんですが、何か注意したほうが良いということはありますか? もちろん、勉強はしていくつもりですが……」
「うーん。そうだな。一応、友好国ではあるし、慣習に厳しい国ではないけれど、他の国と違っているのは、女性しか王位を継げないというところかな」
「……ということは、隣国は女王陛下なんですね」
そう言われてみれば、そんなことを聞いたことがあるのを思い出した。
「うん。それから、今の女王陛下はまだお若いんだ」
リアムが苦笑するから気になって聞いてみる。
「おいくつなんですか?」
「たしか、16歳だよ。ご結婚されてるけどね。お相手はたしか、僕と同じ年だったと思う」
「16歳でご結婚ですか……」
「王族にしても早い気がするよね。まあ、それは良いとして、なんというか、恋することが趣味みたいな女性だと言われてる」
「惚れっぽいということですか?」
「そうなるだろうね」
リアムは頷いたあと、広い部屋に並べられたダブルベッドの1つに座っていた私の隣に座ると抱きしめてきた。
「今日は一緒に寝てもいいかな?」
私の寝相が悪いので、ベッドは別々にしているのだけれど、リアムは一緒のベッドで眠りたがることが多い。
でも、次の日の朝早くから仕事の場合は、必ず、同じベッドで眠ることは御断りしている。
私の寝相の悪さで、リアムの安眠を邪魔するわけにはいかないもの。
「……明日は休みじゃないですよね」
「家でこなせる仕事なら、休みなんてあってないようなものだから」
「ということは仕事なんですね」
笑顔を作ってから聞くと、諦めたように小さく息を吐いてから、リアムは首を縦に振る。
「そうです」
「そうですか。では、リアムはあちらにお戻りください」
「……」
リアムのベッドを指差すと、不満げな顔をしながらも、リアムは渋々、自分のベッドに戻っていった。
そのせいもあり、お飾り妻だった時のように、屋敷の中にいるだけでなく、外にもよく出かけるようになった。
もちろん、公爵家での仕事もしているし、遊び呆けているわけでも、お金を浪費しているわけでもない。
そんなある日の晩、寝室にあるベッドの上で本を読んでいると、隣のベッドで横になっていたリアムが話しかけてきた。
「……アイリス、隣国であるアラルフェイトの王家主催のパーティーに夫婦で招待されてるんだ。悪いけど、一緒に行ってくれないかな」
「他国の王家主催のパーティーですか……。承知しました」
「かなり長旅にもなるけどいいかな?」
「かまいませんよ。隣国とはいえ、王家主催なら断れませんものね! ただ、お仕事をどうするよかが気になりますが……」
私が不安そうにすると、リアムは笑う。
「トーイは一緒に行ってもらうけど、それ以外は屋敷に残らせるから、代理で頑張ってもらうよ。父上と母上も協力してくれるって」
「そうなんですね、お義父様達には申し訳ないですが、助けていただけるのは有り難いですね」
「本当にごめん」
「リアムが謝ることではありませんから!」
お互いの気持ちを伝えあってからのリアムは、私に今まで以上に甘くなった。
元々、リアムは私には甘いとは思っていたけれど、今まで以上に甘くて、どう対応したら良いのかわからないほどになった。
妻なのだから当たり前のことなのに、パーティーが苦手な私に同行を求めることを申し訳なく思ってくれているんだから、困ったものだわ。
それくらいで、私がリアムを嫌うと思ってるのかしら?
そんな疑問と共に、隣国についての疑問がわいてきた。
「私はあまり隣国には詳しくはないんですが、何か注意したほうが良いということはありますか? もちろん、勉強はしていくつもりですが……」
「うーん。そうだな。一応、友好国ではあるし、慣習に厳しい国ではないけれど、他の国と違っているのは、女性しか王位を継げないというところかな」
「……ということは、隣国は女王陛下なんですね」
そう言われてみれば、そんなことを聞いたことがあるのを思い出した。
「うん。それから、今の女王陛下はまだお若いんだ」
リアムが苦笑するから気になって聞いてみる。
「おいくつなんですか?」
「たしか、16歳だよ。ご結婚されてるけどね。お相手はたしか、僕と同じ年だったと思う」
「16歳でご結婚ですか……」
「王族にしても早い気がするよね。まあ、それは良いとして、なんというか、恋することが趣味みたいな女性だと言われてる」
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「そうなるだろうね」
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「今日は一緒に寝てもいいかな?」
私の寝相が悪いので、ベッドは別々にしているのだけれど、リアムは一緒のベッドで眠りたがることが多い。
でも、次の日の朝早くから仕事の場合は、必ず、同じベッドで眠ることは御断りしている。
私の寝相の悪さで、リアムの安眠を邪魔するわけにはいかないもの。
「……明日は休みじゃないですよね」
「家でこなせる仕事なら、休みなんてあってないようなものだから」
「ということは仕事なんですね」
笑顔を作ってから聞くと、諦めたように小さく息を吐いてから、リアムは首を縦に振る。
「そうです」
「そうですか。では、リアムはあちらにお戻りください」
「……」
リアムのベッドを指差すと、不満げな顔をしながらも、リアムは渋々、自分のベッドに戻っていった。
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