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29.5 王太子の婚約者 ④(イザベルSide)
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レストランで最後の贅沢を終えた、クックルー伯爵たちは邸に帰り、イザベルにオルフェンからの話を伝えた。
彼に会えると聞いたイザベルは手を叩いて喜んだ。
「王太子殿下自らが私を呼んでくださったの!?」
「そうだ。きっと、お前を何処かで見かけて一目惚れでもしたのだろう」
何も知らないクックルー伯爵は嬉しそうに続ける。
「嫁入りすることになったら、クックルー伯爵家のことをよく言っておいてくれ。お前が平民のままならお声は掛からなかっただろうからな」
「ええ。そうね。そのことについては感謝しているわ」
(メイフ様との結婚を急がなくて良かった! ファリミナさんに感謝ね)
イザベルは大きく頷いたあと、伯爵に頼む。
「王太子殿下に会うんだもの。身だしなみを整えなくちゃ。クックルー伯爵、ドレスやアクセサリーを買ってくれますよね? 見すぼらしい恰好でお会いするわけにはいかないわ」
「もちろんだ。そのかわり結納金はたっぷりもらってくれよ!」
「わかっていますわ!」
(あの騎士に頼まなくても、自分の実力で会うことができたわ。私に偉そうにしたんだもの。あの騎士には王太子殿下から罰を与えてもらいましょう)
イザベルはこれからの自分の未来を考え、幸せそうに笑った。
そして、3日後、イザベルはこれでもかと言わんばかりに着飾った状態で、騎士団の詰所に向かったのだった。
彼に会えると聞いたイザベルは手を叩いて喜んだ。
「王太子殿下自らが私を呼んでくださったの!?」
「そうだ。きっと、お前を何処かで見かけて一目惚れでもしたのだろう」
何も知らないクックルー伯爵は嬉しそうに続ける。
「嫁入りすることになったら、クックルー伯爵家のことをよく言っておいてくれ。お前が平民のままならお声は掛からなかっただろうからな」
「ええ。そうね。そのことについては感謝しているわ」
(メイフ様との結婚を急がなくて良かった! ファリミナさんに感謝ね)
イザベルは大きく頷いたあと、伯爵に頼む。
「王太子殿下に会うんだもの。身だしなみを整えなくちゃ。クックルー伯爵、ドレスやアクセサリーを買ってくれますよね? 見すぼらしい恰好でお会いするわけにはいかないわ」
「もちろんだ。そのかわり結納金はたっぷりもらってくれよ!」
「わかっていますわ!」
(あの騎士に頼まなくても、自分の実力で会うことができたわ。私に偉そうにしたんだもの。あの騎士には王太子殿下から罰を与えてもらいましょう)
イザベルはこれからの自分の未来を考え、幸せそうに笑った。
そして、3日後、イザベルはこれでもかと言わんばかりに着飾った状態で、騎士団の詰所に向かったのだった。
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