もしも生まれ変わるなら……〜今度こそは幸せな一生を〜

こひな

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秘密のにおい?

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生まれて間もないであろう精霊のあの子のと出会い、お父様の来訪予定が明日に迫ったその日、いつものように図書室で本を見ていた私は、日記のようなものを見つけた。
正確には先日出会った精霊の子が見つけたも同然だったけど。


「なんだかコレからと同じ気配がするのよ?」


いまだ私を精霊扱いするこの子が小さな頭を傾げる。

あっ、そうそう。「この子」とか「あの子」じゃ呼びづらいので、便宜上心の中でのみダリアと呼ぶことにしました。だって出会った時この子はダリアの花の上で寝てたんだもん。安易だけどしょうがないよね。とりあえず仮だ。


って……」


私を精霊扱いするダリア(仮)に呆れながら、ダリア(仮)が触れた本を手に取る。
日記とは言ったけれど、装丁はそれなりにしっかりしており、使っている紙もこの世界ではかなり上質の部類である。それに……。


「どうしてこんな奥に……」


歴史の古い家なのでもちろんかなり古い蔵書も沢山ある。そんな蔵書に紛れて……まるで隠して置いたかのような日記は、恐らく女性の手によって書かれた日記だろうと、偶然開いたページを見て思った。所々挟んである押し花のような花は、その時々の季節の花なんだろうか……。


「はぁ~…なんだかこのお花からはとても気持ちのイイ魔力が流れてくるのよ♪」


そういってフワフワと漂っている。
魔力が
ダリアの魔力の表現に引っ掛かりを感じつつも、日記を読んでみようとした時、図書室の扉が開く気配がしたので、慌てて本を閉じた。


♢♢


夕餉の知らせに来たミーヤと共に夕食を食べ、お風呂に入って寝る。

簡単に言ったが、貴族の御令嬢には言葉にしない『やらなければいけないお手入れ』がこの短い文章に沢山あるらしい。

もちろん4歳という年齢と、化粧気などあるわけがない幼児に、その諸々のお手入れは不要なのだけれど、唯一長く伸ばした髪のお手入れがある。

体力のない幼児にとっては、風呂上りのぐったりした時に行うそれはわりと拷問だ。
けれど、明日のことを考えるとやらないわけにもいかず、こっくりこっくりと舟を漕ぎつつ、ミーヤにされるがままになっている。


「セレーネ様のお髪は細く絡まりやすいですからね」


半分寝つつミーヤの話に耳を傾ける。

明日、父が私に何と言うのか……私に向ける感情によっては、早々にここを出ることになるだろうと思う。さすがに「今すぐに出て行け」と言うような鬼畜ではないと思うけれど、家を出ることが確定したならば、この屋敷にも長くは止まれないだろうと思う。

(そうなると……ミーヤともお別れ……)

幼児の身体は涙腺が緩く、油断するとすぐに涙が出る。鼻の奥がツンとして、涙が滲んで来てしまったけれど、あくびをして誤魔化した。

(生きていればまた会えるし、ミーヤも頼ってくれって言ってた。しっかり自分で立てるようになったら逢いに行けば良いんだよね)

セレーネの頭を…髪を優しく撫でてくれる手に想いを寄せる。

(ミーヤは私のお母様だもん。お母様って呼ぶことはできなかったけど、ミーヤは家族だもん)

閉じてしまう目蓋に抗えず眠りに入る。
この気持ちが、言葉にできない気持ちがミーヤに…彼女に伝わることを願って、その晩は生まれて初めてミーヤと共に同じベッドで眠った。
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