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夏季休暇 〜婚約者〜
しおりを挟む「シルフィ……私達婚約しない?」
考えながら言葉を選んで言ったつもりが、だいぶ直接的な言葉になってしまった。
けどまぁ……良いよね。
前世・今世通してロマンチックな事をした覚えがあまり無い私に期待を持っちゃいけない。
「もちろん、ジルベルト様とミーヤの意見も聞いてよ。流石に……勝手は難しいと思うのよ。でも、私は養女だしまだ生まれたばかりだけど、後継はいるわ。だから大丈夫だと思うの。それに、何がなんでもここで……この国で生きなくちゃいけないってわけでもないし……」
いくら告白されているとは言え、唐突過ぎたと思い、だんだん尻すぼみになってしまった。けれど気持ちは分かってくれたらしい。言いながら顔を熱くさせる私を、駆け寄ってそっと抱きしめてくれた。
「ありがとう……セレ」
♢♢♢
セレに……セレーネが僕の気持ちを受け止めてくれた。たとえそれが何かしらの思惑があってのことであっても嬉しい。
だって婚約者という立場があれば、これからセレが晒されるであろう、社会的ないざこざにも介入できる。前世での不甲斐ない自分を反面教師として……使えるものは全部使って彼女を護る。そしていずれは心から愛情を注ぎあえれば……そう思っている。
(前世で築き上げられなかった信頼関係は作れている……よな?あとは……)
打算的だと言われようが構わない。
彼女の……セレの信頼と愛情を得るためなら何でもする。たとえ自分の正体を国に晒そうと。
だから……
「ジルベルト。僕とセレの婚約を国に報告して欲しい。勿論、僕の立場は精霊王だ。セレはその契約者であり、婚約者であると。僕達の邪魔をする者は、何人たりとも許さないよ?……なんて脅しもつけた方がいいかもしれないかな?」
そしてこの数日後、滞りなくセレーネと僕の婚約は公然のものとなった。
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