生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~

こひな

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宮藤真咲くどうまさきさん?…まさきにい?」


思わず、当時呼んでいた呼び方で呼んでしまった。
歳の離れたお兄ちゃん…幼馴染み…真純ますみの兄は、私にとっても兄だった。
実の母よりも、学校の友達の誰よりも一緒に恋バナをした。


背が高くて、見た目も良くて、性格も良い。
誰もが憧れそうな真咲を…ホントの真咲を知っているのは私だけ…。


そう言いたいけど言えなかったあの頃。
いや~若かったなぁ~と懐かしんでしまったけれど、思わず呟いた言葉をメイドさん…メアリさんは聞き逃さなかった…らしい。


「ん?え?…え?」


自分が呟いてしまった事なんてしっかりない物として、動揺しているメアリさんを呆然と見上げる。


まさきにい……やっぱりまさきにいだ。
動揺してあわあわしている時の行動が全く同じで、思わず笑ってしまった。


「真咲さん?まさきにい?それとも、メアリさんがいいのかな?」


一応断って呼んでみる。
「お久しぶりです。見た目じゃ分からないだろうけど…前の世界では、隣に住んでたみのりです」


死因も死んだ経緯も、幼馴染みが話してくれたものと全く同じだったので、疑いようもない…そう思い自己紹介する。


今の…じゃなくて前の…。


そのまま、優に5分はフリーズしてたんではないか…と思ったメアリさんは、いきなりハラハラと涙を流し始めた。
声を上げるでも…かと言って押し殺すわけでもなく…


体感で30分程だろうか…顔を覆っていた手を下ろしたメアリさんの瞼は、見事に腫れ上がっていた。…泣くのを我慢すると腫れが酷くなると聞いたことがあるなぁ…早く冷やしてあげたいなぁ……と思ったら、メアリさんの周囲にふわっと風が吹き、淡く光ったかと思ったら、腫れていた瞼がすっかり綺麗に戻っていた。


へ?さっきのって何?え?心の中の呟きは、そのまま口に出ていたらしい。
なぜか私はそのまま倒れた…横になっているのに目眩がする…気持ち悪い…。


そんないやな感覚に襲われ…私はあっさり意識を手放した。
抗う必要はない気がしたし…今は色々あり過ぎて、正直キャパオーバー。


市川みのり 31歳…独身、彼氏なし。
気が付いたら異世界でした……とりあえずはそれで許して下さい……。





⚫〇⚫〇




目が覚めたら、嬉しそうに微笑むメアリさんがいました…。
まさきにい…だと思うと、女装したまさきにいに見えて来ちゃうからあらビックリ。


思った疑問はまず解決!
寝起き、ぼーっとしている勢いで思わず聞いてみた。


「まだ少しぼーっとしてるでしょ?あとでゆっくり話をする時間が取れそうだから…」


そう言って、以前と同じように頭を撫でてくれる。
今日は一日私のお世話係になったらしい。


まさきにいは…女の人に生まれ変わったのかな?
転生だから、それもありなのか?


疑問はいくつもある。
あるけれど…子供の身体は言うことを聞いてくれない。
また眠りに引き込まれそうになりながら…半分眠りに落ちながらも問いかけてみる。


「ねえ…まさきにい……メアリさんって……オネエなの?」
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