地球は世界のまんなか…じゃないらしい

こひな

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もふもふさんこんにちは 3

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「これは……」


ばあちゃんから渡された宝石箱の中のメモは、オレと夏樹には読めない文字で書かれていた。って事は異世界の物?


なんでばあちゃんが?
疑問は次から次と湧いてでるけど、それに集中できない。


なぜって?
夏樹がもふもふなでなでするからです。
ただそれだけ。


初めての変体(変態じゃないよ)で、慣れない身体で声を出すのは難しい。
キースさんが、何も言えないおれの気持ちを察して色々教えてくれるが、何分感覚的なものなので、なかなか難しい。


世の中、人の言葉に聞こえる言葉を話す犬や猫がいるんだから、きっとオレなら簡単に話せるはず。元は人間だからな!


と、意気込んでみたが……誰がどう聞いてもアウアウしか言ってない。
キースさんにさえ通じない……。


色々頑張ってみたが、どうにも難しいので、今日は諦めた。
世の中の犬猫諸君、馬鹿にしたわけではないのだけれど、軽んじる発言を謝ろう!
君達は凄い努力してたんだね…(涙)


ちなみに...そんなオレをみて、夏樹が紙を繋ぎ合わせ、少し大きめな五十音図を作ってくれた。
発声に障害を持つ人が、意志を伝える手段として使ったりしているらし。
今はスマホやタブレットで文字入力して、それを音声出力する機能やアプリもあるらしいのだけれど、オレのこの手じゃ無理だし。
アナログだけど、十分ありがたい。



その後は、夏樹の作ってくれた五十音図で会話ができるようになった。ゆっくりだけどな。


ちなみに、なんでオオカミになっているのか母さんに聞かれたので、ばあちゃんから宝石箱を託された経緯と、持ち歩いていた時の感覚、家に帰ったまではまだ耳と尻尾の変化のみだった事を、頑張って答えた。
夏樹の補足付きで。


普段スマホはフリック入力、パソコンはローマ字入力なので、五十音はちょっと苦労した。
それに紙だから、ちょっと強く手を振ると、爪が紙を引っ掛けて破れてしまう。
オレの心も破れてしまいそうだけど、そこは誰も気づいてくれない。厄介だ。


このままオオカミで過ごすなら、色々考えないとなぁ。
戻れるんだろうけど…いつ戻れるのか。
なっちゃったものはなっちゃったんだし、しょうがな...と思うしかないんだけど...オレの目下の懸念事項、メシはどうしよう。
オレ...はさすがに作れない。
母さんは却下...キースさんは......一応お客様だしな。
考えあぐねて、五十音図にて質問開始。


「メシ作る人どうする?」



顔を青くした母親。
絶望的な顔のキースさん。





おい...今日1番の案件っぽいんだけどどういう事だ!と言いそうになったのはオレだけだったらしい。
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