地球は世界のまんなか…じゃないらしい

私を異世界に連れてって １

オレはイヌ...じゃないよ。

ただね今の世の中、オオカミが町中をウロウロするなんて事は出来るはずもない...けど、すっごい広い庭があるわけでもないので…


まぁぶっちゃけ、運動不足です。


解決策は…とりあえずキースさんを巻き添えにして、早朝走る事を提案してみた。キースさんもトレーニングはしたいはずだろうと思って。

まあ、いくら早朝といえど、大型の動物が単独での行動はまずいだろうってのが１番の理由だけど。


首輪は嫌なので、大きめなバンダナを巻き...
リードは一応キースさんに持ってもらい、何か言われたらつける事にして欲しい...と打合せをして、今朝早速行ってきた。


自分で言うのもなんだが、超早かった。
疾風の如く走ってきたよ。結構楽しかった。
走った後は、思わずハッハッしてしまったのはご愛嬌で。



で……
どれくらい、この形態が続くのか。
なんでいきなりこの姿になったのかは、昨日の夜、母さんから説明があった。


原因はやっぱり、ばあちゃんから預かった宝石箱。
あの箱から魔力が出ていたらしい。
あのジリジリした感じが魔力なんだろうと思う。
多分。


昨日の話し合いのあと、母さんがあの箱に結界を張ってくれた。
しばらくすれば、魔力の影響は消えるようだけど、そのしばらくが人によって違うと言う事だ。


ちなみに、キースさんは魔法がほとんど使えず、異世界あっちでも身体強化をするくらいだそうだ。
なので、元々魔素を取り込む器が小さいので、なくなるのも早い。


反対にオレは、魔法適性等はまだ解らないけれど、感じ的には中級から上は使えるんじゃないか？と予想。
したがって、魔素を取り込む器も大きいので、なくなるのも時間がかかる...という予想。


オレに関してはチカラの素養が判らないので、ほぼ予想だ。
キースさん曰く、獣人でも完全に変体できるのは、魔力量の多いほんの一部だそうだ。
なので、母さんが立てた予想でほぼ合ってるだろうと。


そんなオレの今朝の朝食は、トースト・ベーコン・牛乳といたってシンプル。


さすがに昨日今日で夏樹が来れるわけもなく、トースト・ベーコンは焼くだけである。
……それぐらいは母さんでも出来るはず。
調味料さえ使わなければ良いのだ。


数日といえど、ポイズンクッキングの果ての物は遠慮したい。
おまけに、今は鼻も良く利くのだ。
苦労はしないに越した事はない。



健気な幼少期は何処...と言われても、もう戻れないのである。過去は過去だ。