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ふぁいなるあんさ~? 3
しおりを挟む久々に服を着ました。
なんだかこれだけ聞くと、ちょっとヤバいやつ...だな。
気を付けないと。
でも、変体する度に服がダメになったり、裸になったりするのは不便だ…よな?
多分。
これは異世界行ったら考える重要案件だな。
メモしといて、忘れないようにしとこ。
ちなみに…このメモもな…いっぱしの現代っ子らしく、スマホでなんでもやっちゃうせいか、今更スマホを使えなくなるのも不便だ。
その辺は母さんに要相談。
ラノベみたいに、魔力を電気の代わりにするとかね。
ちなみに今日は、午前中は母さんが仕事の納品、夏樹がアパートの片付け。
キースさんは、ランニングに行かなかったから…と言って、裏庭で素振りしてる。
オレ、昨日は眠れなくてね...朝方ようやくウトウトして、そのまま寝坊しました。
たまにはいいよね。昨日は疲れたし。
そうそう...それと昨日、母さんから借りた魔導具して寝たら、朝方人間に戻ったよ♪
戻る時もやっぱり、身体のあちこちがムズムズムズムズ。そしたらグォーってなってヌォーってなって人間になった。
あの変体の感覚は、人に伝えるのは難しい。
人の感覚ってそれぞれだからね。
嬉しくて、そのまま夏樹と母さんが寝てる部屋に行こうと思ったんだけどね...夜中に吠えて怒られたのを思い出して、止めました。
で、ただ今久々にキッチンです。
いやぁホント久々。
オオカミ初心者だったから、肉の塊丸かじりとかブロッコリー丸かじりとか、丸かじり出来るものばっかりだったので、今日のオレのブランチはパスタですよ。
ソースは市販の物だけどね。
啜るって言うのが出来なくて、麺類全般食べれなかったから、みんながうどん食べたりしてるのが羨ましかったんだよね~。
今日の夕飯はうどんだな~♪
なんて思ってたら、母さんと夏樹が帰ってきた。……ん?ばあちゃんも一緒?
あの箱の事か?
そういえば、あの箱からジリジリと漏れてたのは魔力?だったのか?
もしかして、ばあちゃんも異世界関係者?
ようやく人間に戻れて、ちょっと浮つき過ぎたか、これからの事あんまり考えてなかった。
今日は航太の事も相談しなくちゃいけないんだった!気を引き締めなくては!
とりあえず、ブランチの後でね。
腹が減っては戦はできぬですよ。
●〇●○
で…静まり返るリビング。
母さんが話したい事があるというので、お茶の準備をして、みんなで座った。
もちろん夏樹も。そしてばあちゃんも。
この数日...母さんが記憶を取り戻して今に至るまでを大まかに話した。補足や説明を入れつつ...。
キースさんは、母さんと一緒に行ったばあちゃんの家で、先に色々と聞いていたらしい。
しかし、今聞いたばかりのオレの頭の中は整理しきれなくていっぱいいっぱいだ。
多分、それは隣に座る夏樹も同じだと思う。
というか、もしかしたら夏樹の方がいっぱいいっぱいかもしれない。
天涯孤独だと思っていたら、すぐ傍に身内がいたなんて。それも、戸籍上だけの繋がりだと思っていたら、本当のおばあちゃんだ。
色々いっぺんに判りすぎて、表情も心中複雑といった感じだ。
「ごめんね。夏樹ちゃん。どう説明したらいいのか判らなくて、言えなかったの」
ずっと、あなたの本当のおばあちゃんだと言いたかったらしい。
まぁ、話したくてもそもそも、夏樹が飛ばされた理由も判らず、事情を知っていそうな母さんが記憶喪失だったというのも大きかったらしい。
異世界の存在や、自分がこちらにいる理由を説明出来ない事もあり、知らない方が幸せかもしれない...と思ったそうだ。
両親が生きている事を知ってしまうと、会えない事が更に辛くなるだろうから…と、ばあちゃんがしみじみ言ってた。
ばあちゃんは王太后様だそうだ。
いわゆる、現王様の母上だな。
今の王様の王位争いで、側妃に暗殺されそうになったらしい。
その当時まだ皇太子だった現王様と共に。
度重なる暗殺未遂……。
このままでは本当に殺されてしまうと感じた王后陛下が、王位を現王様に譲り、王太后様を異世界に逃がしたそうだ。
自分にはまだやる事があるから、一緒には行けない...と言って。
王后陛下が、何を考えどう思って、ばあちゃんを異世界へ送ったのか…。
弱って、起きているのも日に数時間程度だった当時の自分では聞けなかったそうだ。
魔力もほぼ枯渇状態だったらしいから。
ちなみに…その暗殺を目論んでいた側妃が今の王弟の母親らしい。
親が親なら子も子だという、見事な例だな。
褒められたものではないけれど。
こちらに送られた当時は夏樹や母さんの時と同じく、思ったよりすんなりと生活できたらしい。
ばあちゃんより前に異世界から来た人がいて、その人が助けてくれたらしい。
どういう理由があって、こちらにいるのかは最後まで教えてはくれなかったけれど、おそらくは同じ王位争いの末だろうと……。
王族ではその代に1人、時空間移動魔法が使える者が産まれるそうだ。
それが先代では王后陛下、今代では王弟だったらしい。
上手く使えれば充分に国の為になる魔法。
本来なら、時空間魔法を使える王弟が王位につく予定だったらしいが、側妃の暴走により、王弟の継承権がなくなり、現王様が王位についたらしい。
キースさんの話では、その当時も王族には極刑は適用されず、王弟は時空間魔法を封印、側妃は辺境の神殿にて幽閉だったらしい。
きっと、王弟自身は関与していないから…とかなんとか弁護があり、その封印も軽いものだったのだろう。
で、その甘い処置が仇になり、また同じような事件が起きたと思ったのはオレだけじゃないはずだ。
キースさんが言うには、現王様は先代の事を知っているせいか、王弟の子供にも厳罰を下したらしい。
二度あることは三度ある...である。
で...このまま夏樹が戻って来なければ、血が途絶えてしまうと焦った王様が、残った母さんの部下と魔導士長に命じ、時空間魔法の開発を急がせたらしい。
母さんが残した資料がなければ、出来ないことだったらしい。マジ母さん優秀らしいよ。
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