脳内と掛けまして春と解く。その心は…花畑が広がるでしょう!

朝比奈明日未

文字の大きさ
9 / 15

大人の言い分、大人の言い訳 2

しおりを挟む
 昼過ぎになって、漸く腰の怠さが抜けた気がする…と思いながら仕事を一日こなし、やっとの思いで部屋へと帰ってきたのだが、どうして簡単にドアが開くのだろうか?どうしてここに靴があるのかな?

 どうしてお前はまだいるのかな??????

 SNSに上げるわけでもないが、本当に頭の中でそう思った。玄関を開けてからまるで漫画のように色々な所のドアを開けたし、最終的にはベッドの上で発見した。ついでにベッドメイキングされてベッドは無事綺麗になっていた。
 何故か夜ご飯も作られていたし、家は心なしか綺麗になっているし、ベッドは言わずもがなである。
「…なんでまだいるんだよ!帰れっつったろ!」
「えー?オレのんびりするって言ったじゃん。それにちゃんと一回家に帰って荷物持ってきただけだし」
「はぁ!?」
 言われたことが全く理解できず、つい声を荒げるが全然気にしないようで暁良は飄々と答える。
「どうせこの様子だと家事もまともにできないんじゃないの?それ、コンビニの袋でしょ?」
「ぐっ…!確かにそうだけど別にお前に関係ねぇだろうが」
「無いけどさー。まぁいい思いさせて貰っちゃってるし、恩返しみたいなもんだと思ってよ」
「どういう恩返しだよ!」
「ご飯いらないの?」
「食うわ!」
「そうだよね。生姜焼きとサラダ作ったし食べてよ」
「…金は?」
「あー、今日は自腹で買ってきたよ。恩返しだし」
 いい匂いがすると思ったら怒って気づかなかったが目の前には家に二枚しかない大皿に綺麗に盛られたキャベツの千切りにきゅうりやらが添えられた野菜サラダとそこに乗せられた美味しそうな豚の生姜焼き。普段から余り仕事をしない炊飯器も仕事をしていた。
「…明日は帰れよ」
「それはどうかなー。気分がそうなったら帰るけど」
「どう言うことなんだよ…」
「まぁまぁ。ほら、食べようよ。いいタイミングで出来たからまだあったかいよ」
「ん、飯に罪はねぇしな」
「そうそう」
 結局美味しそうな匂いには勝てなくてご飯をよそって二人で美味しくご飯を食べた。生姜焼きは甘辛くて美味しかったし沢山入ってた生姜のお陰でコンビニで買ってきたビールも進んだ。二人で飲んだらあっという間に無くなったけど美味しかったから許す。
「本当、洗濯まできちんとしてあるし何なんだよお前はよ…」
「ははっ、元々家事は好きなんだよね」

 こんなことを言い合ってから一ヶ月。幾度となく出て行くように言ったつもりだったのに、気がつけば住み着いている暁良と世話をされ過ぎているのが当たり前になってしまっている朔の姿がそこにはあった。途中から面倒になって食費を渡すようになってしまったし、布団も買ってしまった。殆ど仕事はしていないが。
 毎日のように夜は襲われてしまうが朝になると美味しいご飯がまた待っているので許してしまい、それを繰り返していたらもう戻れない所まで来たんじゃなかろうかというくらい胃袋も掴まれていた。
 なんだったら家事を全部してくれる暁良に完全に甘えきっている。体以上を求めてこないことも含めて、九歳も年下の男に身も心も朔は甘えてしまっているのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?

中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」 そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。 しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は―― ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。 (……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ) ところが、初めての商談でその評価は一変する。 榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。 (仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな) ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり―― なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。 そして気づく。 「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」 煙草をくゆらせる仕草。 ネクタイを緩める無防備な姿。 そのたびに、陽翔の理性は削られていく。 「俺、もう待てないんで……」 ついに陽翔は榊を追い詰めるが―― 「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」 攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。 じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。 【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】 主任補佐として、ちゃんとせなあかん── そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。 春のすこし手前、まだ肌寒い季節。 新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。 風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。 何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。 拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。 年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。 これはまだ、恋になる“少し前”の物語。 関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。 (5月14日より連載開始)

人気作家は売り専男子を抱き枕として独占したい

白妙スイ@1/9新刊発売
BL
八架 深都は好奇心から売り専のバイトをしている大学生。 ある日、不眠症の小説家・秋木 晴士から指名が入る。 秋木の家で深都はもこもこの部屋着を着せられて、抱きもせず添い寝させられる。 戸惑った深都だったが、秋木は気に入ったと何度も指名してくるようになって……。 ●八架 深都(はちか みと) 20歳、大学2年生 好奇心旺盛な性格 ●秋木 晴士(あきぎ せいじ) 26歳、小説家 重度の不眠症らしいが……? ※性的描写が含まれます 完結いたしました!

タトゥーの甘い檻

マリ・シンジュ
BL
執着系わんこ攻(大学生)× 高潔な美形教授受(30代) どのお話も単体でお楽しみいただけます。 ​「先生、ここ……僕の瞳を入れるから。ずっと、僕だけを見てて」 ​真面目な大学教授・新城が、大学生の・羽生にだけ許した、あまりにも淫らな「わがまま」。 ​それは、誰にも見えない内腿の奥深くに、消えないタトゥーを刻むこと。 「下書き」と称して肌を赤く染めるペン先の冷たさ。 アトリエの無機質なライトの下、四つん這いで晒される大人の矜持。 ​ずっと年下の青年の、必死で、残酷で、純粋な独占欲。 愚かだと知りながら、新城はその熱に絆され、ゆっくりと「聖域」を明け渡していく――。 ​「……お前のわがままには、最後まで付き合う」 ​針が通るその時、二人の関係は一生消えない「共犯」へと変わる。 執着攻め×年上受け、密やかに刻まれる秘め事のお話。

有能課長のあり得ない秘密

みなみ ゆうき
BL
地方の支社から本社の有能課長のプロジェクトチームに配属された男は、ある日ミーティングルームで課長のとんでもない姿を目撃してしまう。 しかもそれを見てしまったことが課長にバレて、何故か男のほうが弱味を握られたかのようにいいなりになるはめに……。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

染まらない花

煙々茸
BL
――六年前、突然兄弟が増えた。 その中で、四歳年上のあなたに恋をした。 戸籍上では兄だったとしても、 俺の中では赤の他人で、 好きになった人。 かわいくて、綺麗で、優しくて、 その辺にいる女より魅力的に映る。 どんなにライバルがいても、 あなたが他の色に染まることはない。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...