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「フー アー ユー」
突然、彼女は暗闇に向かって話しかけた。そんな、相手に英語が通じるわけ……
「アイム ムーンワーク ロボット」
暗闇から返事が返ってきた。
月面作業ロボットだと?
光を暗闇に向けると、そこに一台のロボットが立っている。
旧式だが、確かに月面作業ロボットだった。
それじゃあインド隊のロボットが遭遇したのはこいつだったのか?
ボディが傷だらけなところを見ると、かなり長い間、洞窟を彷徨っていたようだ。
彼女はハンスの方を指差す。
「この人をここに運んだのは、あなたなの?」
「はいそうです。この方は大変危険な状態にあると判断しまして、緊急避難処置でここに運びました。減圧がおさまるまで私がここで抑えていました」
それじゃあ、あの爪痕は突風に吹き飛ばされないようにしがみ付いていた痕だったのか。
彼女は僕の方を振り返る。
「佐竹さん。この子、ハンスさんを襲ったんじゃなくて救助したんですよ」
「そのようだね」
僕も立ち上がりロボットに近寄る。かなり傷がついてるが、胸の辺りに日の丸のマークがあった。という事は日本の宇宙省所属か?
ロボットに聞いてみるほうが早いな。
「君の所属はどこだ? いつからこの洞窟にいる?」
「私は日本国宇宙省月面観測隊所属、三菱三式月面作業ロボット月兎六型です。この洞窟に入ったのは二〇五四年八月一日です」
二〇五四年!! まさか!?
突然、彼女は暗闇に向かって話しかけた。そんな、相手に英語が通じるわけ……
「アイム ムーンワーク ロボット」
暗闇から返事が返ってきた。
月面作業ロボットだと?
光を暗闇に向けると、そこに一台のロボットが立っている。
旧式だが、確かに月面作業ロボットだった。
それじゃあインド隊のロボットが遭遇したのはこいつだったのか?
ボディが傷だらけなところを見ると、かなり長い間、洞窟を彷徨っていたようだ。
彼女はハンスの方を指差す。
「この人をここに運んだのは、あなたなの?」
「はいそうです。この方は大変危険な状態にあると判断しまして、緊急避難処置でここに運びました。減圧がおさまるまで私がここで抑えていました」
それじゃあ、あの爪痕は突風に吹き飛ばされないようにしがみ付いていた痕だったのか。
彼女は僕の方を振り返る。
「佐竹さん。この子、ハンスさんを襲ったんじゃなくて救助したんですよ」
「そのようだね」
僕も立ち上がりロボットに近寄る。かなり傷がついてるが、胸の辺りに日の丸のマークがあった。という事は日本の宇宙省所属か?
ロボットに聞いてみるほうが早いな。
「君の所属はどこだ? いつからこの洞窟にいる?」
「私は日本国宇宙省月面観測隊所属、三菱三式月面作業ロボット月兎六型です。この洞窟に入ったのは二〇五四年八月一日です」
二〇五四年!! まさか!?
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