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第三章

その顔は!?

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「瑠璃華!! 戻ってこい!!」
 真君の声? どこから? 
 目を開くと周囲は薄暗い。
 誰かがあたしを覗き込んでいる。
「目が開いたぞ」
 真君の声?
「真君?」
 違った。リアルだった。
「どうした? 瑠璃華」
 え? 今、返事をしたのはリアル? 
 どうしてリアルが?
「もう、大丈夫ね」
 博士がAEDを持っている。
「ここは、どこ?」
「船の上だ。おまえ心臓止まっていたんだぞ」
 心臓が? 
「何する!! 放せ!!」
 突然リアルがあたしの視界から消えた。
 首を動かすと、リアルはポールに首輪を掴まれてジタバタしているのが目に入る。
「話が違うわ!!」
 博士がポールに掴みかかった。
 しばらく二人はもみ合う。
 ビリ!! 
 もみ合っているうちに博士のブルカが破れ、顔が露わになった。
 その顔は!? 
 どういうこと? 
 あの人がここにいるって?
 博士の正体が真君のお母さんて……
 それじゃあ、リアルの脳にインストールされた記憶って!!
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