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第三章
人間に戻れなくたって……
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「でも、リアルの中に真君はいるのよ」
「俺は田崎真の記憶を入れたUSBメモリーのような物にすぎない。田崎真にはなれない」
「だから……なによ」
「え?」
「真君が死んで、あたしがどんなに辛かったか。近くで見ていたならわかるでしょ」
「瑠璃華」
「人間に戻れなくたっていい!! 猫のままだっていい!! リアルは真君だよぉ!!」
あたしは一層強くリアル=真君を抱きしめた。
「瑠璃華……すまない」
「いつ、記憶が戻ったの?」
「今朝、頭をぶつけてから、少しずつ記憶が戻ってきていた。でも、言い出せなかった」
グッキーがあたしの身体に這い上がってきた。
リンダに捕まった時に、とっさにリードを外して逃がしたけど無事でいてくれたのね。
グッキーはリアルにじゃれつく。
「グッキーはわかっていたのね。リアルが真君だって」
「俺も、なんでこいつの名前がわかったか不思議だったんだ」
「真君。もうどこにも行かないで……」
「それは……」
リアルが何かを言いかけた時、あたしは背後から伸びてきた手に首を絞められ、ナイフを突きつけられた。
リンダだ。
リンダは英語で何か言った。リアルはそれに返事をする。
「この人、なんて言ってるの?」
「抵抗せずついて来いって」
「俺は田崎真の記憶を入れたUSBメモリーのような物にすぎない。田崎真にはなれない」
「だから……なによ」
「え?」
「真君が死んで、あたしがどんなに辛かったか。近くで見ていたならわかるでしょ」
「瑠璃華」
「人間に戻れなくたっていい!! 猫のままだっていい!! リアルは真君だよぉ!!」
あたしは一層強くリアル=真君を抱きしめた。
「瑠璃華……すまない」
「いつ、記憶が戻ったの?」
「今朝、頭をぶつけてから、少しずつ記憶が戻ってきていた。でも、言い出せなかった」
グッキーがあたしの身体に這い上がってきた。
リンダに捕まった時に、とっさにリードを外して逃がしたけど無事でいてくれたのね。
グッキーはリアルにじゃれつく。
「グッキーはわかっていたのね。リアルが真君だって」
「俺も、なんでこいつの名前がわかったか不思議だったんだ」
「真君。もうどこにも行かないで……」
「それは……」
リアルが何かを言いかけた時、あたしは背後から伸びてきた手に首を絞められ、ナイフを突きつけられた。
リンダだ。
リンダは英語で何か言った。リアルはそれに返事をする。
「この人、なんて言ってるの?」
「抵抗せずついて来いって」
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