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第十章
自爆装置
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「ひいいい! 北村! 俺が悪かった! 許してくれ!」
見苦しい……僕はこの程度の奴に、ずっと怯えていたのか……
「とりあえず、矢納さん。謝りながら腰の拳銃に手を伸ばすのは止めましょう。そもそも、それではロボットスーツは貫けませんよ」
矢納さんは、パッと拳銃から手を放した。
「は……はは……イヤだな……手が勝手に動いてしまったぜ……へへへ」
「少なくとも、僕はあなたに復讐しようなどとは思っていません」
「ほ……本当か? しかし……おまえのSNSは、俺への怨嗟で満ちていたぞ」
そこまで酷く書いたつもりはない。たぶん、この人の心のフィルターを通すとそう見えてしまうのだろう。
「僕はあなたへの憎悪は捨てました」
「そ……そうなのか? いやあ、君は心が広いな。人間そうでなくっちゃ」
「何故なら、あなたは憎む価値もない人間だからです」
「なんだと!? どういう意味だ!」
「そのままの意味ですよ。あなたは、器の小さい価値のない人間だ。憎む事で、あなたと関わり持つなどバカバカしい事です。だから、あなたを憎んでなどあげません」
「なんだと、てめえ……」
「それとも、この状況下で、僕から憎まれたいですか?」
「あ! いえ、いいです。憎まないで下さい」
「ふん」
とりあえず、矢納さんには手錠をかけた。まあ、成瀬真須美との約束だし、後で殺すけど、その前にいろいろ聞き出したい事があるので今は殺さないでおこう。
周囲を見回すと、分身達によって、艦橋内は完全に制圧されていた。外に目を向けると、《水龍》が浮上して、分身達の増援を送り込んでいる。
カルカシェルターからドローンも飛んできた。
そんな状況下でも、艦長席で泰然としているオルゲ……だめだ、名前覚えられない……とにかく、泰然としている男の前に桜色のロボットスーツを纏った芽依ちゃんが歩み寄りショットガンを向ける。
「オルゲルト・バイルシュタイン中将ですね?」
芽依ちゃんスゴいな。あんな長ったらしい名前をよく覚えられる。
「いかにも」
「私はリトル東京防衛隊、機動服中隊所属、森田芽依一尉です。降伏を勧告します」
芽依ちゃんはバイザーを開いた。
「これはこれは。桃色の死に神の中身が、こんな可愛いお嬢さんとは恐れ入った」
「桃色の死に神?」
「名前が分からなかったので、我々の方で勝手に『桃色の死に神』と呼ばせてもらっていた。ドームでは随分と活躍していたね。そんな英雄の顔を拝めるとは光栄の極み。そちらの金色がカイト・キタムラだな」
バイルなんたらが僕の方を指さした。
「そうだ」
僕は立ち上がって、バイザーを開いた。
「やれやれ。我々を散々苦しめた男が、こんな優男とはな。ところでこちらの調査では、君の階級は二佐だと記憶しているが」
矢納さんに殺された前の僕は一尉だったらしいが、死んだことで二階級特進して二佐になったらしい。よく調べてあるな。
「もし、そうなら私の交渉相手は君だと思うのだが……それとも、私程度では、君のような英雄の交渉相手には不足かね?」
「けっ! どうせ、バイルシュタインの名前が覚えられなかったので、森田芽依に任せ……グエ!」
横から、よけいな事を言った矢納さんの脇腹に、軽く蹴りを入れてから提督に向き直った。
「僕は北村海斗の二人目のコピー人間だ。二佐だったのは、一人目のコピー人間」
矢納さんを指さした。
「一人目の僕は、この人に殺された。僕は正式な辞令を受け取っていないので、まだ階級はない。それに二佐というのは、死んで二階級特進したからで、死ぬ前は一尉だった。よって、ここでの交渉は森田芽依一尉で問題ない」
「そうか。では、返答しよう。答えは否だ」
「降伏はしないという事ですか?」
芽衣ちゃんの質問に提督は頷く。
「しかし、あなた達には、もう抵抗する手段はありませんよ」
「本当にそう思うかね?」
提督が不敵な笑みを浮かべた。
突然、矢納さんが慌てて叫ぶ。
「おい! バイルシュタイン! まさか、自爆する気か!?」
なに?
「その通りだ。私が今、指にかけているボタンに少しでも力を籠めれば、船底にある一トンのТNТが爆発する」
くそ! もう手の出しようがないのか……
「よせ! やめろ!」
「ヤナ君。何を慌てている。当然ではないか。私は敗北などという屈辱に、甘んじる気はない」
「よせ! 俺を巻き込むな!」
「どのみち、君はカイト・キタムラに殺されるのだよ。私と共に名誉ある死を選びたまえ」
「何を言ってる? こいつは憎悪を捨てると言ったのだぞ」
「君も頭の悪い男だね。カイト・キタムラは憎悪を捨てるとは言ったが、殺さないとは一言も言っていないぞ」
気が付いていたか。
「だって、憎悪を捨てたって……」
「君は害虫を殺すのに、一々害虫を憎むのかね? 違うだろ。カイト・キタムラに取って君は害虫なのだよ。そうなのだろ?」
いきなり同意を求められても困るが……僕は無言で頷いた。
「大方、君はこの男から情報を聞き出そうとしていたのだろう。それまでは、生きる希望を持たせておきたかった。違うかな?」
その通りだ。
「ここ数日の間、ヤナから君に対する怨嗟を散々聞かされた。はっきり言って反吐の出る思いだった。味方でなかったら、私の手でヤナを殺したいぐらいだ」
「あんた……味方殺しと呼ばれているのじゃなかったのか?」
「そうらしいな。必要とあれば私は味方も殺すが、ヤナを殺す必然性が残念な事になかったのでね」
そう言って、提督は自爆ボタンに左手を当てたまま、右手で酒ビンを取った。
「カイト・キタムラ。君も酒が好きだそうだね。できれば君のような英雄と、杯を交わしたいところだが、この酒は青酸カリウムで味付けした私専用なのでね。君に分ける事はできない」
提督は瓶に口を付けた。
「自爆装置は百二十秒後に作動する。それまでに脱出したまえ」
提督が崩れるように倒れると同時に、サイレンが鳴り響いた。帝国語でアナウンスが流れる。
『自爆装置が作動しました。本船は百二十秒後に爆発します』
そのままカウントダウンが始まった。
見苦しい……僕はこの程度の奴に、ずっと怯えていたのか……
「とりあえず、矢納さん。謝りながら腰の拳銃に手を伸ばすのは止めましょう。そもそも、それではロボットスーツは貫けませんよ」
矢納さんは、パッと拳銃から手を放した。
「は……はは……イヤだな……手が勝手に動いてしまったぜ……へへへ」
「少なくとも、僕はあなたに復讐しようなどとは思っていません」
「ほ……本当か? しかし……おまえのSNSは、俺への怨嗟で満ちていたぞ」
そこまで酷く書いたつもりはない。たぶん、この人の心のフィルターを通すとそう見えてしまうのだろう。
「僕はあなたへの憎悪は捨てました」
「そ……そうなのか? いやあ、君は心が広いな。人間そうでなくっちゃ」
「何故なら、あなたは憎む価値もない人間だからです」
「なんだと!? どういう意味だ!」
「そのままの意味ですよ。あなたは、器の小さい価値のない人間だ。憎む事で、あなたと関わり持つなどバカバカしい事です。だから、あなたを憎んでなどあげません」
「なんだと、てめえ……」
「それとも、この状況下で、僕から憎まれたいですか?」
「あ! いえ、いいです。憎まないで下さい」
「ふん」
とりあえず、矢納さんには手錠をかけた。まあ、成瀬真須美との約束だし、後で殺すけど、その前にいろいろ聞き出したい事があるので今は殺さないでおこう。
周囲を見回すと、分身達によって、艦橋内は完全に制圧されていた。外に目を向けると、《水龍》が浮上して、分身達の増援を送り込んでいる。
カルカシェルターからドローンも飛んできた。
そんな状況下でも、艦長席で泰然としているオルゲ……だめだ、名前覚えられない……とにかく、泰然としている男の前に桜色のロボットスーツを纏った芽依ちゃんが歩み寄りショットガンを向ける。
「オルゲルト・バイルシュタイン中将ですね?」
芽依ちゃんスゴいな。あんな長ったらしい名前をよく覚えられる。
「いかにも」
「私はリトル東京防衛隊、機動服中隊所属、森田芽依一尉です。降伏を勧告します」
芽依ちゃんはバイザーを開いた。
「これはこれは。桃色の死に神の中身が、こんな可愛いお嬢さんとは恐れ入った」
「桃色の死に神?」
「名前が分からなかったので、我々の方で勝手に『桃色の死に神』と呼ばせてもらっていた。ドームでは随分と活躍していたね。そんな英雄の顔を拝めるとは光栄の極み。そちらの金色がカイト・キタムラだな」
バイルなんたらが僕の方を指さした。
「そうだ」
僕は立ち上がって、バイザーを開いた。
「やれやれ。我々を散々苦しめた男が、こんな優男とはな。ところでこちらの調査では、君の階級は二佐だと記憶しているが」
矢納さんに殺された前の僕は一尉だったらしいが、死んだことで二階級特進して二佐になったらしい。よく調べてあるな。
「もし、そうなら私の交渉相手は君だと思うのだが……それとも、私程度では、君のような英雄の交渉相手には不足かね?」
「けっ! どうせ、バイルシュタインの名前が覚えられなかったので、森田芽依に任せ……グエ!」
横から、よけいな事を言った矢納さんの脇腹に、軽く蹴りを入れてから提督に向き直った。
「僕は北村海斗の二人目のコピー人間だ。二佐だったのは、一人目のコピー人間」
矢納さんを指さした。
「一人目の僕は、この人に殺された。僕は正式な辞令を受け取っていないので、まだ階級はない。それに二佐というのは、死んで二階級特進したからで、死ぬ前は一尉だった。よって、ここでの交渉は森田芽依一尉で問題ない」
「そうか。では、返答しよう。答えは否だ」
「降伏はしないという事ですか?」
芽衣ちゃんの質問に提督は頷く。
「しかし、あなた達には、もう抵抗する手段はありませんよ」
「本当にそう思うかね?」
提督が不敵な笑みを浮かべた。
突然、矢納さんが慌てて叫ぶ。
「おい! バイルシュタイン! まさか、自爆する気か!?」
なに?
「その通りだ。私が今、指にかけているボタンに少しでも力を籠めれば、船底にある一トンのТNТが爆発する」
くそ! もう手の出しようがないのか……
「よせ! やめろ!」
「ヤナ君。何を慌てている。当然ではないか。私は敗北などという屈辱に、甘んじる気はない」
「よせ! 俺を巻き込むな!」
「どのみち、君はカイト・キタムラに殺されるのだよ。私と共に名誉ある死を選びたまえ」
「何を言ってる? こいつは憎悪を捨てると言ったのだぞ」
「君も頭の悪い男だね。カイト・キタムラは憎悪を捨てるとは言ったが、殺さないとは一言も言っていないぞ」
気が付いていたか。
「だって、憎悪を捨てたって……」
「君は害虫を殺すのに、一々害虫を憎むのかね? 違うだろ。カイト・キタムラに取って君は害虫なのだよ。そうなのだろ?」
いきなり同意を求められても困るが……僕は無言で頷いた。
「大方、君はこの男から情報を聞き出そうとしていたのだろう。それまでは、生きる希望を持たせておきたかった。違うかな?」
その通りだ。
「ここ数日の間、ヤナから君に対する怨嗟を散々聞かされた。はっきり言って反吐の出る思いだった。味方でなかったら、私の手でヤナを殺したいぐらいだ」
「あんた……味方殺しと呼ばれているのじゃなかったのか?」
「そうらしいな。必要とあれば私は味方も殺すが、ヤナを殺す必然性が残念な事になかったのでね」
そう言って、提督は自爆ボタンに左手を当てたまま、右手で酒ビンを取った。
「カイト・キタムラ。君も酒が好きだそうだね。できれば君のような英雄と、杯を交わしたいところだが、この酒は青酸カリウムで味付けした私専用なのでね。君に分ける事はできない」
提督は瓶に口を付けた。
「自爆装置は百二十秒後に作動する。それまでに脱出したまえ」
提督が崩れるように倒れると同時に、サイレンが鳴り響いた。帝国語でアナウンスが流れる。
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そのままカウントダウンが始まった。
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