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第十一章

隠れていた電磁砲(天竜過去編)

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 僕達の報告を受けた《天竜》は、五十機の宇宙機を投入して、惑星上の捜索を開始した。
 もし、レムを入れるようなコンピューターがあるなら、近くに大きな熱源があるはず。
 《朱雀》も帰還を遅らせて、惑星上の熱源を捜索していた。

 その結果……

「見つけた」

 と、僕が呟いたのは、とある島の上空。島の広さはシンガポールぐらい。その島の一か所から、異常に大きな熱源が見つかった。
 熱源の辺りを拡大すると、高さ十メートルほどのドーム状構造物がある。
 この中にコンピューターがあるわけではなく、恐らくこの中に発電用の原子炉か核融合炉があるのだろう。
 コンピューターはその近くにあるはず。

 ただ、問題は……

「これで、六つ目ね」

 僕の横を飛んでいるアーニャは、疲れたように言う。

「レムの奴……いったい、いくつコンピューターを作ったのかしら?」

 今までにも同じような熱源が、惑星上で五ヶ所見つかっていたのだ。

「アーニャ。コンピューターは見つかったけど、地上から大気圏を突破して《天竜》を攻撃できるような兵器は見当たらない。もう大丈夫じゃないかな?」
「そうね。私の取り越し苦労だったかも知れない。レムは外部のコンピューターに逃げたけど、地上から衛星軌道上の宇宙船を攻撃できるだけの兵器は用意できなかったのかな?」
「とにかく、一度《朱雀》に戻ろう。推進剤も乏しくなってきたし」
「そうね」

 十分後、僕達は《朱雀》にドッキングして宇宙機のリンクを切った。 

 感覚が戻るのを待って、保護カバーを開く。
 隣でアーニャも保護カバーを開いていた。
 重力は感じない。《朱雀》は慣性航行中のようだ。

 アーニャと一緒に操縦室に行くと、楊さんが《天竜》と交信中だった。

 どうしたのだろう?
 
 楊さんの顔は緊迫している。何かあったのだろうか?

 通信を終えて楊さんは振り向いた。

「《天竜》が電磁砲レールキャノンの攻撃を受けたわ!」
「「ええ!?」」

 そんなバカな? 地上には《天竜》を攻撃できるような兵器はなかったはず……

「攻撃は第一衛星の月面からよ。レムはそこに砲台を築いていたのよ」
「月面は、マークしていなかったのですか?」

 僕の質問に、楊さんは首を横にふる。

「月面にも偵察機を出したわ。しかし、月面に熱源はまったく観測されなかったのよ。さっきまでは……」

 さっきまで?

「攻撃を受けた後、電磁砲レールキャノンの発射地点に宇宙機を差し向けると、さっきまではなかったはずの熱源が現れていたのよ」

 そうか! レムはずっと《天竜》が来るのを月面で待ち構えていたんだ。熱源となる反応炉をすべて停止させて……
 そして、《天竜》の偵察機が通り過ぎた後で反応炉に火を入れて攻撃してきたんだ。

「《天竜》の被害がどの程度か分からないけど、最悪このまま惑星に落ちるかも知れない。すでにシャトルは地表へ向って降下を始めたわ。だから《朱雀》は《天竜》には戻らないで、バリュートを開いて地表に向かうようにとの指示よ」
「待って下さい。砲台をあのままにしておいていいのですか?」
「アーニャ。砲台にはすでに無人機を差し向けたわ」

 楊さんがそう言った時、《天竜》から再び通信が入った。

「なんですって!? 無人機が全滅?」
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