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第十一章
隠れていた電磁砲2(天竜過去編)
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攻撃に向かった無人機に対して、敵は月面から拡散グレーザー砲を撃ってきたのだ。
無人機もやられる前に電磁砲を撃ったが、砲弾が着弾する前に砲台は地下に隠れてしまった。
程なくして予定は変更されて、僕達朱雀隊が砲台を攻撃することになった。
僕とアーニャの機体が、横並びに月面スレスレを飛行していたのは《天竜》が攻撃を受けてから二十分後の事だった。
姿は見えないが、月平線の向こうには王 博文と馬 美玲のコンビ、趙 麗華と柳 魅音のコンビが同じように砲台を目指している。
敵の砲台は、深い縦穴の中に隠されていた。
その縦穴の周囲には、グレーザー砲が配置されていて上空からは迂闊には近づけない。
遠距離から縦穴の中に砲弾を撃ち込んだが、効果はなかった。
どうやら、縦穴の底には溶岩洞窟があるらしく、砲台はその中に隠れているようだ。
そこで衛星の反対側に宇宙機を降下させて、月面スレスレの高度を進んで縦穴に近づいて攻撃する作戦を取る事になった。
すでに僕達の宇宙機からは電磁砲が外されて、ミサイルが取り付けられていた。
ミサイルの弾頭に入っているのは陽電子爆弾。
このミサイルを縦穴に撃ちこみ、溶岩洞窟ごと崩して砲台を埋めてしまおうというのだ。
「しかし、うまくいくかな?」
僕の呟きに、隣を飛んでいるアーニャが答える。
「白龍君。不安なの?」
「いや、この程度の爆弾で溶岩洞窟が崩れるかなと思って」
「溶岩洞窟が無理でも、縦穴を崩してしまえば砲台はもう上に出てこられないわ」
僕の横に王のアバターが現れた。
「今、俺と馬が砲台の前に着いた。砲台は山の向こうにある。そこでアーニャ、今から、俺一人で突撃してみようと思うが許可をもらえるか?」
「待って! あなた一人で行くなんて無茶よ」
「無茶は分かっている。だが、敵が俺達の攻撃法を予想していなかったとは考えにくい。だから、このまま俺一人で突撃して、敵がどんな防御をしてくるか見てくれ。つまり俺のやられっぷりを見て、それを参考に対策を立てろって事だ」
「分かったわ。有人機だったら、絶対に許可できないところだけど」
「まあ、敵がなにも対策していなくて、俺が美味しいところを全部持っていく可能性もあるけどな。とにかく、俺が突撃するから俺の機体から送るデータを受け取ってくれ」
王の機体が山の稜線を越えた。
電磁砲の隠れている縦穴の入り口が丸見えになる。
しかし、向こうから攻撃はない。
「おいおい、マジかよ? 本当に対策してなかったのか? ミサイル撃っちゃうぞ。いいのか?」
アバターはないが王の軽口が、通信機から流れてきた。
「照準セット。ミサイル発射!」
次の瞬間、周囲から無数のレーザーが王の機体に襲い掛かった。
やっぱり待ち構えていたのか。
王の機体は大爆発を起こした。
無人機もやられる前に電磁砲を撃ったが、砲弾が着弾する前に砲台は地下に隠れてしまった。
程なくして予定は変更されて、僕達朱雀隊が砲台を攻撃することになった。
僕とアーニャの機体が、横並びに月面スレスレを飛行していたのは《天竜》が攻撃を受けてから二十分後の事だった。
姿は見えないが、月平線の向こうには王 博文と馬 美玲のコンビ、趙 麗華と柳 魅音のコンビが同じように砲台を目指している。
敵の砲台は、深い縦穴の中に隠されていた。
その縦穴の周囲には、グレーザー砲が配置されていて上空からは迂闊には近づけない。
遠距離から縦穴の中に砲弾を撃ち込んだが、効果はなかった。
どうやら、縦穴の底には溶岩洞窟があるらしく、砲台はその中に隠れているようだ。
そこで衛星の反対側に宇宙機を降下させて、月面スレスレの高度を進んで縦穴に近づいて攻撃する作戦を取る事になった。
すでに僕達の宇宙機からは電磁砲が外されて、ミサイルが取り付けられていた。
ミサイルの弾頭に入っているのは陽電子爆弾。
このミサイルを縦穴に撃ちこみ、溶岩洞窟ごと崩して砲台を埋めてしまおうというのだ。
「しかし、うまくいくかな?」
僕の呟きに、隣を飛んでいるアーニャが答える。
「白龍君。不安なの?」
「いや、この程度の爆弾で溶岩洞窟が崩れるかなと思って」
「溶岩洞窟が無理でも、縦穴を崩してしまえば砲台はもう上に出てこられないわ」
僕の横に王のアバターが現れた。
「今、俺と馬が砲台の前に着いた。砲台は山の向こうにある。そこでアーニャ、今から、俺一人で突撃してみようと思うが許可をもらえるか?」
「待って! あなた一人で行くなんて無茶よ」
「無茶は分かっている。だが、敵が俺達の攻撃法を予想していなかったとは考えにくい。だから、このまま俺一人で突撃して、敵がどんな防御をしてくるか見てくれ。つまり俺のやられっぷりを見て、それを参考に対策を立てろって事だ」
「分かったわ。有人機だったら、絶対に許可できないところだけど」
「まあ、敵がなにも対策していなくて、俺が美味しいところを全部持っていく可能性もあるけどな。とにかく、俺が突撃するから俺の機体から送るデータを受け取ってくれ」
王の機体が山の稜線を越えた。
電磁砲の隠れている縦穴の入り口が丸見えになる。
しかし、向こうから攻撃はない。
「おいおい、マジかよ? 本当に対策してなかったのか? ミサイル撃っちゃうぞ。いいのか?」
アバターはないが王の軽口が、通信機から流れてきた。
「照準セット。ミサイル発射!」
次の瞬間、周囲から無数のレーザーが王の機体に襲い掛かった。
やっぱり待ち構えていたのか。
王の機体は大爆発を起こした。
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