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第十三章
橋本晶
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十分後、多少ズタボロになりながらも、事情をなんとか説明できた。
「なんだ浮気ではなかったのか。すまぬ、司令官殿」
だからエラ、電撃をする前に人の話を聞けよ。
「きゃあ! カイトさん。血が出ています! いったい、誰がこんなヒドい事を……」
ミール……それ、君に引っかかれた傷なのだが……
「本当にヒドい人達ですね。ご主人様は、何も悪いことしていないのに」
手当をしてくれるのはいいのだが、Pちゃんはこの騒ぎの中何をしていたんだ?
いつもは僕に香子以外の女が近づくと、真っ先に妨害してきていたのに、なんで芽依ちゃんにだけ……ひょっとして虫除けプログラムって……
チラっと芽依ちゃんに視線を向けると、芽依ちゃんは慌てて視線をそらした。
やはりそうか。芽依ちゃん、香子だけでなく自分も虫除けプログラムから除外していたな。
「芽依ちゃん」
「ち……違います! 違います! P0378はたまたま忙しかっただけで、私だけ除外していたわけでは……」
分かりやすい子だ……でも、今はその話がしたいのではなくて……
「小淵さんから、橋本さんへのメッセージですか?」
「ああ。芽依ちゃんなら橋本さんと面識があるだろ」
「はあ、面識はありますけど、私もあの人とは仕事以外の事でお話したことがなくて……」
「そうなの。世間話ぐらいしなかったの?」
「橋本さんって、あまり自分から話をしない人ですから……」
「コミュ障という事?」
「それとはちょっと違います。必要な事は話しますよ。ただ橋本さんは寡黙な人で……とにかく、橋本さんにメッセージを伝えればよいのですね。分かりました。P0371。リトル東京と繋いで下さい」
「かしこまりました」
「待って。芽依ちゃん、今は深夜だから朝になってから」
「大丈夫です。私達は深夜でも、リトル東京はまだ日が暮れたばかりの頃です」
「そうか。時差があったか」
そうこうしている間に、Pちゃんが司令塔の壁にプロジェクションマッピングで映像を映した。
映像には、リトル東京の町並みを背景に『ただいま呼び出し中です』のメッセージが表示されている。
そんな映像がしばらく続いて映像が変わった。
そこに現れたのは、長い髪をポニーテイルに束ねた、着物姿の女性。歳は二十歳ぐらいだろうか?
彼女が橋本晶か?
女性は驚いたような顔をしてこっちを見ていた。
『森田さん! それに隊長!』
「なんだ浮気ではなかったのか。すまぬ、司令官殿」
だからエラ、電撃をする前に人の話を聞けよ。
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ミール……それ、君に引っかかれた傷なのだが……
「本当にヒドい人達ですね。ご主人様は、何も悪いことしていないのに」
手当をしてくれるのはいいのだが、Pちゃんはこの騒ぎの中何をしていたんだ?
いつもは僕に香子以外の女が近づくと、真っ先に妨害してきていたのに、なんで芽依ちゃんにだけ……ひょっとして虫除けプログラムって……
チラっと芽依ちゃんに視線を向けると、芽依ちゃんは慌てて視線をそらした。
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「芽依ちゃん」
「ち……違います! 違います! P0378はたまたま忙しかっただけで、私だけ除外していたわけでは……」
分かりやすい子だ……でも、今はその話がしたいのではなくて……
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「ああ。芽依ちゃんなら橋本さんと面識があるだろ」
「はあ、面識はありますけど、私もあの人とは仕事以外の事でお話したことがなくて……」
「そうなの。世間話ぐらいしなかったの?」
「橋本さんって、あまり自分から話をしない人ですから……」
「コミュ障という事?」
「それとはちょっと違います。必要な事は話しますよ。ただ橋本さんは寡黙な人で……とにかく、橋本さんにメッセージを伝えればよいのですね。分かりました。P0371。リトル東京と繋いで下さい」
「かしこまりました」
「待って。芽依ちゃん、今は深夜だから朝になってから」
「大丈夫です。私達は深夜でも、リトル東京はまだ日が暮れたばかりの頃です」
「そうか。時差があったか」
そうこうしている間に、Pちゃんが司令塔の壁にプロジェクションマッピングで映像を映した。
映像には、リトル東京の町並みを背景に『ただいま呼び出し中です』のメッセージが表示されている。
そんな映像がしばらく続いて映像が変わった。
そこに現れたのは、長い髪をポニーテイルに束ねた、着物姿の女性。歳は二十歳ぐらいだろうか?
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