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第十七章

ミーチャが! なんでこんなところに?

 僕らの接近に気が付いたのか、四機の偵察ドローンOL10は逃走に入った。

 だが、遅い。

「でえぇぇい!」

 OL10に最初に追いついた橋本晶が、愛刀雷神丸を振り下ろした。

 左主翼の半分を失ったOL10は、きりもみ状態で落ちていく。

「墜ちなさい!」

 芽依ちゃんがネットランチャーから放ったネットが、一機のOL10の進行方向に広がった。

 OL10は辛うじてネットを回避するが、回避した方向に今度は古淵の放ったネットが広がる。

 プロペラをネットに絡め取られて揚力を失ったOL10は、そのまま海へと落ちていった。

 《はくげい》からの支援砲撃が届いたのはその時。

 ワームホール周辺で、激しく水柱が上がる。

 今頃、地下施設には大量の海水が流れ込んでいる事だろう。

「隊長!」

 古淵が下を指さす。

 攻撃ドローン群が、こっちへ向かってくるのが見えた。

「ちょっと数が多すぎるな。回避するしかない」
「カイトさん。それなら、ヘリ部隊の方へ逃げて下さい」
「ミール。何を言っている? 僕らは、ヘリ部隊を守るために来たのだぞ」
「分かっています。でも、ヘリにはあたしの分身がもう一体いて、もう少し近づけばドローンに矢が届き……え?」

 不意にミールは押し黙った。

 目も閉じている。

 ミールがこういう状態になるのは、分身体に意識を集中している時。

 向こうで何かがあったようだ。

「カイトさん」

 ミールが、再び目を開いて喋り始めたのは十秒ほど後。

「ヘリに近づかなくてもいいです。カートリッジ交換が終わったのでレーザーが撃てると、あの子が言っています」

 あの子? あの子って?

 突然、下の方で爆発が続けて起きた。

 見ると、小型ドローンが次々と爆発している。
 
 ヘリ部隊の方を見ると、四号機の小柄な兵士がフッ化重水素レーザーを撃ちまくっていた。

 ミールが言っていた『あの子』って、あの兵士の事か?

「ミール。あの兵士を、知っているのか?」
「え? 兵士? ああ! まだ、カイトさんには、言っていなかったですね。あれはミーチャですよ」
「ミーチャが! なんでこんなところに?」
「いやあ『僕も一緒に戦います。連れて行って下さい』と頼まれまして……」
「何でそんな事を? せっかく、平和で安全な生活を送れるようにしたのに……」
「カイトさん。ミーチャを、怒らないであげて下さい」
「怒ったりはしないよ。しかし、よく許可が下りたものだな」
「なんでも、森田指令に直訴したみたいで……」
「指令は許可したのか?」
「許可したから、ここにいるのです」 

 なんでそんな許可すんだよ。ミーチャは、まだ子供だぞ。

 とは言え、ミーチャが戦ってくれているおかげで、今のところヘリ部隊の安全は確保できていたが……

 でも、もうミーチャを戦いに関わらせたくない。

 そう考えるのは、僕のエゴだろうか?
感想 8

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