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プロローグ
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二間(三・六メートル)もの鎌首を川面から擡げた大蛇神は、残忍な笑みを浮かべて、木切れに掴まって水面に浮いている無力な少女を見下ろしていた。
「我から逃れられると思っていたか」
だが、少女は恐れる事もなく強固な意志を秘めた瞳で大蛇を睨み返していた。
「ふふふ。良い目をしている。お前を食らう時が楽しみだ」
「死にたく……ない」
少女は呟く。
「慌てずともお前を食らうのは五年後だ。それまで人生を楽しんでおくがいい」
そう言い残すと大蛇は水の中へ消えていく。
「くやしい」
今ごろになって少女の瞳から涙が溢れる。
バシャ!!
岸辺の方で水音が聞こえた。
「おい!! 大丈夫か? 今助けにいくからな」
一人の少年がこっちへ向かって泳いでくるところだった。
岸へ引き上げられた少女は、しばらくの間、少年にしがみ付いて泣き続けていた。
「我から逃れられると思っていたか」
だが、少女は恐れる事もなく強固な意志を秘めた瞳で大蛇を睨み返していた。
「ふふふ。良い目をしている。お前を食らう時が楽しみだ」
「死にたく……ない」
少女は呟く。
「慌てずともお前を食らうのは五年後だ。それまで人生を楽しんでおくがいい」
そう言い残すと大蛇は水の中へ消えていく。
「くやしい」
今ごろになって少女の瞳から涙が溢れる。
バシャ!!
岸辺の方で水音が聞こえた。
「おい!! 大丈夫か? 今助けにいくからな」
一人の少年がこっちへ向かって泳いでくるところだった。
岸へ引き上げられた少女は、しばらくの間、少年にしがみ付いて泣き続けていた。
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