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芽生え
波乱の予感
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あれから一週間経った。毎日のボクシング練習に加えて、アホほど疲れる霊力移動を繰り返し、どうか両手に炎を纏えるようになった。
だが、まだ霊力の移動を上手くコントロール出来ないので、発動に時間がかかる。
師匠に必殺技を教えて貰った日。あの後何故か愛ちゃんが来た。
そして手本としてやって貰ったところ、これまた驚いた。彼女は僕と違い、両手に電気を纏っていた。正直めちゃくちゃかっこよかった。そして改めてあの二人の凄さを再認識し、凹んだ。
だが、今の僕はあの日とは一味違う。今なら漫画のあの人たちのように、なんとか波や、波なんとか拳が出せるような気がする。
僕は鏡の前でなんとか波のポーズを取った。そして両手に炎を纏わせた。
おっ……それっぽいぞ……!
「はーっ……はあああああ!」
僕は両手を前に突き出した。決まったぜ……。
「あんた……いい歳してなにやってんだよ」
見ると姉貴がアイスを食いながらまるでゴミを見るかのような目でこちらを見ていた。
「……あの……これは」
姉貴はおっきなため息をついた。
「夢みんのも大概にしろよー。
あんたは戦闘民族にも最強の格闘家にもなれないんだよーっ!」
そう言い残し、彼女は階段を降りていった。姉貴はちょくちょく忘れ物をとりに来たと家に来る。週四くらい……。
恐らく僕を心配してくれているのだろうが大きな御世話だ。僕はただ静かに暮らしたいのだ。
てか、一つだけ言いたい。なんとか波は地球人でも撃てるんだよ!!
だがこれでまた黒歴史が増えてしまった。願う事なら空にだけは言わないで頂きたい。
天鬼宗麟については結局聞けなかった。聞くタイミングがなかったと言うべきか、今日聞いてみようかな……。
僕はスマホを取り、師匠の電話番号を探した。すぐに見つけると、電話番号をしばらく見つめた。
面倒くさい……絶対余計な会話をする羽目になるのがわかってるから……でも、気になるし覚悟を決めるか……えいっ。
プルルッ
「拙者でござる」
誰でござるかと思わず言ってしまいそうになった。まあ誰にかけたかわかってるからいいんだけど……その出方やめたほうがいいと思う……。
「あの、輝ですが……」
「ちょうど良かったでござる。
三時にいつもの喫茶店に集合でごさる」
「え……ちょっといきなり……」
「よろしくでごさるー」
……切りやがった。三時か、今何時なんだろう?
僕は時計に目をやった。
二時……なん……だと。
僕は無い思考を巡らせた。
今から着替えて走って行っても二時五十分……。だめだ、真田家の漢たるの二十分前行動厳守だっ……くそっ間に合わない……。
いや、諦めるな僕!! 全力で走れば二時半までに着くはずだ。血反吐を吐いてでもたどり着いてやる!!
僕は速攻で着替えて、家を飛び出した。この時の僕は焦り過ぎてタクシーを使うと言う選択肢が頭からすっ飛んでいた。
っはぁ……っはぁ……っひぃ……っひぃ……。
息ができない。今にも白目を向いてぶっ倒れそうだ……。
あれ? あそこにいるのは亮?
彼は振り返るとニコッと笑ってお花畑をはしりぬけ、橋の上で止まって僕に手招きしている。
「うわぁ綺麗お花畑だなぁ!
待てよ亮、今いくからさぁ!
あははっあははっ」
僕は立ち上がり、彼を追いかけようとしたその時、頬に鋭い痛みが走った。
パシッ
「起きて、あっくん!
だめだよ! 戻ってきて!
お願い!」
言葉を言い終わる度にビンタが飛んでくる。
「空……ってぇ!
起きてッ……るってッ……!!」
「え……?
あっごめん……」
彼女は手を止めた。しかし僕の両頬は腫れていた。
「ひどいよ空……」
「だってあっくん。綺麗なお花畑とか言ってたからさ、三途の川、渡りかけてるのかなと思って……」
確かに綺麗なお花畑だったなぁ。おっきな橋もあったしあれが三途の川なのかな?
無意識にあちらへ行かないととおもってしまった。危ない危ない……。
「空、ありがと」
空は顔を赤くして下を向いた。しかし、僕は重要なことを思い出した。
「そうだ! 空、今何時だ!」
「え? 今? 二時三十五分だよ?」
「良かった……間に合った。
空、行こう!」
僕は空の手を引いて喫茶店に入った。すると、案の定師匠と愛ちゃんが先に来ており、カウンター席に腰掛けていた。
僕達はマスターに挨拶すると、二人のそばに寄っていった。
「おっ輝氏、来たでござるな?
ややっ。しかも約束の時間より早いではないか?
我が弟子ながら関心でござるよ」
僕は得意げに胸を張った。当たり前だ。真田家の漢に相手を待たせると言う言葉はない。
「輝くん。空ちゃん。
おはろーん!」
おはろーんとは一体……。この人時々変な挨拶するよね。
「にしても輝くん。あんたもやるじゃん?
早速手繋ぎデートですか?
ひゅーっ初々しいねぇ!」
「え? 手繋ぎ……?」
僕は暖かく柔らかい触感のする右手を確かめた。するとそこには顔を真っ赤にして俯いている空が繋がれていた。
「うわっあごごごごめん!
そんなつもりは……!?」
慌て過ぎて自分でも何を言ってるのかわからない。
「そそそそんな……い、いいよ全然!
あのあの……こっちこそごめん」
何か謝られた。彼女も視線が定まってない。黒目が泳ぎまくっている。
焦ってる空も可愛いなぁ……。
「はぁーあ、お腹いっぱいだわー。
いいから座んなよ二人とも!
あっ、マスター?
あっちのテーブル席、いいよね?」
マスターはサングラスをずらして白い歯を見せ親指を立てた。
何だこの人……。
僕達はテーブル席に改めて座り直し、改めて話し始めた。
「あの、いきなり呼び出されたんですが。
今回も霊関係ですか?」
空も気になるようで前のめりになった。
「はぁ……輝氏ぃ見損なったでござるよ」
何か凄い見損なわれたみたいだけど、僕はこの人が何を見損なったかさっぱりわからない。
「え……なんでです師匠?」
「気づかないのか馬鹿弟子が!!
拙者らが顔を合わせた暁にはデコプリの話から始めるのが筋であろう!!
そんなことも分からぬっ……うっ……」
どうやら愛ちゃんの鉄拳が良いところに入ったようだ。師匠、あんたも大変だな……。
「もちろん依頼の話だよ。
今回のターゲットは斎藤貴美子さん。
三年前に八十四歳で亡くなった方何だけど、今回の依頼は何かおかしいんだ」
「おかしいって、何が?」
空は尋ねた。
「うん、それがね。
この人、自然死で亡くなってて一回は成仏してあの世に行ってるの」
「え? それってつまり戻ってきたって事ですか?」
すると愛ちゃんは頷いた。
「多分無理やり何者かに呼び戻されたんだと思うんだよね。
そして、多分。何者かに操られて、今まさに鬼神になりかけている」
鬼神だって……!?
初めて対峙するな……果たして俺たちに勝てるのか?
僕は空の方を見た。すると目を見開き震えている。額には汗が滲み、その怖がり方は尋常ではなかった。
「ちょっと空ちゃんどうしたの?」
愛ちゃんはハンカチを取り出し、身を乗り出して空の額の汗を拭いた。
「う、ううん。なんでもないの」
すると空は何か込み上げてきたようで苦しそうに口を抑えた。
「おい、大丈夫かよ空?
何かあったのかよ?」
すると、さっきまで苦しんでいた師匠がやっと回復したらしく話始めた。
「空殿は、鬼神がトラウマになってるでござるよ」
「え? めぇくんどう言うこと?
あんたまさか、鬼神と闘ったの?」
その言葉を聞き終わる前に空はトイレへと走って行った。
愛ちゃんは険しい顔を師匠に向けた。
「めぇくん説明して。
何があったの?」
師匠はコーヒーを一口飲み話し始めた。
「拙者、紗代子氏から、空殿の修行のため自宅に鬼神を呼び込むから、結界を一時的に解いて欲しいとお願いされたでござるよ」
バンッ
愛ちゃんは机を叩き立ち上がった!
その目は怒りに燃えていた。
「それでめぃくん、言う通りにしたの!?
知ってるよね? 鬼神がどれだけ恐ろしいか……めぇくんが一番知ってるはずじゃない!」
「それは重々承知でござるよ。
でも、拙者。紗代子氏に土下座までされたのでござるよ。
あの最高最強の滅霊士に頭を下げられては、漢、安倍黎明。聞かぬわけにはいかぬでござる。
いくら愛する愛子たんに怒られようとも、拙者がした事に後悔は御座らん!!」
師匠は堂々と言い切った。初めて彼が男らしいと思った瞬間だった。
そして、しばらく愛ちゃんと一触即発の睨み合いをしてたが、愛ちゃんが根負けし座った。
「もう、過ぎた事だから仕方ないけど……。
次からは必ずあたしにも教えてよね」
愛ちゃんは師匠の肩に頭を乗せて見上げた。
「ああ、必ずでござるよ」
「めぇくん……」
「愛子たん」
「黎明……」
「愛……」
師匠は愛ちゃんの頭を撫でて見つめ合った。二人だけのワールドに入ってしまったようだ。
「おほんっ。
それで、空は……どうなったんです?」
僕は空気に耐えられず、二人の世界に一石を投じた。他人のイチャイチャなんてとても見てらんねぇよ。
「それは、私が話すよ」
見ると空がトイレから戻って来ていた。覚悟して来たのだろう。目が真剣そのものだ。
だが、まだ霊力の移動を上手くコントロール出来ないので、発動に時間がかかる。
師匠に必殺技を教えて貰った日。あの後何故か愛ちゃんが来た。
そして手本としてやって貰ったところ、これまた驚いた。彼女は僕と違い、両手に電気を纏っていた。正直めちゃくちゃかっこよかった。そして改めてあの二人の凄さを再認識し、凹んだ。
だが、今の僕はあの日とは一味違う。今なら漫画のあの人たちのように、なんとか波や、波なんとか拳が出せるような気がする。
僕は鏡の前でなんとか波のポーズを取った。そして両手に炎を纏わせた。
おっ……それっぽいぞ……!
「はーっ……はあああああ!」
僕は両手を前に突き出した。決まったぜ……。
「あんた……いい歳してなにやってんだよ」
見ると姉貴がアイスを食いながらまるでゴミを見るかのような目でこちらを見ていた。
「……あの……これは」
姉貴はおっきなため息をついた。
「夢みんのも大概にしろよー。
あんたは戦闘民族にも最強の格闘家にもなれないんだよーっ!」
そう言い残し、彼女は階段を降りていった。姉貴はちょくちょく忘れ物をとりに来たと家に来る。週四くらい……。
恐らく僕を心配してくれているのだろうが大きな御世話だ。僕はただ静かに暮らしたいのだ。
てか、一つだけ言いたい。なんとか波は地球人でも撃てるんだよ!!
だがこれでまた黒歴史が増えてしまった。願う事なら空にだけは言わないで頂きたい。
天鬼宗麟については結局聞けなかった。聞くタイミングがなかったと言うべきか、今日聞いてみようかな……。
僕はスマホを取り、師匠の電話番号を探した。すぐに見つけると、電話番号をしばらく見つめた。
面倒くさい……絶対余計な会話をする羽目になるのがわかってるから……でも、気になるし覚悟を決めるか……えいっ。
プルルッ
「拙者でござる」
誰でござるかと思わず言ってしまいそうになった。まあ誰にかけたかわかってるからいいんだけど……その出方やめたほうがいいと思う……。
「あの、輝ですが……」
「ちょうど良かったでござる。
三時にいつもの喫茶店に集合でごさる」
「え……ちょっといきなり……」
「よろしくでごさるー」
……切りやがった。三時か、今何時なんだろう?
僕は時計に目をやった。
二時……なん……だと。
僕は無い思考を巡らせた。
今から着替えて走って行っても二時五十分……。だめだ、真田家の漢たるの二十分前行動厳守だっ……くそっ間に合わない……。
いや、諦めるな僕!! 全力で走れば二時半までに着くはずだ。血反吐を吐いてでもたどり着いてやる!!
僕は速攻で着替えて、家を飛び出した。この時の僕は焦り過ぎてタクシーを使うと言う選択肢が頭からすっ飛んでいた。
っはぁ……っはぁ……っひぃ……っひぃ……。
息ができない。今にも白目を向いてぶっ倒れそうだ……。
あれ? あそこにいるのは亮?
彼は振り返るとニコッと笑ってお花畑をはしりぬけ、橋の上で止まって僕に手招きしている。
「うわぁ綺麗お花畑だなぁ!
待てよ亮、今いくからさぁ!
あははっあははっ」
僕は立ち上がり、彼を追いかけようとしたその時、頬に鋭い痛みが走った。
パシッ
「起きて、あっくん!
だめだよ! 戻ってきて!
お願い!」
言葉を言い終わる度にビンタが飛んでくる。
「空……ってぇ!
起きてッ……るってッ……!!」
「え……?
あっごめん……」
彼女は手を止めた。しかし僕の両頬は腫れていた。
「ひどいよ空……」
「だってあっくん。綺麗なお花畑とか言ってたからさ、三途の川、渡りかけてるのかなと思って……」
確かに綺麗なお花畑だったなぁ。おっきな橋もあったしあれが三途の川なのかな?
無意識にあちらへ行かないととおもってしまった。危ない危ない……。
「空、ありがと」
空は顔を赤くして下を向いた。しかし、僕は重要なことを思い出した。
「そうだ! 空、今何時だ!」
「え? 今? 二時三十五分だよ?」
「良かった……間に合った。
空、行こう!」
僕は空の手を引いて喫茶店に入った。すると、案の定師匠と愛ちゃんが先に来ており、カウンター席に腰掛けていた。
僕達はマスターに挨拶すると、二人のそばに寄っていった。
「おっ輝氏、来たでござるな?
ややっ。しかも約束の時間より早いではないか?
我が弟子ながら関心でござるよ」
僕は得意げに胸を張った。当たり前だ。真田家の漢に相手を待たせると言う言葉はない。
「輝くん。空ちゃん。
おはろーん!」
おはろーんとは一体……。この人時々変な挨拶するよね。
「にしても輝くん。あんたもやるじゃん?
早速手繋ぎデートですか?
ひゅーっ初々しいねぇ!」
「え? 手繋ぎ……?」
僕は暖かく柔らかい触感のする右手を確かめた。するとそこには顔を真っ赤にして俯いている空が繋がれていた。
「うわっあごごごごめん!
そんなつもりは……!?」
慌て過ぎて自分でも何を言ってるのかわからない。
「そそそそんな……い、いいよ全然!
あのあの……こっちこそごめん」
何か謝られた。彼女も視線が定まってない。黒目が泳ぎまくっている。
焦ってる空も可愛いなぁ……。
「はぁーあ、お腹いっぱいだわー。
いいから座んなよ二人とも!
あっ、マスター?
あっちのテーブル席、いいよね?」
マスターはサングラスをずらして白い歯を見せ親指を立てた。
何だこの人……。
僕達はテーブル席に改めて座り直し、改めて話し始めた。
「あの、いきなり呼び出されたんですが。
今回も霊関係ですか?」
空も気になるようで前のめりになった。
「はぁ……輝氏ぃ見損なったでござるよ」
何か凄い見損なわれたみたいだけど、僕はこの人が何を見損なったかさっぱりわからない。
「え……なんでです師匠?」
「気づかないのか馬鹿弟子が!!
拙者らが顔を合わせた暁にはデコプリの話から始めるのが筋であろう!!
そんなことも分からぬっ……うっ……」
どうやら愛ちゃんの鉄拳が良いところに入ったようだ。師匠、あんたも大変だな……。
「もちろん依頼の話だよ。
今回のターゲットは斎藤貴美子さん。
三年前に八十四歳で亡くなった方何だけど、今回の依頼は何かおかしいんだ」
「おかしいって、何が?」
空は尋ねた。
「うん、それがね。
この人、自然死で亡くなってて一回は成仏してあの世に行ってるの」
「え? それってつまり戻ってきたって事ですか?」
すると愛ちゃんは頷いた。
「多分無理やり何者かに呼び戻されたんだと思うんだよね。
そして、多分。何者かに操られて、今まさに鬼神になりかけている」
鬼神だって……!?
初めて対峙するな……果たして俺たちに勝てるのか?
僕は空の方を見た。すると目を見開き震えている。額には汗が滲み、その怖がり方は尋常ではなかった。
「ちょっと空ちゃんどうしたの?」
愛ちゃんはハンカチを取り出し、身を乗り出して空の額の汗を拭いた。
「う、ううん。なんでもないの」
すると空は何か込み上げてきたようで苦しそうに口を抑えた。
「おい、大丈夫かよ空?
何かあったのかよ?」
すると、さっきまで苦しんでいた師匠がやっと回復したらしく話始めた。
「空殿は、鬼神がトラウマになってるでござるよ」
「え? めぇくんどう言うこと?
あんたまさか、鬼神と闘ったの?」
その言葉を聞き終わる前に空はトイレへと走って行った。
愛ちゃんは険しい顔を師匠に向けた。
「めぇくん説明して。
何があったの?」
師匠はコーヒーを一口飲み話し始めた。
「拙者、紗代子氏から、空殿の修行のため自宅に鬼神を呼び込むから、結界を一時的に解いて欲しいとお願いされたでござるよ」
バンッ
愛ちゃんは机を叩き立ち上がった!
その目は怒りに燃えていた。
「それでめぃくん、言う通りにしたの!?
知ってるよね? 鬼神がどれだけ恐ろしいか……めぇくんが一番知ってるはずじゃない!」
「それは重々承知でござるよ。
でも、拙者。紗代子氏に土下座までされたのでござるよ。
あの最高最強の滅霊士に頭を下げられては、漢、安倍黎明。聞かぬわけにはいかぬでござる。
いくら愛する愛子たんに怒られようとも、拙者がした事に後悔は御座らん!!」
師匠は堂々と言い切った。初めて彼が男らしいと思った瞬間だった。
そして、しばらく愛ちゃんと一触即発の睨み合いをしてたが、愛ちゃんが根負けし座った。
「もう、過ぎた事だから仕方ないけど……。
次からは必ずあたしにも教えてよね」
愛ちゃんは師匠の肩に頭を乗せて見上げた。
「ああ、必ずでござるよ」
「めぇくん……」
「愛子たん」
「黎明……」
「愛……」
師匠は愛ちゃんの頭を撫でて見つめ合った。二人だけのワールドに入ってしまったようだ。
「おほんっ。
それで、空は……どうなったんです?」
僕は空気に耐えられず、二人の世界に一石を投じた。他人のイチャイチャなんてとても見てらんねぇよ。
「それは、私が話すよ」
見ると空がトイレから戻って来ていた。覚悟して来たのだろう。目が真剣そのものだ。
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