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強くなる為に
源さんの事情
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僕は源さんに半ば無理やり、神社の裏にある日本庭園的な所に連れて来られた。
迷いなくここに歩いてきたと言うことは、以前にもここに来てたんだろう。
僕らは縁側の様な所に座ると、しばらく二人で庭を眺めた。
風がすごく心地いい…………と思ったが、びゅうびゅうと強風が頬を殴りつける様に度々吹き抜ける。しかも、凄く寒い。当たり前か……ここは天空の社なのだから、下より気温は相当低いはず。
僕が凍えて震えている反面、源さんは涼しい顔をして目を閉じている。流石僕の師匠だ。寒さ如きではもう動じないのだろう……あんなに寒そうな頭をしているのに。
「輝ァ……」
源さんが徐に口を開いた。
「は、はい……?」
「寒いなぁ~おい~」
「…………!?」
やっぱり寒かったんだ。じゃあなんでこんな所に腰掛けたのだろう。人一倍頭が寂しいというのに……。
「は、早めに済ませましょう?」
「そうやなぁ~。
空の上、舐めとったわぁ」
そういうと全身を身震いさせた。
「輝ァ、お前いつからや?
こっち側に来たんわ」
彼はそう言うと鋭い目つきで僕を見てきた。
「俺もつい最近です。
源さんは……いつから……?」
すると彼は腕を組んで、こくんと一度下を向くと見上げる様に頭を上げた。
「わしは……もう五十年ぐらい前からじゃなぁ~。
さよちゃんが現役の頃からよ~しっとるわ」
五十年!?
ベテランじゃないか、どうりでさっきの話し合いの時も始終落ち着いている筈だ。
「そんなにですか!?
てか……さよちゃんて?」
「おお、すまんすまん。
おめぇさよちゃんに会ぅたことねぇんじゃったな。
天鬼紗代子、おめぇのタマ狙った張本人じゃ」
「!?
……空の婆ちゃんと知り合いだったんですか!?」
まじかよ……。
もしかしたら僕と源さんが出会ったのも、偶然ではなかったのかもしれないな。
すると源さんは庭の木を眺め、目を細めた。そしてニヤリといやらしく笑った。
「知り合いなんてもんじゃねぇ。
わしはさよちゃんにゾッコンじゃった。
そりゃあ綺麗やった……たてば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花とはよく言ったもんや、さよちゃんこそまさにそれやった。
笑顔が眩しい人でなぁ。わしの面白ぉない話も嫌な顔せずにきいてくれた」
へぇ~。空の婆ちゃんてそんなに美人だったのか。ちょっと会ってみたいかも。
「まぁ、わしは自分から身を引いたんじゃがな」
「え? そうなんですか!?
あっ……天鬼だから……ですか?」
天鬼。その言葉を聞いた途端、どこか哀愁が漂う表情になった。
「いや、わしが呪いについて知ったのは大分後じゃ。
その当時、もう一人恋敵がおってな、二人してさよちゃんを取りあっとったんじゃが、わしはそん時から筋モンじゃったからのぉ~……。
わしと一緒になれば、さよちゃんが苦労するのは目に見えとった。じゃから身を引いたんじゃ」
好きな人を諦めるって、相当辛かっただろう。
「そうだったんですか……」
「その後からやなぁ……さよちゃんがおかしくなったんわ」
「おかしくなった?」
「ああ、あんなに天真爛漫じゃった人が急にくすりともせんくなった。
何を話しかけても形式ばった話し方であしらわれて、そりゃあ悲しかった」
今の空と同じだ。話の流れ的に恐らくもう一人の人と結ばれたのだろう。
いや、正確には結ばれそうになったと言うべきか……。
「そんでわしはもう一人の男のせいじゃと思い、そいつん家に押しかけたんじゃ。
じゃが遅かった」
僕は思わず固唾を飲んだ。
「……遅かった?」
「ああ……」
彼はそう言うと、罰が悪そうな顔をして自分の頭を撫でた。
「既に殺されとったんじゃ。
さよちゃんにのぅ……」
「……やっぱり……ですか……」
「家に踏み込むとそこは既に血みどろやった。死体には首がのうなってもうてて、天井まで真っ赤じゃった。
床に転がるそいつの頭を見たが、表情は全く変わっておらんかった……なんちゅうか……普通の顔をしとった。
あれは死んだことすら気付いとらん様な、日常を切り取った様な顔やった。
後ろからスパッとやられたんやろ。わしはそれがどうしょうもなく怖かったんじゃ」
僕は彼の話の途中で何度も鳥肌が立った。それはこれから自分の身に振りかかるであろう事だからだ。
死んだ事すら気付かないなんて……味方ならとても頼もしいが、天鬼抜刀術……敵に回したらこんなにも恐ろしいのか。
「まあ、それからわしは怖なって逃げたんじゃ。
我ながら情けない話じゃが……当時は自分の命が惜しくてたまらんかったんじゃ……。
そんで心底安心しちまったんや……わしじゃなくて良かったってなぁ」
源さんは額をおさえて、うなだれた。相当後悔しているのだろう。こんなに辛そうな源さんは初めて見た。
「誰だって逃げますよ……」
僕は思わず同情に似た言葉を発してしまった。その言葉しか思いつかなかったんだ。
すると源さんは顔を上げて、盛大にひと笑いすると、無理に笑った。
「わっはっは!
おめぇに同情されるようならわしも焼きがまわったなぁー。
まぁそれからわしは、その出来事を忘れるかのように拳闘とやくざのシノギに没頭して、いつの間にか両方ともてっぺんとっとったわ!」
「あはは……それも相当凄い事ですけどね」
源さんの強さと今の地位は、悔しさや自分の怒りをバネにして得たものだったのか。
転んでもただでは起きない人だ。
「じゃろ? わし、凄い!
わーっはっはっはーーっ!!」
彼は一頻り笑うと、はぁと一息ついてこちらに向き直った。
「まぁその後、前に話した息子の件でまたこっちの世界に首突っ込んじまったんじゃがな。
わしはどうあっても、さよちゃんとは切れねぇみたいやわ」
息子さんが天鬼宗麟に操られて殺されたって話か。
「そんでその事について調べまくってたら、いつの間にか、滅霊関係のシノギにまで手を出してたって話よ!」
「滅霊関係の仕事?」
「それはまだ言えんが、一つおめぇに聞きたいことがある」
えぇ……めっちゃ気になるんですけど……。
まぁ、真っ当なものでは無いのは確かだが。
「はい、なんでしょうか?」
「おめぇはわしがこっち関係の奴やと分かっててわしに近づいたんか?」
「え? いえ、俺は今日まで源さんが関わってるなんて知りませんでした」
すると源さんは目を大きく開けて、先ほどと違い驚きと嬉しさが混じった顔をした。
「そうかぁ……やっぱりこれは運命やったんやなぁ!!
わしは心の中で諦めとった。天鬼宗麟にはどうやったって勝てっこないってな。
そして、さよちゃんを元に戻す事を」
「空の婆ちゃんを……戻す」
すると僕の両肩にバシンと手を置かれた。
「そうや!!
わしはそれをおめぇに託す!!
これは運命やったんや!
わしが出来なくても、わしが育てたおめぇが敵と願いを叶えてくれる!
わしは今日ほど神さんに感謝した事はない」
随分重たい願いを押し付けられたな。
「それはありがたいんですが、空の婆ちゃんを元に戻せるかは分かりませんよ?」
「それでもええ……じゃが宗麟にさよちゃんの孫の戻し方聞きに行くんじゃろ?
それならもしかしてと思ったんじゃ。じゃからさよちゃんについてはついでじゃ。
最後に一度でいいから、あの子が笑ってる顔をもう一度みたいんじゃ」
笑ってる顔を……その言葉が胸をついた。そして何故か空の顔が浮かんだ。
源さんの気持ちが痛いほどに分かった。僕も空の笑顔を……もう一度見たい。
「分かりました!!
やってみます!!
いや、やります!!」
「お、おめぇ……うおおおおん!!」
源さんは大量の涙を流し抱きついてきた。
「ぐぇっ……くるじぃ……」
「おーい!!
輝氏ぃ~、そろそろ……って……えええ!?」
僕が諦めてされるがまま抱きしめられていると師匠が僕を呼び、脂肪を揺らしながら走ってきた。
「し、師匠……?」
すると彼は僕をとても可哀想な人を見る目で見つめてきた。
「輝氏、そっちもイケるでござるか……。
てっきり和風巨乳好きだと思ってたでごさるよ……」
「いやいやいやいや!!
違いますけど!?
てか、俺がいつ和風巨乳好きと言いましたか!?」
僕は慌てて弁解したが、師匠はうなずくばかりで信じてくれなかった。
てか、なんでみんな僕を和風巨乳好きだと思っているのか……いや、嫌いじゃないけど……。
その後も源さんはなかなか離れてくれなかった。
一通り巡ってみて分かったが、この天空の社には、ありとあらゆる設備がある。高級レストラン、流れるプール、大浴場に露天風呂、夜空を一望できる展望台、シアタールームが四つに資料室と言う名の漫画部屋。
後半の設備は完全に師匠の趣味部屋だが、ありとあらゆる贅を尽くした、和風な見た目に反したまるでリゾートホテルのような施設だ。
ここに住んでいるのは師匠だけで、他の施設を運営しているのは師匠の式神たちだ。
デフォルメされた二頭身の狸や狐が、トコトコと忙しそうに走り回る姿は見ていて癒される。
初日にこの子たちを発見した咲ちゃんは、すっかり魅入られ名前まで付けて可愛がっている。
みんなにはそれぞれに個室が用意されていて、部屋にはシャワーやトイレ、マッサージ機など中々に豪華…………だそうだ。
何故曖昧な感じなのだと言うと、僕の部屋は何も置かれていない、ただ真っ白い壁の窓もないまるで牢獄のような部屋だからだ。
みんなもさぞ大変だろうと咲ちゃんに聞いてみたところ、どうやらそれは僕だけだった事が分かった。
もちろん僕は師匠に抗議しに行ったが、ちゃんと意味があるから我慢しなさい、他所は他所、家は家なの!
とおかんのような事を言われて無理やり納得させられた。
迷いなくここに歩いてきたと言うことは、以前にもここに来てたんだろう。
僕らは縁側の様な所に座ると、しばらく二人で庭を眺めた。
風がすごく心地いい…………と思ったが、びゅうびゅうと強風が頬を殴りつける様に度々吹き抜ける。しかも、凄く寒い。当たり前か……ここは天空の社なのだから、下より気温は相当低いはず。
僕が凍えて震えている反面、源さんは涼しい顔をして目を閉じている。流石僕の師匠だ。寒さ如きではもう動じないのだろう……あんなに寒そうな頭をしているのに。
「輝ァ……」
源さんが徐に口を開いた。
「は、はい……?」
「寒いなぁ~おい~」
「…………!?」
やっぱり寒かったんだ。じゃあなんでこんな所に腰掛けたのだろう。人一倍頭が寂しいというのに……。
「は、早めに済ませましょう?」
「そうやなぁ~。
空の上、舐めとったわぁ」
そういうと全身を身震いさせた。
「輝ァ、お前いつからや?
こっち側に来たんわ」
彼はそう言うと鋭い目つきで僕を見てきた。
「俺もつい最近です。
源さんは……いつから……?」
すると彼は腕を組んで、こくんと一度下を向くと見上げる様に頭を上げた。
「わしは……もう五十年ぐらい前からじゃなぁ~。
さよちゃんが現役の頃からよ~しっとるわ」
五十年!?
ベテランじゃないか、どうりでさっきの話し合いの時も始終落ち着いている筈だ。
「そんなにですか!?
てか……さよちゃんて?」
「おお、すまんすまん。
おめぇさよちゃんに会ぅたことねぇんじゃったな。
天鬼紗代子、おめぇのタマ狙った張本人じゃ」
「!?
……空の婆ちゃんと知り合いだったんですか!?」
まじかよ……。
もしかしたら僕と源さんが出会ったのも、偶然ではなかったのかもしれないな。
すると源さんは庭の木を眺め、目を細めた。そしてニヤリといやらしく笑った。
「知り合いなんてもんじゃねぇ。
わしはさよちゃんにゾッコンじゃった。
そりゃあ綺麗やった……たてば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花とはよく言ったもんや、さよちゃんこそまさにそれやった。
笑顔が眩しい人でなぁ。わしの面白ぉない話も嫌な顔せずにきいてくれた」
へぇ~。空の婆ちゃんてそんなに美人だったのか。ちょっと会ってみたいかも。
「まぁ、わしは自分から身を引いたんじゃがな」
「え? そうなんですか!?
あっ……天鬼だから……ですか?」
天鬼。その言葉を聞いた途端、どこか哀愁が漂う表情になった。
「いや、わしが呪いについて知ったのは大分後じゃ。
その当時、もう一人恋敵がおってな、二人してさよちゃんを取りあっとったんじゃが、わしはそん時から筋モンじゃったからのぉ~……。
わしと一緒になれば、さよちゃんが苦労するのは目に見えとった。じゃから身を引いたんじゃ」
好きな人を諦めるって、相当辛かっただろう。
「そうだったんですか……」
「その後からやなぁ……さよちゃんがおかしくなったんわ」
「おかしくなった?」
「ああ、あんなに天真爛漫じゃった人が急にくすりともせんくなった。
何を話しかけても形式ばった話し方であしらわれて、そりゃあ悲しかった」
今の空と同じだ。話の流れ的に恐らくもう一人の人と結ばれたのだろう。
いや、正確には結ばれそうになったと言うべきか……。
「そんでわしはもう一人の男のせいじゃと思い、そいつん家に押しかけたんじゃ。
じゃが遅かった」
僕は思わず固唾を飲んだ。
「……遅かった?」
「ああ……」
彼はそう言うと、罰が悪そうな顔をして自分の頭を撫でた。
「既に殺されとったんじゃ。
さよちゃんにのぅ……」
「……やっぱり……ですか……」
「家に踏み込むとそこは既に血みどろやった。死体には首がのうなってもうてて、天井まで真っ赤じゃった。
床に転がるそいつの頭を見たが、表情は全く変わっておらんかった……なんちゅうか……普通の顔をしとった。
あれは死んだことすら気付いとらん様な、日常を切り取った様な顔やった。
後ろからスパッとやられたんやろ。わしはそれがどうしょうもなく怖かったんじゃ」
僕は彼の話の途中で何度も鳥肌が立った。それはこれから自分の身に振りかかるであろう事だからだ。
死んだ事すら気付かないなんて……味方ならとても頼もしいが、天鬼抜刀術……敵に回したらこんなにも恐ろしいのか。
「まあ、それからわしは怖なって逃げたんじゃ。
我ながら情けない話じゃが……当時は自分の命が惜しくてたまらんかったんじゃ……。
そんで心底安心しちまったんや……わしじゃなくて良かったってなぁ」
源さんは額をおさえて、うなだれた。相当後悔しているのだろう。こんなに辛そうな源さんは初めて見た。
「誰だって逃げますよ……」
僕は思わず同情に似た言葉を発してしまった。その言葉しか思いつかなかったんだ。
すると源さんは顔を上げて、盛大にひと笑いすると、無理に笑った。
「わっはっは!
おめぇに同情されるようならわしも焼きがまわったなぁー。
まぁそれからわしは、その出来事を忘れるかのように拳闘とやくざのシノギに没頭して、いつの間にか両方ともてっぺんとっとったわ!」
「あはは……それも相当凄い事ですけどね」
源さんの強さと今の地位は、悔しさや自分の怒りをバネにして得たものだったのか。
転んでもただでは起きない人だ。
「じゃろ? わし、凄い!
わーっはっはっはーーっ!!」
彼は一頻り笑うと、はぁと一息ついてこちらに向き直った。
「まぁその後、前に話した息子の件でまたこっちの世界に首突っ込んじまったんじゃがな。
わしはどうあっても、さよちゃんとは切れねぇみたいやわ」
息子さんが天鬼宗麟に操られて殺されたって話か。
「そんでその事について調べまくってたら、いつの間にか、滅霊関係のシノギにまで手を出してたって話よ!」
「滅霊関係の仕事?」
「それはまだ言えんが、一つおめぇに聞きたいことがある」
えぇ……めっちゃ気になるんですけど……。
まぁ、真っ当なものでは無いのは確かだが。
「はい、なんでしょうか?」
「おめぇはわしがこっち関係の奴やと分かっててわしに近づいたんか?」
「え? いえ、俺は今日まで源さんが関わってるなんて知りませんでした」
すると源さんは目を大きく開けて、先ほどと違い驚きと嬉しさが混じった顔をした。
「そうかぁ……やっぱりこれは運命やったんやなぁ!!
わしは心の中で諦めとった。天鬼宗麟にはどうやったって勝てっこないってな。
そして、さよちゃんを元に戻す事を」
「空の婆ちゃんを……戻す」
すると僕の両肩にバシンと手を置かれた。
「そうや!!
わしはそれをおめぇに託す!!
これは運命やったんや!
わしが出来なくても、わしが育てたおめぇが敵と願いを叶えてくれる!
わしは今日ほど神さんに感謝した事はない」
随分重たい願いを押し付けられたな。
「それはありがたいんですが、空の婆ちゃんを元に戻せるかは分かりませんよ?」
「それでもええ……じゃが宗麟にさよちゃんの孫の戻し方聞きに行くんじゃろ?
それならもしかしてと思ったんじゃ。じゃからさよちゃんについてはついでじゃ。
最後に一度でいいから、あの子が笑ってる顔をもう一度みたいんじゃ」
笑ってる顔を……その言葉が胸をついた。そして何故か空の顔が浮かんだ。
源さんの気持ちが痛いほどに分かった。僕も空の笑顔を……もう一度見たい。
「分かりました!!
やってみます!!
いや、やります!!」
「お、おめぇ……うおおおおん!!」
源さんは大量の涙を流し抱きついてきた。
「ぐぇっ……くるじぃ……」
「おーい!!
輝氏ぃ~、そろそろ……って……えええ!?」
僕が諦めてされるがまま抱きしめられていると師匠が僕を呼び、脂肪を揺らしながら走ってきた。
「し、師匠……?」
すると彼は僕をとても可哀想な人を見る目で見つめてきた。
「輝氏、そっちもイケるでござるか……。
てっきり和風巨乳好きだと思ってたでごさるよ……」
「いやいやいやいや!!
違いますけど!?
てか、俺がいつ和風巨乳好きと言いましたか!?」
僕は慌てて弁解したが、師匠はうなずくばかりで信じてくれなかった。
てか、なんでみんな僕を和風巨乳好きだと思っているのか……いや、嫌いじゃないけど……。
その後も源さんはなかなか離れてくれなかった。
一通り巡ってみて分かったが、この天空の社には、ありとあらゆる設備がある。高級レストラン、流れるプール、大浴場に露天風呂、夜空を一望できる展望台、シアタールームが四つに資料室と言う名の漫画部屋。
後半の設備は完全に師匠の趣味部屋だが、ありとあらゆる贅を尽くした、和風な見た目に反したまるでリゾートホテルのような施設だ。
ここに住んでいるのは師匠だけで、他の施設を運営しているのは師匠の式神たちだ。
デフォルメされた二頭身の狸や狐が、トコトコと忙しそうに走り回る姿は見ていて癒される。
初日にこの子たちを発見した咲ちゃんは、すっかり魅入られ名前まで付けて可愛がっている。
みんなにはそれぞれに個室が用意されていて、部屋にはシャワーやトイレ、マッサージ機など中々に豪華…………だそうだ。
何故曖昧な感じなのだと言うと、僕の部屋は何も置かれていない、ただ真っ白い壁の窓もないまるで牢獄のような部屋だからだ。
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