転生している場合じゃねぇ!

E.L.L

文字の大きさ
15 / 49

14

しおりを挟む
最後の数分を新幹線で駆け抜けた俺たちは、きっとあれが出来ると思う

残像だ

っていうあれ
この世界にこのギャグがあるのかどうか知らないが
あの速度で数分だから東京から品川くらいの距離があったんだろうか
いや、さすがにもう少し短いか

「ジルが下水道の道まで把握していて助かったわ」

「脱出の際たまに使っていたので
でもあのタイミングでは咄嗟に出てきませんでしたのでレオ様のお手柄ですね」

何だこの完璧な男は
サラッと目上(恐らく)に花を持たせるとは
こういうやつだな、社会で世渡り上手いやつ

「さて、僕たちの仕事はここまでです」

「ええ、ありがとう
報酬を渡すからもう少し着いてきてくれる?」

「…分かりました」

エルザと俺とジャイルズは大きな建物の裏から地上に出ると、そのまま大きな建物の中に入った
かなり古い建物のようで、あまり手入れもされているとは言い難い

「ご苦労さま」

3階の奥の部屋までたどり着くと、茶髪に茶色い瞳のとんでもない美人が座っていた
茶髪と言ってもほぼ金に近いくらいに透き通った色だ

「ただ今戻りました」

「レオ…よく無事で…」

その美人が近づいてきて俺を抱き上げた
ナツ、これは浮気じゃないぞ
不可抗力というやつだ
ひとしきり抱きしめられたあと、美人は顔を顰めた

「それにしてもあなた達酷い匂いね」

「申し訳ありません
下水道を通ってきたものですから」

エルザが頭を下げる

「まぁ!
下水道ですって?
すぐに湯を浴びてきなさい
あなたもよ」

「いえ、僕は
報酬を頂きましたら失礼します
ご不快にさせてしまい申し訳ありませんでした」

「せめて服は変えなさい
レオの恩人だもの
それくらいはさせて欲しいわ」

「折角ですが…」

いつになくジャイルズが固辞する
珍しくないか?
いや、会って数時間の仲だけど、この男なら断るにしてももっと柔らかく言いそうなものだ

「そう
引き止めて悪かったわね
これが報酬よ」

多分下水道の臭気を放っているだろう俺をそれでも離さず、部屋の隅の引き出しまで行くと小さな袋を取りだした
そしてジャイルズに渡す
チャリッと音がしたから中身は金貨とかそういうやつだろう
ジャイルズは中を確認すると

「確かに」

と言うと1度も振り向かずに部屋を出ていった

「何か気に触ることをしてしまったかしら」

「いえ、普通だったと思いますが」

エルザも首を傾げる

「とにかくレオを無事にここまで連れてきてくれてありがとう」

「いえ
私の身には余る幸せな時間を頂きました
私が赤ちゃんを抱っこさせて貰える日が来るなど…
あまつさえお世話までさせて頂けるなど…」

「エルザ…」

エルザにもなにかあるんだろうな
そして、茶髪美人はこの流れだと俺の母だな、今度こそ

「まーま!」

と呼んでみる

「おかえりなさい、レオ」

うるうるした瞳で見られる
やはり当たったか
今度こそ母親のようだ
私のことが分かるのねみたいに感激されたけど、ごめん
当てずっぽうだ
1度エルザを母親と間違えてるからね、俺は既に

「では、私は汚れと匂いを落として参ります」

エルザが一礼して部屋を出ていった
その後、俺も母親に連れられて頭の先からつま先までしっかり洗われた
そして、その後の食事は引き続き哺乳瓶だった
解せぬ
いや、別に哺乳瓶でも問題は無いんだけどさ
何か真の母親が降臨したら違うかもなって思うじゃんか
まぁこの世界に来てから1度も俺の思いどおりになったことなんてないけどね
俺は暖かい毛布に包まれて眠りについた
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

盾の間違った使い方

KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。 まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。 マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。 しかし、当たった次の瞬間。 気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。 周囲は白骨死体だらけ。 慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。 仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。 ここは―― 多分、ボス部屋。 しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。 与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる 【異世界ショッピング】。 一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。 魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、 水一滴すら買えない。 ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。 そんな中、盾だけが違った。 傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。 両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。 盾で殴り 盾で守り 腹が減れば・・・盾で焼く。 フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。 ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。 ――そんなある日。 聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。 盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。 ​【AIの使用について】 本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。 主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。 ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

異世界配信〜幼馴染みに捨てられた俺を導く神々の声(視聴者)

葉月
ファンタジー
コルネ村で、幼なじみであり恋人でもあったユリアナと、ささやかな幸福を分かち合って生きていたロイド。 だがある日、ユリアナは女神の愛子として目覚め、国王の命により王都へと連れ去られる。 突然、日常を奪われ、運命に引き裂かれたロイドは、抗う術も持たぬまま、否応なく大きな流れへと呑み込まれていく。 これは、奪われたものを取り戻すため、そして理不尽な運命に抗おうとする、一人の少年の物語である。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

現世にダンジョンができたので冒険者になった。

盾乃あに
ファンタジー
忠野健人は帰り道に狼を倒してしまう。『レベルアップ』なにそれ?そして周りはモンスターだらけでなんとか倒して行く。

処理中です...