運命に惑うケモミミBL♂ハイスペ愛情深🐺×恋歴難美人オネェ🐱『ロドンのキセキ🌹翠玉のケエス💎輝石ノ箱ヨリ⚙️芽吹』連載中

🍶醇壱🔹JUNICHI🍶

文字の大きさ
37 / 91
🌹『翠玉のケエス:芽吹』🌹 本編 💎 The EMPEROR:U 💎

Drop.012『 The EMPEROR:U〈Ⅲ〉』【3】

しおりを挟む
 その報告に、瞳の輝きを失わせた桔流が、“なぁんだ”――と言うのを待った法雨だったが、――待てど暮らせど、桔流の瞳からその輝きが失せる事はなかった。
 それどころか、瞳をさらに爛々らんらんきらめかせた桔流は、不意に一枚のパンフレットを取り出すと、その様子を訝しむ法雨に言った。
 「――いや……、――それは、まだ分からないですよ、法雨さん……」
「え?」
「――これを……見てください……」
 そんな桔流が取り出したパンフレットは、先ほどのものとは別の、“数日後”に開催されるらしい“医学会主催”の講演パンフレットであった。
 そして、そこに“医学界の権威”として掲載された医師たちの写真の中には、オオカミ族の医師も居た。
 そのオオカミ族の医師の姓は、――“円月”。
 法雨は、その掲載内容に思わず動揺したが、あくまでも平静を装って言った。
「――や、やぁね。よく見てみなさい。――顔が……、顔がちょっと違うじゃないの」
(――それに、雷さんは嘘をついているようには見えなかったもの。――だから、だからあの雷さんは、絶対に、――絶、対、に、――ただの、私立探偵なのよ)
 しかし、そんな法雨の平常心を揺らがすかのように、法雨の脳内に、先ほど雷が紡いだ、とある言葉が蘇った。
 ――俺も、また数日内に別の講演はありますが
(――………………まさか、ね)
 そんな――、桔流によって生じてしまった余計なやりとりの後――、胸の内でざわめきが大きくなるのを感じながらも、法雨は仕事に集中し、必死に自身の疑念を抑え込むことにした。
 しかし――、どれだけ努力をしても自身のざわめきを抑えきる事ができなかった法雨は、結局、――今、再び、雷の前へとやってきていた。
 そして、そんな法雨が恐る恐る問うと、寛大なる元王は、変わらずにこやかに教えてくれた。
「――あぁ。それは、――うちの一番上の兄ですね。――兄弟揃って講演の時期が被るとは、――妙な偶然もあるもんですね」
 しかし、対する法雨は、のほほんとする元王の前で沈黙し、ただただ目を丸くする事に徹した。
 無論――、テーブルを整えるふりをして、二人の話を盗み聞きしていた桔流も、己の役目をすっかりと忘れ、その場で静止し、同じく目を丸くするに徹していた。
 そして、目を丸くしたまま石と化してしまった法雨と桔流は、同時に思った。
(――恐るべし……――円月一族……)
 
 
 
 
 
Next → Drop.013『 The HANGED MAN:U〈Ⅰ〉』
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

僕のポラリス

璃々丸
BL
 陰キャでオタクなボクにも遂に春が来た!?  先生からだけで無く、クラスカースト上位の陽キャ達も、近隣に幅を効かせる不良達からも一目置かれるまるで頭上の星のようなひとだ。  しかも、オタクにまで優しい。たまたま読んでいたボクの大好きなコミック「恋色なな色どろっぷす」を指差して、「あ、ソレ面白いよね」なんて話しかけられて以来、何かと話しかけられるようになっていった。  これだけだとたまたまかな?と思うけど距離も何かと近くて・・・・・・コレ、ってボクの勘違い?それとも?  ・・・・・・なぁーんて、ボクの自意識過剰かな。  なんて、ボクの片思いから始まる甘酸っぱいお話。  みたいなBSS未満なお話。  

【完結】白い森の奥深く

N2O
BL
命を助けられた男と、本当の姿を隠した少年の恋の話。 本編/番外編完結しました。 さらりと読めます。 表紙絵 ⇨ 其間 様 X(@sonoma_59)

たとえ運命じゃなくても、僕は

mimi
BL
「僕は自分の気持ちを信じたい。 たとえ運命から背を背けようとも」 音楽大学に通うΩの青年・相田ひなた。 努力家の先輩αと、 運命の番だと告げられた天才α。 運命か、愛情か―― 選ぶのは、僕自身だ。 ※直接的な描写はありません。

役を降りる夜

相沢蒼依
BL
ワンナイトから始まった関係は、恋じゃなくて契約だった―― 大学時代の先輩・高瀬と、警備員の三好。再会の夜に交わしたのは、感情を持たないはずの関係だった。 けれど高瀬は、無自覚に条件を破り続ける。三好は、契約を守るために嘘をついた。 本命と会った夜、それでも高瀬が向かったのは――三好の部屋だった。そこからふたりの関係が揺らいでいく。

何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか

BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。 ……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、 気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。 「僕は、あなたを守ると決めたのです」 いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。 けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――? 身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。 “王子”である俺は、彼に恋をした。 だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。 これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、 彼だけを見つめ続けた騎士の、 世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。

人並みに嫉妬くらいします

米奏よぞら
BL
流されやすい攻め×激重受け 高校時代に学校一のモテ男から告白されて付き合ったはいいものの、交際四年目に彼の束縛の強さに我慢の限界がきてしまった主人公のお話です。

君が僕を好きなことを知ってる

大天使ミコエル
BL
【完結】 ある日、亮太が友人から聞かされたのは、話したこともないクラスメイトの礼央が亮太を嫌っているという話だった。 けど、話してみると違和感がある。 これは、嫌っているっていうより……。 どうやら、れおくんは、俺のことが好きらしい。 ほのぼの青春BLです。 ◇◇◇◇◇ 全100話+あとがき ◇◇◇◇◇

【完結】ルガルの星―冷徹な社長は、僕の運命を知っていた―

綾波絢斗
BL
この世界には、二つの特別な称号を持つ者たちが存在する。 一つは、絶対的な権力を持つ王の称号――ルガル(lugal)。 もう一つは、ルガルと対をなし、その力を補う「番」――ムル(mul)。 ルガルは生まれながらに選ばれし存在。 国家からエリート教育と地位を与えられ、能力に応じて厳格なランク分けが行われる。 最上位のルガルは、政治さえも動かす絶対者だ。 一方で、ムルは生まれた瞬間にはその正体がわからない。 遺伝子検査や学力テストを経て候補が絞られるが、 最終的に「真のムル」かどうかを見極められるのは――ルガルだけ。 ムルが覚醒したとき、同じ場所に「紋章」が現れ、その瞬間から、ルガルとムルの力は共鳴し始める。 ムルの能力はルガルの力を最大限に引き出す。 ゆえにルガルたちは、自らのムルを求め、時には他人のムル候補を奪い合う。 そして、すべての出生データと遺伝情報を管理するのは、 巨大企業イルジオン――国家をも超える存在。 その頂点に立つ社長、一条レイ。 冷徹なルガルの頂点に君臨する彼が「自分のムル」と出会った。

処理中です...