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🌹『瑠璃のケエス:芽吹』💎本編🌹
Drop.001『 Recipe choice〈Ⅰ〉』【4】
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(あぁ。なんだ。良かった。――心配する必要、本当になかったな)
そんな男の笑顔に安堵した桔流は、
(――きっと、相手の仕事が遅れただけとかで、この後、別のとこで会うんだろうな)
と、何となく温かな気持ちになりながら、手元へと視線を戻した。
その後――。
男の会計を担当したスタッフがそのまま別の客のオーダーに回ったので、桔流は一度手を止め、あの男が座っていたテーブルを片付ける事にした。
その途中。
桔流は、男が座っていた座席の隣の椅子に、光沢感のある瑠璃色の紙袋が置かれている事に気が付いた。
その小ぶりな紙袋には、ブランド名と思しき〈B-tail Bless〉という銀色の文字が、上品に印字されている。
(――〈B-tail Bless〉……)
それは、ファッションアイテムや化粧品のみならず、ジュエリーでも大変有名な大手ブランドの名であった。
「――……」
その名と紙袋の様相に、何となく嫌な予感がした桔流は、汚さぬようにしながら手早く袋の中を確認した。
すると、その上品な紙袋の中には、落ち着いたデザインながら、高級感漂う包装が施された――“小さな包み”が入っていた。
(これ……)
桔流は、その包みを見るなり、焦燥感が湧き上がってくるのを感じた。
それに弾かれたようにテーブルから離れると、桔流は、先ほど男の見送りをしたスタッフのもとに向かう。
そして、手早く男が向かった方向を聞き出すと、急いで店を出た。
店から飛び出すなり、桔流は足早に繁華街を辿り、男の姿を探した。
しかし――、
(――遅かったか……)
すでに人気の少ない時間帯だというのに、店からやや離れた通りまで来てみても、男の姿を見つける事はできなかった。
「マジかよ……」
桔流は、思わず心の音をこぼす。
そして、やや乱れた呼吸を落ち着かせると、今一度袋の中を見て溜め息を吐いた。
(――このサイズ……やっぱ、指輪だよな……)
上質な紙袋の中に佇むその包みは、どう見ても指輪――、あるいは、小さな高級品が入っているとしか思えない様相をしていた。
(クソ。もう少し早く気付けてたら……)
悔しい気持ちを抱きながら、桔流は今一度周囲を見回す。
だが、やはり男の姿は見当たらない。
(はぁ……。これだけ探してもダメなら、これ以上は意味ないな……)
時刻は零時を過ぎていた。
桔流はそこで、ついに男の捜索を断念すると、後ろ髪を引かれながらも一度店に戻る事にした。
「――どうだった?」
桔流が足早に店に戻ると、スタッフから事情を聞いたらしい法雨が尋ねてきた。
「すいません。見失いました……。――あの」
「ん?」
そんな法雨にひとつ詫びると、桔流は次いで、紙袋を丁寧に差し出した。
「これ、多分、指輪か何かじゃないかって思うんですけど……」
法雨も、その紙袋を丁寧に受け取る。
そして、そっと袋の中を確認すると、ふむと呟いた。
「確かに、これはそうかもしれないわね……」
しかし、すぐに明るく笑うと、
「――でも、大切な物ならちゃんと取りに来るわよ。――取りにいらっしゃるまでは、お店で大切に保管しておきましょ」
と、言った。
だが、対する桔流は、未だ明るさを取り戻せぬ様子で頷いた。
そんな男の笑顔に安堵した桔流は、
(――きっと、相手の仕事が遅れただけとかで、この後、別のとこで会うんだろうな)
と、何となく温かな気持ちになりながら、手元へと視線を戻した。
その後――。
男の会計を担当したスタッフがそのまま別の客のオーダーに回ったので、桔流は一度手を止め、あの男が座っていたテーブルを片付ける事にした。
その途中。
桔流は、男が座っていた座席の隣の椅子に、光沢感のある瑠璃色の紙袋が置かれている事に気が付いた。
その小ぶりな紙袋には、ブランド名と思しき〈B-tail Bless〉という銀色の文字が、上品に印字されている。
(――〈B-tail Bless〉……)
それは、ファッションアイテムや化粧品のみならず、ジュエリーでも大変有名な大手ブランドの名であった。
「――……」
その名と紙袋の様相に、何となく嫌な予感がした桔流は、汚さぬようにしながら手早く袋の中を確認した。
すると、その上品な紙袋の中には、落ち着いたデザインながら、高級感漂う包装が施された――“小さな包み”が入っていた。
(これ……)
桔流は、その包みを見るなり、焦燥感が湧き上がってくるのを感じた。
それに弾かれたようにテーブルから離れると、桔流は、先ほど男の見送りをしたスタッフのもとに向かう。
そして、手早く男が向かった方向を聞き出すと、急いで店を出た。
店から飛び出すなり、桔流は足早に繁華街を辿り、男の姿を探した。
しかし――、
(――遅かったか……)
すでに人気の少ない時間帯だというのに、店からやや離れた通りまで来てみても、男の姿を見つける事はできなかった。
「マジかよ……」
桔流は、思わず心の音をこぼす。
そして、やや乱れた呼吸を落ち着かせると、今一度袋の中を見て溜め息を吐いた。
(――このサイズ……やっぱ、指輪だよな……)
上質な紙袋の中に佇むその包みは、どう見ても指輪――、あるいは、小さな高級品が入っているとしか思えない様相をしていた。
(クソ。もう少し早く気付けてたら……)
悔しい気持ちを抱きながら、桔流は今一度周囲を見回す。
だが、やはり男の姿は見当たらない。
(はぁ……。これだけ探してもダメなら、これ以上は意味ないな……)
時刻は零時を過ぎていた。
桔流はそこで、ついに男の捜索を断念すると、後ろ髪を引かれながらも一度店に戻る事にした。
「――どうだった?」
桔流が足早に店に戻ると、スタッフから事情を聞いたらしい法雨が尋ねてきた。
「すいません。見失いました……。――あの」
「ん?」
そんな法雨にひとつ詫びると、桔流は次いで、紙袋を丁寧に差し出した。
「これ、多分、指輪か何かじゃないかって思うんですけど……」
法雨も、その紙袋を丁寧に受け取る。
そして、そっと袋の中を確認すると、ふむと呟いた。
「確かに、これはそうかもしれないわね……」
しかし、すぐに明るく笑うと、
「――でも、大切な物ならちゃんと取りに来るわよ。――取りにいらっしゃるまでは、お店で大切に保管しておきましょ」
と、言った。
だが、対する桔流は、未だ明るさを取り戻せぬ様子で頷いた。
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