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本編
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「お姉さま……私、なにかしましたか?」
「ええ。すてきな言葉を、私に贈ってくれたわ」
「言葉……」
魔法使いにとって、言葉は大切なものだ。言霊を用いて魔法を使う彼らは、言葉は力を持つと知っているからだ。
言葉を用いずとも魔法を扱える魔女も、生まれながらにして魔女だったわけではない。膨大な魔力をもって生まれ、魔法使いとして知識をつけて魔力を高めれば魔女になる。レアケにとって言葉は大切なものだからこそ、アニカやアウネーテ、そしてエスガの偽りのない言葉は胸に響いた。
「お姉さまによろこんでもらえて、うれしいです!」
アニカはすべてを理解したわけではないだろうが、レアケがよろこんでいることを純粋によろこんでくれる。その偽りのない笑顔にレアケもつられてほほ笑んだ。
「お姉さま、あの……色々な都合で、私がエスガお兄さまとお姉さまより先にフィヨルに入ることになってしまって」
「ここはあなたの家でもあるのだから、問題ないじゃない」
アニカは前フィヨル侯爵の子女であり、現フィヨル侯爵の妹、まごうことなきフィヨル侯爵家の一員だ。レアケはエスガと共にフィヨル侯爵領に入ったものの、まだフィヨル侯爵の婚約者という立場であり、フィヨル侯爵家の一員ではない。元々貴族とは縁遠い生まれの上、早々に家族と離別しているため、一家という概念にこだわりがない。アニカが気にするようなことは、一切気にしていなかった。
「内装など、ひとまず私の方でお願いしたのですが……お姉さまの好みで変えてくださいね」
「私の?」
「はい、お姉さまはフィヨル侯爵夫人になる方ですから!」
よほどレアケがエスガと夫婦になることがうれしいのか、アニカは目を輝かせている。レアケに好感を抱いているからというのもあるだろうが、なによりいままで苦労をかけていた兄がようやく肩の荷を降ろし、想い人と結ばれることをよろこんでいるのだろう。
「……あなたって、いい子ね」
「え?」
「いえ……アニカが選んでくれた内装、とても気に入ったわ。あなたとは好みが合うみたい」
華美さはなく、質素で落ち着いた内装だ。アニカの感性はエスガが侍女として働いている間、修道院で生活していたことが影響をあたえたのかもしれない。元々森に引きこもって質素な暮らしをし、レイフら王族のきらびやかな装いを嫌悪していたレアケとは好みにぴったりとあうようだ。
「わあ、うれしいですお姉さま! 私がここにいる間、仲良くしてくださいね!」
「ええ。仲良くしてね、アニカ。……えっ、まって。ここにいる間って?」
アニカが笑顔であったため、うっかりその言葉を聞き流しそうになった、レアケだが数秒経って驚き、問いかける。
「いつかは、私も嫁ぐ予定ですから」
「ああ……そういうことね」
アニカはすでに結婚していてもおかしくない年齢だ。フィヨル侯爵家の血筋として嫁ぎ、血のつながりを結んでいく。
「……エスガはなんて言っているの?」
「私が望む相手なら、構わないと」
エスガは大切な妹を嫁に出すことは渋りそうなものだが、彼自身が望む相手と結婚しようとしているからか反対もできないのだろう。
「望む相手がいるのね」
「はい。もう何年もアプローチしているのですが、相手にされなくて……けれど、成人してからは少し見込みが見えてきました!」
アニカはその相手を長く想い続けているようで、意外にも恋には積極的だ。
(歳が離れている相手かしら)
成人してから見込みが見えてきたということは、成人するまでは相手にできないような相手ということだ。歳が離れた大人であれば、未成年の少女を相手になどできないだろう。
「……そう。私も、アニカが望むのであればいいと思うわ」
アニカが未成年である間はまったく相手にしなかった、なかなかできた男だとレアケは感心した。紅茶を一口口に含んで香り楽しみ、それを飲み込もうとしたところ。
「お姉さまに、お母さまと呼ばれる日がきてしまうのかもしれませんね」
「……っ」
レアケはアニカの言葉で口にした紅茶を吹きそうになった。なんとかこらえて飲み込んだものの、そのまま咳きこんでしまう。そんなレアケの背をアウネーテが慌ててさすった。
(まさか、相手はエルフレズ!?)
アニカの兄、エスガに嫁ぐレアケをお姉さまと呼ぶ彼女が、レアケにお母さまと呼ばれることになる。すなわち、レアケ・ラーセンの父、エルフレズ・ラーセンに嫁ぐということだ。
「お姉さま、大丈夫ですか?」
「っ、……ええ、問題ないわ……」
レアケにとっては予想外の相手だった。歳が離れていると推理してはいたものの、さすがに父と娘ほどに歳が離れているとは思っていなかったようだ。
「……本当に、エルフレズがいいの?」
「はい」
相手がエルフレズであることを否定することもなく、アニカは笑顔でうなずいた。
「彼は……」
エルフレズはけっして、善意でエスガとアニカを助けたわけではない。彼の計画のため、利用するために兄妹を助けたはずだ。そのことを言いかけたレアケだが、すんでのところで言葉を飲み込む。レアケはエルフレズのすべてを理解しているわけではないのだから、それはただの憶測でしかない。それに、エルフレズを想うアニカに彼を貶めるような言葉を言うべきではない。
「エルフレズさまがお兄さまと私を助けてくれたのは、善意ではなかったのかもしれません」
アニカは笑顔のまま、レアケが飲み込んだ言葉を自ら口にした。それはすでにエスガが伝えていたのかもしれないし、もしかしたら本人から直接聞いたものなのかもしれない。
「私はあの方の深謀のすべてを理解することはできません。ですが、どのような理由であったとしても……私があの方に助けられたことは変わりませんから」
母を亡くし、貧しくその日を生きて、冬の寒さに命を奪われそうになっていたアニカをエルフレズは助けた。それが彼女の兄エスガを利用するためだとしても、エスガは仕事を手にし、アニカは雨風しのげる寝床を得られた。アニカはエルフレズにとても感謝し、いつからか恋心を抱くようになった。
他人にどのように言われても、アニカにとってはそれがすべてなのだろう。物事は他人の言葉で揺らぐことがあっても、結局は受け取る側がどう感じるのかがすべてだ。
「お母さまと呼ぶかどうかはわからないけれど……がんばってね、アニカ」
「はいっ」
頬を赤く染め、満面の笑みで答えるアニカは心からエルフレズを想っているのだろう。レアケはそれをほほ笑ましく思いつつも、仮に二人が結ばれてもアニカをお母さまと呼ぶことはないだろうとぼんやりと考えていた。
なにせエルフレズとはいままで関わりがなく、エスガとの結婚のために養女となっただけで、そのことに恩は感じつつも父親だとは一切思えない。どちらかといえば、エスガの父親のような存在に思えるくらいだ。
(年の差が……いえ、それは私が言えることじゃあないわね……)
魔女であるレアケは容姿が二十歳ほどにしか見えないが、実年齢は二十をはるかに上回る。レアケとエスガの年の差を考えれば、アニカとエルフレズの年齢差などかわいいものだ。
「うっ、痛い……」
レアケはエスガとの歳の差がまったく気にならないわけではない。しかし、歳の差はどうあがいてもけっして変えられないものだ。
(いまは同じくらいに見えるけれど……)
レアケが魔女であることが幸いなのか、それとも不幸なのか、年の差があれどもいまの二人は同じ年ごろに見える。しかしそれは短い間だけのこと。
「お姉さま?」
「……き、気にしないで。自虐しただけだから」
レアケは紅茶を一気に飲み干し、一つため息をついた。
(……なんだか、無性にエスガに会いたい)
先ほど別れたばかり、まだ一時間も経っていないうちに、レアケはエスガが恋しくなった。
「ええ。すてきな言葉を、私に贈ってくれたわ」
「言葉……」
魔法使いにとって、言葉は大切なものだ。言霊を用いて魔法を使う彼らは、言葉は力を持つと知っているからだ。
言葉を用いずとも魔法を扱える魔女も、生まれながらにして魔女だったわけではない。膨大な魔力をもって生まれ、魔法使いとして知識をつけて魔力を高めれば魔女になる。レアケにとって言葉は大切なものだからこそ、アニカやアウネーテ、そしてエスガの偽りのない言葉は胸に響いた。
「お姉さまによろこんでもらえて、うれしいです!」
アニカはすべてを理解したわけではないだろうが、レアケがよろこんでいることを純粋によろこんでくれる。その偽りのない笑顔にレアケもつられてほほ笑んだ。
「お姉さま、あの……色々な都合で、私がエスガお兄さまとお姉さまより先にフィヨルに入ることになってしまって」
「ここはあなたの家でもあるのだから、問題ないじゃない」
アニカは前フィヨル侯爵の子女であり、現フィヨル侯爵の妹、まごうことなきフィヨル侯爵家の一員だ。レアケはエスガと共にフィヨル侯爵領に入ったものの、まだフィヨル侯爵の婚約者という立場であり、フィヨル侯爵家の一員ではない。元々貴族とは縁遠い生まれの上、早々に家族と離別しているため、一家という概念にこだわりがない。アニカが気にするようなことは、一切気にしていなかった。
「内装など、ひとまず私の方でお願いしたのですが……お姉さまの好みで変えてくださいね」
「私の?」
「はい、お姉さまはフィヨル侯爵夫人になる方ですから!」
よほどレアケがエスガと夫婦になることがうれしいのか、アニカは目を輝かせている。レアケに好感を抱いているからというのもあるだろうが、なによりいままで苦労をかけていた兄がようやく肩の荷を降ろし、想い人と結ばれることをよろこんでいるのだろう。
「……あなたって、いい子ね」
「え?」
「いえ……アニカが選んでくれた内装、とても気に入ったわ。あなたとは好みが合うみたい」
華美さはなく、質素で落ち着いた内装だ。アニカの感性はエスガが侍女として働いている間、修道院で生活していたことが影響をあたえたのかもしれない。元々森に引きこもって質素な暮らしをし、レイフら王族のきらびやかな装いを嫌悪していたレアケとは好みにぴったりとあうようだ。
「わあ、うれしいですお姉さま! 私がここにいる間、仲良くしてくださいね!」
「ええ。仲良くしてね、アニカ。……えっ、まって。ここにいる間って?」
アニカが笑顔であったため、うっかりその言葉を聞き流しそうになった、レアケだが数秒経って驚き、問いかける。
「いつかは、私も嫁ぐ予定ですから」
「ああ……そういうことね」
アニカはすでに結婚していてもおかしくない年齢だ。フィヨル侯爵家の血筋として嫁ぎ、血のつながりを結んでいく。
「……エスガはなんて言っているの?」
「私が望む相手なら、構わないと」
エスガは大切な妹を嫁に出すことは渋りそうなものだが、彼自身が望む相手と結婚しようとしているからか反対もできないのだろう。
「望む相手がいるのね」
「はい。もう何年もアプローチしているのですが、相手にされなくて……けれど、成人してからは少し見込みが見えてきました!」
アニカはその相手を長く想い続けているようで、意外にも恋には積極的だ。
(歳が離れている相手かしら)
成人してから見込みが見えてきたということは、成人するまでは相手にできないような相手ということだ。歳が離れた大人であれば、未成年の少女を相手になどできないだろう。
「……そう。私も、アニカが望むのであればいいと思うわ」
アニカが未成年である間はまったく相手にしなかった、なかなかできた男だとレアケは感心した。紅茶を一口口に含んで香り楽しみ、それを飲み込もうとしたところ。
「お姉さまに、お母さまと呼ばれる日がきてしまうのかもしれませんね」
「……っ」
レアケはアニカの言葉で口にした紅茶を吹きそうになった。なんとかこらえて飲み込んだものの、そのまま咳きこんでしまう。そんなレアケの背をアウネーテが慌ててさすった。
(まさか、相手はエルフレズ!?)
アニカの兄、エスガに嫁ぐレアケをお姉さまと呼ぶ彼女が、レアケにお母さまと呼ばれることになる。すなわち、レアケ・ラーセンの父、エルフレズ・ラーセンに嫁ぐということだ。
「お姉さま、大丈夫ですか?」
「っ、……ええ、問題ないわ……」
レアケにとっては予想外の相手だった。歳が離れていると推理してはいたものの、さすがに父と娘ほどに歳が離れているとは思っていなかったようだ。
「……本当に、エルフレズがいいの?」
「はい」
相手がエルフレズであることを否定することもなく、アニカは笑顔でうなずいた。
「彼は……」
エルフレズはけっして、善意でエスガとアニカを助けたわけではない。彼の計画のため、利用するために兄妹を助けたはずだ。そのことを言いかけたレアケだが、すんでのところで言葉を飲み込む。レアケはエルフレズのすべてを理解しているわけではないのだから、それはただの憶測でしかない。それに、エルフレズを想うアニカに彼を貶めるような言葉を言うべきではない。
「エルフレズさまがお兄さまと私を助けてくれたのは、善意ではなかったのかもしれません」
アニカは笑顔のまま、レアケが飲み込んだ言葉を自ら口にした。それはすでにエスガが伝えていたのかもしれないし、もしかしたら本人から直接聞いたものなのかもしれない。
「私はあの方の深謀のすべてを理解することはできません。ですが、どのような理由であったとしても……私があの方に助けられたことは変わりませんから」
母を亡くし、貧しくその日を生きて、冬の寒さに命を奪われそうになっていたアニカをエルフレズは助けた。それが彼女の兄エスガを利用するためだとしても、エスガは仕事を手にし、アニカは雨風しのげる寝床を得られた。アニカはエルフレズにとても感謝し、いつからか恋心を抱くようになった。
他人にどのように言われても、アニカにとってはそれがすべてなのだろう。物事は他人の言葉で揺らぐことがあっても、結局は受け取る側がどう感じるのかがすべてだ。
「お母さまと呼ぶかどうかはわからないけれど……がんばってね、アニカ」
「はいっ」
頬を赤く染め、満面の笑みで答えるアニカは心からエルフレズを想っているのだろう。レアケはそれをほほ笑ましく思いつつも、仮に二人が結ばれてもアニカをお母さまと呼ぶことはないだろうとぼんやりと考えていた。
なにせエルフレズとはいままで関わりがなく、エスガとの結婚のために養女となっただけで、そのことに恩は感じつつも父親だとは一切思えない。どちらかといえば、エスガの父親のような存在に思えるくらいだ。
(年の差が……いえ、それは私が言えることじゃあないわね……)
魔女であるレアケは容姿が二十歳ほどにしか見えないが、実年齢は二十をはるかに上回る。レアケとエスガの年の差を考えれば、アニカとエルフレズの年齢差などかわいいものだ。
「うっ、痛い……」
レアケはエスガとの歳の差がまったく気にならないわけではない。しかし、歳の差はどうあがいてもけっして変えられないものだ。
(いまは同じくらいに見えるけれど……)
レアケが魔女であることが幸いなのか、それとも不幸なのか、年の差があれどもいまの二人は同じ年ごろに見える。しかしそれは短い間だけのこと。
「お姉さま?」
「……き、気にしないで。自虐しただけだから」
レアケは紅茶を一気に飲み干し、一つため息をついた。
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