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第一部
そばにいるから(3)
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二人は地下へ下り、中の様子をうかがう。見える範囲にはマシューとアグネスの姿はなかった。
部屋の中をぐるりと見回すと、扉が五つもあった。そのどれにも魔法でなにかが細工されているのを感じる。おそらく、すべての扉が本物という訳ではない。
「下手に開けるのは危険だな」
「そうね。せめて、当たりをつけないと……万が一、なんて言ったけれど……出し惜しみせず、捜索の魔法を使うわ」
「わかった」
エレノーラはマシューのぬいぐるみを手に取った。まずはそれを使って、捜索の魔法を使おうと試みる。
「っ」
「エレノーラ! ……妨害か?」
だが、ばちんと音がして使おうとした魔法が不発に終わった。失敗してしまったことでしびれた指先を、レイモンドが大きな手で包む。
「ごめんね、ちょっと失敗しただけなの」
「大丈夫か……?」
妨害があった訳ではない。先ほどのハンカチのことが気になって、集中できずにうまく魔法が成せなかっただけだ。
(なにやっているのよ、私……)
捜索の魔法は難易度が高いものだ。心を落ち着かせなければ扱えない。しかし、エレノーラの心は大荒れの海模様だ。私情で集中できなくなる自分が情けなくてたまらなかった。
(いままでこんなこと、一度もなかったのに……やだ、もう)
エレノーラはレイモンドが初恋であり、はじめての恋人だ。それまでは薬草と魔法にしか目がなかったからか、こういったことで心が揺さぶられることに慣れていない。恋人になる前は嫉妬心を抱いたとしても仕方がないことだと諦めていたから、どうとでもなっていた。
(私……本当に、欲深くなってしまったわね)
心が揺さぶられたとしても、そんな状況で難しい魔法を使わなければならない場面はいままでなかった。しかしいまは安全にマシューとアグネスを探し出すためにも、魔法を使わなければならない。悩みの元を解決しなければと、エレノーラはレイモンドに顔を向ける。
「ねえ、レイモンド。あのハンカチは……どうしてアグネスさんが持っているの?」
「えっ」
「笑わないでね。……気になって、集中できなくて、うまく魔法が使えなかったの」
エレノーラが知ったことは中途半端な情報だ。このまま放っておくと、変に想像して拗らせてしまいそうで、そうならないためにも直接聞いてみるしかなかった。レイモンドも同じようにこれ以上拗らせたくないと思ったのか、正直に答える。
「四年半前、私が魔物討伐の功績を上げる前のことだ。調査でアグネスとほかの騎士や魔道士と一緒に行動することがあって」
「それで?」
「その時、アグネスが転倒してけがをしたんだ。一番下っ端だった私が手当てをして、背負って連れて帰った。その時にあのハンカチを使って……返さなくていいって言ったから、ずっと持っていたんだと思う」
あの血の跡はアグネス自身のもののようだ。アグネスはレイモンドに助けられたその時のハンカチをずっと、大切に持っていたのだろう。おそらく、その時に生まれた恋心と一緒に。
(はあ。やっぱり、もやもやするわね)
エレノーラは以前、アグネスに投げられた言葉を思い出す。四年前といえば、レイモンドは十四歳でアグネスは十五歳。そんな若い二人の間にあった、甘酸っぱい話だ。
(その頃の私は十九歳……五年の歳の差は大きいなあ)
エレノーラが深く息を吐くと、レイモンドは眉尻を下げて不安そうな顔で彼女を見た。その視線を受け、エレノーラは笑う。
「わかったわ。話してくれてありがとう、レイモンド。この話は、もう終わり」
「怒っていないのか……?」
「どうして私が怒るのよ。レイモンドはなにも悪いことをしていないし、むしろちゃんと自分の責務を果たしたんだから、ほめられることよ」
レイモンドはなにも間違ったことはしていない。けが人を背負うことは、悪いどころか良いことだ。
(私が歳上なんだから、ここは大人の余裕、包容力というものを見せないとね)
ハンカチが譲渡された理由はわかったのだから、これでエレノーラも少しは落ち着けるだろう。嫉妬心を押し隠し、顔が引き攣りそうになるのをなんとか取りつくろって笑った。レイモンドは真面目な顔で、エレノーラの手を握りしめる。
「レイモンド?」
「僕が好きなのは、エレノーラだけだ」
ベイビーブルーの目にじっと見つめられて、エレノーラは頬が熱くなるのを感じながら小さくうなずいた。その言葉を、疑ってなどいない。信じているから、嫉妬はしても怒ってなどいない。
好きな人からの愛の言葉は心をよろこばせ、嫌な気持ちを消し去っていく。エレノーラは自然と笑顔になったが、ふと、冷静になって顔を横に振った。
「ごめん、こんなことをしている場合じゃなかったわね」
「そう、だった。ごめん……」
マシューとアグネスがどんな状況に置かれているのかわからない以上、急ぐべきだろう。エレノーラは自分がふがいなく、レイモンドにも余計な時間を取らせてしまったと反省した。
「うん、もう大丈夫」
エレノーラは気合を入れて気持ちを切り替えた。呪文を唱えながら、ぬいぐるみに指で魔力を注いでいく。成功したようで、ぬいぐるみは薄く発光して宙に浮いた。
「う……浮いた……」
レイモンドはそのぬいぐるみを見て驚いた。宙に浮かんだぬいぐるみはふわふわと漂うようにゆっくりと進んでいく。それは一つの扉へ向かうと、ぶつかって地に落ちた。光は薄くなり、やがて消えてなくなる。
「マシューさんは、この先にいそうね」
エレノーラは扉を確認するが、特に封じられているといった様子はなかった。となると、マシューは扉が開かないから出てこない訳ではないのだろう。意識がないのか、拘束されているのか、最悪の状況でないことを祈るしかない。
「レイモンドは、直接対峙したことがあるから知っていると思うけど……」
「享楽の魔女のことか?」
「そう。あの男がもっとも得意としていたのは幻覚の魔法なの。だから、この先なにがあっても……幻覚の可能性が、高いわ」
その魔法に苦しめられたことがあるのだろう、レイモンドは苦々しくうなずいた。魔女はさらに厄介なことに記憶を読む魔法も扱え、その二つを組みあわせた魔法が凶悪なものだった。
魔女が扱った記憶を読む魔法については、書き残された文面は一切ない。この世でたった一人、享楽の魔女のみが使えた魔法だ。あの男がいなくなったいま、この世にはその魔法を扱えるものはいないし、だからこそ対策も難しく、気をつけるしかなかった。
「私が先に入る」
「うん、わかったわ。気をつけて」
レイモンドがエレノーラの前に立ち、扉に手をかける。ゆっくりと取っ手を引くと、きい、と音を立てて扉が開かれた。なにかが飛び出してくることはなく、魔法が発動することもなく、エレノーラは不気味さを覚える。一歩、レイモンドが足を踏み入れてもなにも起きなかった。
扉をくぐったレイモンドから離れないように、エレノーラもその後に続く。中は薄暗く、奥はほとんど暗闇でなにも見えない。扉を開く前からなにかの魔法がすでに発動している気配はあったため、油断はできない。
「明かり、つけるわね」
「ああ」
エレノーラはレイモンドの返事を聞き終えてから、手のひらに光の玉を魔法で生み出す。部屋の隅まで光が届き、暗闇だった場所が見えるようになり、二人はそこに人の姿を見て息を呑んだ。
「マシューさん……ひどい……」
「……ひどいな」
エレノーラが思わずつぶやくと、レイモンドがそれに同意する。
「全裸にするって……あの男、本当に……悪趣味ね……」
かわいそうなことに、連絡が取れなくなっていた魔道士の一人、マシューが全裸で縄で縛られ、床にころがっていた。
部屋の中をぐるりと見回すと、扉が五つもあった。そのどれにも魔法でなにかが細工されているのを感じる。おそらく、すべての扉が本物という訳ではない。
「下手に開けるのは危険だな」
「そうね。せめて、当たりをつけないと……万が一、なんて言ったけれど……出し惜しみせず、捜索の魔法を使うわ」
「わかった」
エレノーラはマシューのぬいぐるみを手に取った。まずはそれを使って、捜索の魔法を使おうと試みる。
「っ」
「エレノーラ! ……妨害か?」
だが、ばちんと音がして使おうとした魔法が不発に終わった。失敗してしまったことでしびれた指先を、レイモンドが大きな手で包む。
「ごめんね、ちょっと失敗しただけなの」
「大丈夫か……?」
妨害があった訳ではない。先ほどのハンカチのことが気になって、集中できずにうまく魔法が成せなかっただけだ。
(なにやっているのよ、私……)
捜索の魔法は難易度が高いものだ。心を落ち着かせなければ扱えない。しかし、エレノーラの心は大荒れの海模様だ。私情で集中できなくなる自分が情けなくてたまらなかった。
(いままでこんなこと、一度もなかったのに……やだ、もう)
エレノーラはレイモンドが初恋であり、はじめての恋人だ。それまでは薬草と魔法にしか目がなかったからか、こういったことで心が揺さぶられることに慣れていない。恋人になる前は嫉妬心を抱いたとしても仕方がないことだと諦めていたから、どうとでもなっていた。
(私……本当に、欲深くなってしまったわね)
心が揺さぶられたとしても、そんな状況で難しい魔法を使わなければならない場面はいままでなかった。しかしいまは安全にマシューとアグネスを探し出すためにも、魔法を使わなければならない。悩みの元を解決しなければと、エレノーラはレイモンドに顔を向ける。
「ねえ、レイモンド。あのハンカチは……どうしてアグネスさんが持っているの?」
「えっ」
「笑わないでね。……気になって、集中できなくて、うまく魔法が使えなかったの」
エレノーラが知ったことは中途半端な情報だ。このまま放っておくと、変に想像して拗らせてしまいそうで、そうならないためにも直接聞いてみるしかなかった。レイモンドも同じようにこれ以上拗らせたくないと思ったのか、正直に答える。
「四年半前、私が魔物討伐の功績を上げる前のことだ。調査でアグネスとほかの騎士や魔道士と一緒に行動することがあって」
「それで?」
「その時、アグネスが転倒してけがをしたんだ。一番下っ端だった私が手当てをして、背負って連れて帰った。その時にあのハンカチを使って……返さなくていいって言ったから、ずっと持っていたんだと思う」
あの血の跡はアグネス自身のもののようだ。アグネスはレイモンドに助けられたその時のハンカチをずっと、大切に持っていたのだろう。おそらく、その時に生まれた恋心と一緒に。
(はあ。やっぱり、もやもやするわね)
エレノーラは以前、アグネスに投げられた言葉を思い出す。四年前といえば、レイモンドは十四歳でアグネスは十五歳。そんな若い二人の間にあった、甘酸っぱい話だ。
(その頃の私は十九歳……五年の歳の差は大きいなあ)
エレノーラが深く息を吐くと、レイモンドは眉尻を下げて不安そうな顔で彼女を見た。その視線を受け、エレノーラは笑う。
「わかったわ。話してくれてありがとう、レイモンド。この話は、もう終わり」
「怒っていないのか……?」
「どうして私が怒るのよ。レイモンドはなにも悪いことをしていないし、むしろちゃんと自分の責務を果たしたんだから、ほめられることよ」
レイモンドはなにも間違ったことはしていない。けが人を背負うことは、悪いどころか良いことだ。
(私が歳上なんだから、ここは大人の余裕、包容力というものを見せないとね)
ハンカチが譲渡された理由はわかったのだから、これでエレノーラも少しは落ち着けるだろう。嫉妬心を押し隠し、顔が引き攣りそうになるのをなんとか取りつくろって笑った。レイモンドは真面目な顔で、エレノーラの手を握りしめる。
「レイモンド?」
「僕が好きなのは、エレノーラだけだ」
ベイビーブルーの目にじっと見つめられて、エレノーラは頬が熱くなるのを感じながら小さくうなずいた。その言葉を、疑ってなどいない。信じているから、嫉妬はしても怒ってなどいない。
好きな人からの愛の言葉は心をよろこばせ、嫌な気持ちを消し去っていく。エレノーラは自然と笑顔になったが、ふと、冷静になって顔を横に振った。
「ごめん、こんなことをしている場合じゃなかったわね」
「そう、だった。ごめん……」
マシューとアグネスがどんな状況に置かれているのかわからない以上、急ぐべきだろう。エレノーラは自分がふがいなく、レイモンドにも余計な時間を取らせてしまったと反省した。
「うん、もう大丈夫」
エレノーラは気合を入れて気持ちを切り替えた。呪文を唱えながら、ぬいぐるみに指で魔力を注いでいく。成功したようで、ぬいぐるみは薄く発光して宙に浮いた。
「う……浮いた……」
レイモンドはそのぬいぐるみを見て驚いた。宙に浮かんだぬいぐるみはふわふわと漂うようにゆっくりと進んでいく。それは一つの扉へ向かうと、ぶつかって地に落ちた。光は薄くなり、やがて消えてなくなる。
「マシューさんは、この先にいそうね」
エレノーラは扉を確認するが、特に封じられているといった様子はなかった。となると、マシューは扉が開かないから出てこない訳ではないのだろう。意識がないのか、拘束されているのか、最悪の状況でないことを祈るしかない。
「レイモンドは、直接対峙したことがあるから知っていると思うけど……」
「享楽の魔女のことか?」
「そう。あの男がもっとも得意としていたのは幻覚の魔法なの。だから、この先なにがあっても……幻覚の可能性が、高いわ」
その魔法に苦しめられたことがあるのだろう、レイモンドは苦々しくうなずいた。魔女はさらに厄介なことに記憶を読む魔法も扱え、その二つを組みあわせた魔法が凶悪なものだった。
魔女が扱った記憶を読む魔法については、書き残された文面は一切ない。この世でたった一人、享楽の魔女のみが使えた魔法だ。あの男がいなくなったいま、この世にはその魔法を扱えるものはいないし、だからこそ対策も難しく、気をつけるしかなかった。
「私が先に入る」
「うん、わかったわ。気をつけて」
レイモンドがエレノーラの前に立ち、扉に手をかける。ゆっくりと取っ手を引くと、きい、と音を立てて扉が開かれた。なにかが飛び出してくることはなく、魔法が発動することもなく、エレノーラは不気味さを覚える。一歩、レイモンドが足を踏み入れてもなにも起きなかった。
扉をくぐったレイモンドから離れないように、エレノーラもその後に続く。中は薄暗く、奥はほとんど暗闇でなにも見えない。扉を開く前からなにかの魔法がすでに発動している気配はあったため、油断はできない。
「明かり、つけるわね」
「ああ」
エレノーラはレイモンドの返事を聞き終えてから、手のひらに光の玉を魔法で生み出す。部屋の隅まで光が届き、暗闇だった場所が見えるようになり、二人はそこに人の姿を見て息を呑んだ。
「マシューさん……ひどい……」
「……ひどいな」
エレノーラが思わずつぶやくと、レイモンドがそれに同意する。
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