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ミケルはイライザの様子に小さく笑い、少し身を乗り出して甘えるような声でお願いをする。
「そんなことより。リズのこと、僕に教えてよ」
「……私のこと?」
「そう。好きな色や食べ物は? 普段はなにをしているの? 僕、知りたいことがたくさんあるんだ」
イライザはそのお願いに戸惑い、ティーカップに視線を落として小さな声で答える。
「それは……聞いてもむだになるかもしれない」
縁談が破談にならなければ、ミケルが自分にかけた時間がむだになる。イライザはそう考えていたが、ミケルはほほ笑んだまま首を横に振る。
「僕は、リズのことが好きなんだよ。好きな人のことを知れることは、むだじゃない」
「そっ、う……っ」
イライザはミケルの言葉に頬を赤く染めた。
(好き、だなんて……)
イライザは両手で頬を覆い隠す。異性から好意を示されることに慣れていない、むしろ初めてであったイライザには刺激が強かった。
「んんっ、……そっ、そう……」
一つ咳払いをして平静を取り戻したように装うイライザだが、その頬は赤いままだし、声は動揺をしている。ミケルの言葉が本心なのかはわからなかったものの、その心は大きく揺れていた。
「私は、普段は騎士として従事している」
「リズは騎士なんだ、格好いい! そっか、だから体を鍛えているんだね」
「うぅ……」
ミケルの言葉にイライザはうなる。昨夜、隅から隅まで余すことなく身体をすべて暴かれたことを思い出し、イライザの頬はさらに赤くなった。イライザはちらりとミケルの様子をうかがったが、彼はほほ笑んだまま変わりない。
「……そっ、そう、毎日、鍛えている」
「すごいなあ。僕もがんばって鍛えているけれど、なかなかうまくいかなくて」
「ミケルも均整に鍛えられていると思……あぁ、違うっ、そのっ」
「本当? そう言ってもらえるとうれしいなあ」
うっかり昨夜見たミケルの体を思い出し、すなおな感想を口にしたイライザは羞恥でうつむいた。しばらくその状態で固まってしまったイライザの反応を楽しんでいるようで、ミケルはくすくすと笑っている。ミケルは秘密話をするかのように口元に手を当て、小さな声でいたずらっぽく笑いながらささやいた。
「リズは僕の体、気に入ってくれた?」
「……回答を拒否する!」
「残念、知りたかったのに」
ティーカップの紅茶が冷めてしまうまでの間、二人は明るい声で会話を楽しんだ。イライザはミケルに振り回されてばかりだったが、不思議と嫌悪感は抱かなかった。
冷めた紅茶を飲み干し、カップの底が見えたところで、イライザは壁にかけられた時計を見る。楽しい時間はあっという間に過ぎ、ラーゼル侯爵との約束の時間は刻々と近づいていた。
(このまま、ここでこうしていられたら……)
そんな望みが頭によぎったが、イライザはすぐに首を横に振った。兄にすべてを押しつけるわけにはいかないし、なにより自分自身のこと、これからの進退に関わってくることだ。話がどちらに転ぶにしても、自分自身の目と耳で見届けたい。
「ミケル、申し訳ないけれど……そろそろ、行かないと」
「そっか、残念」
後ろ髪を引かれながらもイライザは席を立った。ミケルは残念そうに眉尻を下げる。
「リズ、今夜会えない?」
「……今夜は無理だと思う」
その願いを断ったイライザはわずかに罪悪感を覚えた。そこにつけ入るかのようにミケルは上目遣いでお願いを続ける。
「じゃあ、明日の夜は?」
「明日なら……」
「じゃあ、明日の夜にまた会おうよ。僕、リズに会いたいな」
「……わかった」
「ふふ、約束だね。明日が楽しみだな」
ミケルは花が綻ぶように笑顔になり、うれしそうな声でつぶやく。その笑顔と声にイライザもうれしさを覚え、明日が楽しみとなっていた。
◆
ミケルと別れた後、イライザはノアと合流し馬車でラーゼル侯爵邸へと向かった。
最低限の礼節としてドレスに身を包んでいるものの、流行が過ぎて型落ちしている上、中古で購入したものだ。ノアが申し訳なさそうにしていたが、イライザは破談したい相手のために着飾る気がなく、まったく気にしていなかった。そもそも、伯爵家の懐事情など金を貸した本人であるラーゼル侯爵もよく知っていることだろう。
(……あぁ、憂鬱)
馬車の中は静かだった。イライザの口は重く、ノアも言葉を発することがないため、音になるのは彼女のため息だけだ。
もう何度目になるかわからないイライザのため息にノアの表情が暗くなっていく。だがイライザがそれに気づくことなく、ただ考えにひたっていた。
つい先ほどまで一緒にいたミケルのことを思い出し、イライザはさらにため息をつく。たとえまだ成立していない、破談したいと思っている縁談でも、それがある限りほかの異性と恋仲になるようなことは後ろめたさがあった。
(破談にできれば、私は恥じることなくミケルと……)
正式に破談できれば問題は解消され、イライザは後ろめたさを感じることなくミケルの想いを受け取ることができる。
(だが、できなければミケルとは……)
破談にできなければ、望まぬ相手に嫁がなければならない。そうなれば、ミケルとの関係も終わりだ。その現実に再びため息をついたイライザはあることに気づいて顔を両手で覆う。
(これじゃあまるで……ミケルとの関係を心配しているみたいじゃない!)
イライザは耳まで赤くなり、羞恥で肩を震わせた。そんなイライザを兄のノアはおろおろとしながら見守っている。
(私はただ、騎士でありたいから、こんな縁談は不服なだけで……ミケルのことは別に、別に……っ)
否定するように首を横に振るイライザだが、余計にミケルの顔が頭に浮かんで離れなくなる。イライザは両手で顔を覆ったまま小さくうなり、向かいに座るノアがかなしげに顔を歪めていることなど知らずに頭を悩ませた。
(確かに、純潔を捧げた相手だけど……)
破談にするためだけに、体をつなげた関係。そこでひとときおたがいに感じた想いは泡沫の夢幻のようなものだとイライザは考えていた、が。
(けれど……ミケルは、私のことを……好き、だと……)
ミケルの言葉を思い出したイライザは、うつむかせた頭をさらに落とした。イライザはあまりにも恥ずかしくて身悶えているだけだが、ノアは涙ぐんでさえいる。ノアが妹を慰めようと手を伸ばしたところで、イライザは勢いよく身を起こした。
「うわっ、……リ、リズ?」
「……兄さまは、だれかを好きになったことはある?」
「へっ? だれかを好きに……?」
イライザの突拍子もない突然の問いに、ノアは面食らったように固まる。しばらくその問呆然としていたが、その問いを理解したようで顔を赤くした。
今年で二十八歳となったノアはすでに妻を迎えていてもおかしくない年齢だが、借金を抱えた伯爵家の嫡男に嫁ごうとする令嬢などいなかった。ノア自身も借金を返しきるまではと諦めていたようだが、いまの反応からしてまったく恋をしなかったわけでもないのだろう。
「あぁ、なんていたわしいんだ、リズ……っ」
「え?」
ノアは唇を引き締め、イライザの両手を取る。イライザは問いの答えではなく兄からの強い意志を感じる視線を返され、びくりと肩を震わせた。
「大丈夫だ、リズ。かならず、私がなんとかするから」
「え?」
頭に疑問符を浮かべるイライザに対し、ノアは意気込んでいる。
「あの、兄さま……?」
「あっ、ああ! すまない、リズ。うん、……うん、そうだな。私にもあったよ」
当時のことを思い出しているのか、ノアは少し遠い目をする。その様子から、その恋は実らなかったのだろう。
「大丈夫だ、リズ」
まるで自分に言い聞かせるようにそうつぶやいたノアに、イライザはなにも言えなかった。
「そんなことより。リズのこと、僕に教えてよ」
「……私のこと?」
「そう。好きな色や食べ物は? 普段はなにをしているの? 僕、知りたいことがたくさんあるんだ」
イライザはそのお願いに戸惑い、ティーカップに視線を落として小さな声で答える。
「それは……聞いてもむだになるかもしれない」
縁談が破談にならなければ、ミケルが自分にかけた時間がむだになる。イライザはそう考えていたが、ミケルはほほ笑んだまま首を横に振る。
「僕は、リズのことが好きなんだよ。好きな人のことを知れることは、むだじゃない」
「そっ、う……っ」
イライザはミケルの言葉に頬を赤く染めた。
(好き、だなんて……)
イライザは両手で頬を覆い隠す。異性から好意を示されることに慣れていない、むしろ初めてであったイライザには刺激が強かった。
「んんっ、……そっ、そう……」
一つ咳払いをして平静を取り戻したように装うイライザだが、その頬は赤いままだし、声は動揺をしている。ミケルの言葉が本心なのかはわからなかったものの、その心は大きく揺れていた。
「私は、普段は騎士として従事している」
「リズは騎士なんだ、格好いい! そっか、だから体を鍛えているんだね」
「うぅ……」
ミケルの言葉にイライザはうなる。昨夜、隅から隅まで余すことなく身体をすべて暴かれたことを思い出し、イライザの頬はさらに赤くなった。イライザはちらりとミケルの様子をうかがったが、彼はほほ笑んだまま変わりない。
「……そっ、そう、毎日、鍛えている」
「すごいなあ。僕もがんばって鍛えているけれど、なかなかうまくいかなくて」
「ミケルも均整に鍛えられていると思……あぁ、違うっ、そのっ」
「本当? そう言ってもらえるとうれしいなあ」
うっかり昨夜見たミケルの体を思い出し、すなおな感想を口にしたイライザは羞恥でうつむいた。しばらくその状態で固まってしまったイライザの反応を楽しんでいるようで、ミケルはくすくすと笑っている。ミケルは秘密話をするかのように口元に手を当て、小さな声でいたずらっぽく笑いながらささやいた。
「リズは僕の体、気に入ってくれた?」
「……回答を拒否する!」
「残念、知りたかったのに」
ティーカップの紅茶が冷めてしまうまでの間、二人は明るい声で会話を楽しんだ。イライザはミケルに振り回されてばかりだったが、不思議と嫌悪感は抱かなかった。
冷めた紅茶を飲み干し、カップの底が見えたところで、イライザは壁にかけられた時計を見る。楽しい時間はあっという間に過ぎ、ラーゼル侯爵との約束の時間は刻々と近づいていた。
(このまま、ここでこうしていられたら……)
そんな望みが頭によぎったが、イライザはすぐに首を横に振った。兄にすべてを押しつけるわけにはいかないし、なにより自分自身のこと、これからの進退に関わってくることだ。話がどちらに転ぶにしても、自分自身の目と耳で見届けたい。
「ミケル、申し訳ないけれど……そろそろ、行かないと」
「そっか、残念」
後ろ髪を引かれながらもイライザは席を立った。ミケルは残念そうに眉尻を下げる。
「リズ、今夜会えない?」
「……今夜は無理だと思う」
その願いを断ったイライザはわずかに罪悪感を覚えた。そこにつけ入るかのようにミケルは上目遣いでお願いを続ける。
「じゃあ、明日の夜は?」
「明日なら……」
「じゃあ、明日の夜にまた会おうよ。僕、リズに会いたいな」
「……わかった」
「ふふ、約束だね。明日が楽しみだな」
ミケルは花が綻ぶように笑顔になり、うれしそうな声でつぶやく。その笑顔と声にイライザもうれしさを覚え、明日が楽しみとなっていた。
◆
ミケルと別れた後、イライザはノアと合流し馬車でラーゼル侯爵邸へと向かった。
最低限の礼節としてドレスに身を包んでいるものの、流行が過ぎて型落ちしている上、中古で購入したものだ。ノアが申し訳なさそうにしていたが、イライザは破談したい相手のために着飾る気がなく、まったく気にしていなかった。そもそも、伯爵家の懐事情など金を貸した本人であるラーゼル侯爵もよく知っていることだろう。
(……あぁ、憂鬱)
馬車の中は静かだった。イライザの口は重く、ノアも言葉を発することがないため、音になるのは彼女のため息だけだ。
もう何度目になるかわからないイライザのため息にノアの表情が暗くなっていく。だがイライザがそれに気づくことなく、ただ考えにひたっていた。
つい先ほどまで一緒にいたミケルのことを思い出し、イライザはさらにため息をつく。たとえまだ成立していない、破談したいと思っている縁談でも、それがある限りほかの異性と恋仲になるようなことは後ろめたさがあった。
(破談にできれば、私は恥じることなくミケルと……)
正式に破談できれば問題は解消され、イライザは後ろめたさを感じることなくミケルの想いを受け取ることができる。
(だが、できなければミケルとは……)
破談にできなければ、望まぬ相手に嫁がなければならない。そうなれば、ミケルとの関係も終わりだ。その現実に再びため息をついたイライザはあることに気づいて顔を両手で覆う。
(これじゃあまるで……ミケルとの関係を心配しているみたいじゃない!)
イライザは耳まで赤くなり、羞恥で肩を震わせた。そんなイライザを兄のノアはおろおろとしながら見守っている。
(私はただ、騎士でありたいから、こんな縁談は不服なだけで……ミケルのことは別に、別に……っ)
否定するように首を横に振るイライザだが、余計にミケルの顔が頭に浮かんで離れなくなる。イライザは両手で顔を覆ったまま小さくうなり、向かいに座るノアがかなしげに顔を歪めていることなど知らずに頭を悩ませた。
(確かに、純潔を捧げた相手だけど……)
破談にするためだけに、体をつなげた関係。そこでひとときおたがいに感じた想いは泡沫の夢幻のようなものだとイライザは考えていた、が。
(けれど……ミケルは、私のことを……好き、だと……)
ミケルの言葉を思い出したイライザは、うつむかせた頭をさらに落とした。イライザはあまりにも恥ずかしくて身悶えているだけだが、ノアは涙ぐんでさえいる。ノアが妹を慰めようと手を伸ばしたところで、イライザは勢いよく身を起こした。
「うわっ、……リ、リズ?」
「……兄さまは、だれかを好きになったことはある?」
「へっ? だれかを好きに……?」
イライザの突拍子もない突然の問いに、ノアは面食らったように固まる。しばらくその問呆然としていたが、その問いを理解したようで顔を赤くした。
今年で二十八歳となったノアはすでに妻を迎えていてもおかしくない年齢だが、借金を抱えた伯爵家の嫡男に嫁ごうとする令嬢などいなかった。ノア自身も借金を返しきるまではと諦めていたようだが、いまの反応からしてまったく恋をしなかったわけでもないのだろう。
「あぁ、なんていたわしいんだ、リズ……っ」
「え?」
ノアは唇を引き締め、イライザの両手を取る。イライザは問いの答えではなく兄からの強い意志を感じる視線を返され、びくりと肩を震わせた。
「大丈夫だ、リズ。かならず、私がなんとかするから」
「え?」
頭に疑問符を浮かべるイライザに対し、ノアは意気込んでいる。
「あの、兄さま……?」
「あっ、ああ! すまない、リズ。うん、……うん、そうだな。私にもあったよ」
当時のことを思い出しているのか、ノアは少し遠い目をする。その様子から、その恋は実らなかったのだろう。
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