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乱入者
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「ああああああッむしゃくしゃすんだよッ! ウジウジ考えてもどうせ俺達に付いて来る事しか選択肢はねぇんだからとっととキメロヤァぁ!」
目の前にいる男の物とは違う、ロギアの物でも無く全く聞き覚えの無いドスのきいた声が響きアリアの身体が飛び跳ねる。
「――な、何!?」
驚きと戸惑いの表情を浮かべながら視線を動かすと、男の仲間と思われる人影が二つ建物の影から飛び出して来る。
一つは先程の乱暴な物言いをしていた方だろうか、目の端が吊り上がり敵意を剥き出しにしている眼光、金髪でツーブロックの髪型、頬には抉り取られたかの様な傷痕。目の前の男と比べて体格は小柄でやや細いが、全身からは獰猛で近寄りがたい雰囲気を垂れ流していた。
「ご、ごめんなさい橘(たちばな)隊長! ユズルが静止も聞かず飛び出してしまって――」
その直ぐ後ろを似た様な背丈の女性が慌てた様子で駆けて来る。胸より少しばかり上の長さ程ある茶褐色の髪が風に揺れる。そしてアリアと視線が重なった。
「た、橘隊長……この子、ですよね?」その視線が目の前の男へ向けられる。
三人に注目されアリアは数歩後退り、倒れているロギアへと顔を向ける。
“ど、どうしたらいいの……ロ、ロギ――”
突然の乱入者にアリアが茫然自失としていると橘隊長と呼ばれた男が頭を掻きながら溜息をついた。
「……お前等。何故出て来た? ってか台無しじゃねーか……はぁ」
橘隊長と言われた男は呆れ切った様子で言い放つとアリアの方に気まずい顔を向けた。
「だって、おせーんッスよ、隊長は。ちゃっちゃっと対象物を回収して、とっとと帰りたいんッスよ、俺」
「馬鹿っ!」ユズルと呼ばれた人物を一緒に出て来た女が一喝し、後ろから引っ叩く。
「痛ってえぇ!? な、何すんッスか! 水琶(みずは)先輩」
「言葉遣い! それと……ユズル! 貴方のせいで隊長の考えも台無しだし、すっかり彼女に警戒されちゃってるじゃない」
「いや、いやいやいやいや、俺関係無いッスけど? まともで当然の事を正直に言っただけッスよ。どっちかと言うと先輩が出て来た時にアイツ後退りしたッスよ?」
二人は今の状況をそっちのけで言い争いを始め、橘隊長と呼ばれた男は息を吐きながら空を仰いだ。「おいおい、お前等ぁ……ややこしくすんなって……」
“騙された――――――――ッ!!”
その現実を受け止める事しか出来ずアリアの頭から血の気が引いていく。
『そいつらには手出し無用だと伝えてあるし、この場からは離れて貰ってる。だからこれは正真正銘、一対一の交渉事だ』男の言葉が脳内で再生される。
“一対一での交渉事、この場から離れて――男が言っていた事が嘘だった……もしかすると仲間が来る迄の時間稼ぎだったのかもしれない……私――――――”
他人に対して警戒している筈だったのにこんな単純な事に騙されてしまうなんて、アリアは自身の軽率さ、その余りの愚鈍さに嫌気がさす。
「さっき迄の話は……?」
アリアと橘隊長と呼ばれた男は言い争いをする二人をそっちのけで睨み合うかの様に視線が交差する。
「まぁ…そっちの希望は出来るだけ応えるつもりではいる」男はバツが悪い顔をし、うなじの辺りをゴシゴシ擦りながらアリアに微笑みかけた。
「……まぁな、こうなっちまうのは避けたかったが、なっちまった以上は仕方がない、か……こんな事言って虫のいい話何だが、その……何だ、出来ればさっきの話。大人しく受けてくれるとこちらとしても嬉しいんだが?」
男のその要求にアリアは怒りを込めて男を睨み付け、その後ろには言い争いが終わったのか他の二人がこちらに目を向けていた。
「……卑怯」全身の毛が逆立つ様な怒りとも悲しみ、後悔とも取れる、そんな感情がアリアの中で一気に膨れ上がる。
「ああ、そうだな。こっちは何も言い返せない」男はそう言いアリア達から視線を外し手元の時計を確認する。
アリアは表情を曇らせ俯いた。今の自分ではどうしようも無い程無力だった。
例え一人だったとしても男達から逃げる事さえ出来ない。そしてこの状況ではどの選択肢を選ぼうともどのみち捕まってしまう。
“考えてる時間なんて無い”どうせ捕まるのならば今ここでこれだけは言っておくべきだ。
アリアは顔を上げ必死に悔しさが表情に出ない様に強気で男の目を見る。
「ロギに――ロギに何かしたら……許さない――――」
アリアにはそれ以外の選択肢は見当たらなかった。
目の前にいる男の物とは違う、ロギアの物でも無く全く聞き覚えの無いドスのきいた声が響きアリアの身体が飛び跳ねる。
「――な、何!?」
驚きと戸惑いの表情を浮かべながら視線を動かすと、男の仲間と思われる人影が二つ建物の影から飛び出して来る。
一つは先程の乱暴な物言いをしていた方だろうか、目の端が吊り上がり敵意を剥き出しにしている眼光、金髪でツーブロックの髪型、頬には抉り取られたかの様な傷痕。目の前の男と比べて体格は小柄でやや細いが、全身からは獰猛で近寄りがたい雰囲気を垂れ流していた。
「ご、ごめんなさい橘(たちばな)隊長! ユズルが静止も聞かず飛び出してしまって――」
その直ぐ後ろを似た様な背丈の女性が慌てた様子で駆けて来る。胸より少しばかり上の長さ程ある茶褐色の髪が風に揺れる。そしてアリアと視線が重なった。
「た、橘隊長……この子、ですよね?」その視線が目の前の男へ向けられる。
三人に注目されアリアは数歩後退り、倒れているロギアへと顔を向ける。
“ど、どうしたらいいの……ロ、ロギ――”
突然の乱入者にアリアが茫然自失としていると橘隊長と呼ばれた男が頭を掻きながら溜息をついた。
「……お前等。何故出て来た? ってか台無しじゃねーか……はぁ」
橘隊長と言われた男は呆れ切った様子で言い放つとアリアの方に気まずい顔を向けた。
「だって、おせーんッスよ、隊長は。ちゃっちゃっと対象物を回収して、とっとと帰りたいんッスよ、俺」
「馬鹿っ!」ユズルと呼ばれた人物を一緒に出て来た女が一喝し、後ろから引っ叩く。
「痛ってえぇ!? な、何すんッスか! 水琶(みずは)先輩」
「言葉遣い! それと……ユズル! 貴方のせいで隊長の考えも台無しだし、すっかり彼女に警戒されちゃってるじゃない」
「いや、いやいやいやいや、俺関係無いッスけど? まともで当然の事を正直に言っただけッスよ。どっちかと言うと先輩が出て来た時にアイツ後退りしたッスよ?」
二人は今の状況をそっちのけで言い争いを始め、橘隊長と呼ばれた男は息を吐きながら空を仰いだ。「おいおい、お前等ぁ……ややこしくすんなって……」
“騙された――――――――ッ!!”
その現実を受け止める事しか出来ずアリアの頭から血の気が引いていく。
『そいつらには手出し無用だと伝えてあるし、この場からは離れて貰ってる。だからこれは正真正銘、一対一の交渉事だ』男の言葉が脳内で再生される。
“一対一での交渉事、この場から離れて――男が言っていた事が嘘だった……もしかすると仲間が来る迄の時間稼ぎだったのかもしれない……私――――――”
他人に対して警戒している筈だったのにこんな単純な事に騙されてしまうなんて、アリアは自身の軽率さ、その余りの愚鈍さに嫌気がさす。
「さっき迄の話は……?」
アリアと橘隊長と呼ばれた男は言い争いをする二人をそっちのけで睨み合うかの様に視線が交差する。
「まぁ…そっちの希望は出来るだけ応えるつもりではいる」男はバツが悪い顔をし、うなじの辺りをゴシゴシ擦りながらアリアに微笑みかけた。
「……まぁな、こうなっちまうのは避けたかったが、なっちまった以上は仕方がない、か……こんな事言って虫のいい話何だが、その……何だ、出来ればさっきの話。大人しく受けてくれるとこちらとしても嬉しいんだが?」
男のその要求にアリアは怒りを込めて男を睨み付け、その後ろには言い争いが終わったのか他の二人がこちらに目を向けていた。
「……卑怯」全身の毛が逆立つ様な怒りとも悲しみ、後悔とも取れる、そんな感情がアリアの中で一気に膨れ上がる。
「ああ、そうだな。こっちは何も言い返せない」男はそう言いアリア達から視線を外し手元の時計を確認する。
アリアは表情を曇らせ俯いた。今の自分ではどうしようも無い程無力だった。
例え一人だったとしても男達から逃げる事さえ出来ない。そしてこの状況ではどの選択肢を選ぼうともどのみち捕まってしまう。
“考えてる時間なんて無い”どうせ捕まるのならば今ここでこれだけは言っておくべきだ。
アリアは顔を上げ必死に悔しさが表情に出ない様に強気で男の目を見る。
「ロギに――ロギに何かしたら……許さない――――」
アリアにはそれ以外の選択肢は見当たらなかった。
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