三ヶ月だけの恋人

perari

文字の大きさ
48 / 50

048

しおりを挟む
松田の身体は汗でびっしょりで、口をわずかに開き、瞳は少しぼんやりとしたまま、小さな声で呟く。「ごめん…」
仁野は唇を重ね、顔を松田の首筋に埋めた。松田は彼の肩を抱き、手のひらを仁野の後頭部に押し付ける。短い髪が少しチクチクして痛い。
松田の声はかすかで、仁野の動きで言葉が途切れ途切れになった。「この…この時だけ…信じられる…」
仁野は腰から太ももまで手を滑らせ、ぼんやりと問いかける。「何を信じるんだ?」
松田は軽く後ろに傾き、目を閉じて息を整えてから、しっかりと仁野を抱き締めて言った。「あなたが…僕を好きだって…信じられる。」
仁野は体を支え、動かずにそのまま松田を見つめる。松田の内側は熱く、仁野の陰茎よりもさらに熱を帯び、柔らかい通り道が性器を包み込む。痛みを感じながらも、同時に優しさで応えてくれる。仁野は松田をじっと見つめ、静かに囁いた。「自分にもっと自信を持て。」
松田は「うん」と答え、ただ言う。「僕は十分満たされてる。今この瞬間だけでも、それだけで価値がある。」
仁野が奥に射精すると、松田も再び解放される。仁野は少しの間キスをして、柔らかくなった性器を引き抜き、コンドームを床に投げ捨てた。
その後の入浴中にももう一度交わった。最初は松田が浴槽の中で仁野に口で奉仕していたが、あまり上手くできず、仁野は思わず笑ってしまった。松田は悔しそうに顔を赤くし、仁野はそっとその顔に手を当てた。そして突然囁く。「今日の午後、和食屋で君が僕の指を舐めたとき、何を考えていたか知ってるか?」
松田はその時のことを思い出し、顔をどんどん赤らめる。
仁野は勃起した性器で彼の顔を軽く擦り、亀頭で唇を弄る。「あの時思ったんだ、松田の舌、こんなに柔らかくて、ぴったりだな…」彼は言葉を止め、松田の耳元に息を吹きかけ、二文字だけ囁いた。
松田は恥ずかしさで仁野に飛び込み、抱き締められながらもう一度身体を重ねた。
夜、松田が先に眠りにつくと、仁野はスマホを手に取った。北川から数十件ものメッセージと、いくつかの未接着信が届いている。仁野はスマホを持ってベランダに出て、北川に電話をかけると、相手はすぐに出て、怒り混じりの声で問いかけた。「お前、何やってんだ?」
仁野は熟睡している松田に目をやり、そっとベランダの扉を閉めた。北川は沈黙に気づき、さらに問いかける。「仁野、ちゃんと聞いてるのか?」
仁野はやっと口を開く。「うるさいな。」
北川はその態度に苛立ち、「お前が送ったメッセージ、どういう意味だ?松田と一緒にいるのか?お前、男好きになったのか?」
仁野は欄干に凭れ、外を見ながら冷静に答える。「分からなかったか?もう聞くことあるか?」
北川は怒り交じりに罵った。「なんでこんなに返事遅かったんだ?」
仁野は軽く「ん」と言い、平然と答える。「セックスしてた。」
北川は一瞬絶句し、信じられない様子で尋ねる。「誰と?松田と?」
仁野は答えず、少し苛立ったように言った。「まだ用か?まだくだらないことばかり言うなら切るぞ。」
北川は怒り笑いしながら、「お前、頭おかしいんじゃないか?もう知らん」と言って、電話を切った。
仁野はスマホをしまい、外の風を少し浴びて落ち着く。しばらくしてから部屋に戻り、松田のそばに横たわり、彼を抱きしめて目を閉じた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小石の恋

キザキ ケイ
BL
やや無口で平凡な男子高校生の律紀は、ひょんなことから学校一の有名人、天道 至先輩と知り合う。 助けてもらったお礼を言って、それで終わりのはずだったのに。 なぜか先輩は律紀にしつこく絡んできて、連れ回されて、平凡な日常がどんどん侵食されていく。 果たして律紀は逃げ切ることができるのか。

【完結】好きじゃないけど、付き合ってみる?

海野雫
BL
大学3年の直人(なおと)は、恋愛経験ゼロ。人付き合いは苦手ではないが、誰かを「好きになる」感情がよくわからない。付き合ってる友人たちを見ても、自分には縁のない話だと思っていた。 ある日、部活の後輩である健(けん)が「一緒にルームシェアしませんか?」と持ちかけてくる。引っ越しを考えていた直人は、悪くない条件にOKを出し、ふたりの同居生活が始まる。 快適すぎる日々。健は料理も掃除もできて、適度に距離を保ってくれる最高のルームメイト。
しかしある夜、健がポツリと呟く。 「……元カレ、まだ忘れられないんです」
「ねえ先輩。付き合ってみませんか?――“好きじゃなくてもいいから”」 からかわれていると思いながらも、冗談めかして了承してしまう直人。
それが、まさかの擬似恋人生活の始まりだった。 恋人ごっこなのに手をつないだり、映画を観に行ったり、肩を貸したり。
最初はただの遊びだったのに、直人はだんだん健が笑うと嬉しくて、泣くと苦しいと感じるようになっていく。 一方、健は「直人に本気になってはいけない」と自分に言い聞かせていたが、直人の優しさや真面目さに、次第に惹かれ始める。 擬似恋人から始まった関係は、本物の「好き」に変わるのか? 本気になったとき、ふたりはどう答えを出すのか――。

諦めた初恋と新しい恋の辿り着く先~両片思いは交差する~【全年齢版】

カヅキハルカ
BL
片岡智明は高校生の頃、幼馴染みであり同性の町田和志を、好きになってしまった。 逃げるように地元を離れ、大学に進学して二年。 幼馴染みを忘れようと様々な出会いを求めた結果、ここ最近は女性からのストーカー行為に悩まされていた。 友人の話をきっかけに、智明はストーカー対策として「レンタル彼氏」に恋人役を依頼することにする。 まだ幼馴染みへの恋心を忘れられずにいる智明の前に、和志にそっくりな顔をしたシマと名乗る「レンタル彼氏」が現れた。 恋人役を依頼した智明にシマは快諾し、プロの彼氏として完璧に甘やかしてくれる。 ストーカーに見せつけるという名目の元で親密度が増し、戸惑いながらも次第にシマに惹かれていく智明。 だがシマとは契約で繋がっているだけであり、新たな恋に踏み出すことは出来ないと自身を律していた、ある日のこと。 煽られたストーカーが、とうとう動き出して――――。 レンタル彼氏×幼馴染を忘れられない大学生 両片思いBL 《pixiv開催》KADOKAWA×pixivノベル大賞2024【タテスクコミック賞】受賞作 ※商業化予定なし(出版権は作者に帰属) この作品は『KADOKAWA×pixiv ノベル大賞2024』の「BL部門」お題イラストから着想し、創作したものです。 https://www.pixiv.net/novel/contest/kadokawapixivnovel24

義兄が溺愛してきます

ゆう
BL
桜木恋(16)は交通事故に遭う。 その翌日からだ。 義兄である桜木翔(17)が過保護になったのは。 翔は恋に好意を寄せているのだった。 本人はその事を知るよしもない。 その様子を見ていた友人の凛から告白され、戸惑う恋。 成り行きで惚れさせる宣言をした凛と一週間付き合う(仮)になった。 翔は色々と思う所があり、距離を置こうと彼女(偽)をつくる。 すれ違う思いは交わるのか─────。

オレにだけ「ステイタス画面」っていうのが見える。

黒茶
BL
人気者だけど実は人間嫌いの嘘つき先輩×素直すぎる後輩の (本人たちは気づいていないが実は乙女ゲームの世界である) 異世界ファンタジーラブコメ。 魔法騎士学院の2年生のクラウスの長所であり短所であるところは、 「なんでも思ったことを口に出してしまうところ。」 そして彼の秘密は、この学院内の特定の人物の個人情報が『ステータス画面』というもので見えてしまうこと。 魔法が存在するこの世界でもそんな魔法は聞いたことがないのでなんとなく秘密にしていた。 ある日、ステータス画面がみえている人物の一人、5年生のヴァルダー先輩をみかける。 彼はいつも人に囲まれていて人気者だが、 そのステータス画面には、『人間嫌い』『息を吐くようにウソをつく』 と書かれていたので、うっかり 「この先輩、人間嫌いとは思えないな」 と口に出してしまったら、それを先輩に気付かれてしまい・・・!? この作品はこの1作品だけでも読むことができますが、 同じくアルファポリスさんで公開させていただいております、 「乙女ゲームの難関攻略対象をたぶらかしてみた結果。」 「俺が王太子殿下の専属護衛騎士になるまでの話。」 とあわせて「乙女ゲー3部作」となっております。(だせぇ名前だ・・・笑) キャラクターや舞台がクロスオーバーなどしておりますので、 そちらの作品と合わせて読んでいただけたら10倍くらい美味しい設定となっております。 全年齢対象です。 BLに慣れてない方でも読みやすいかと・・・ ぜひよろしくお願いします!

未完成な僕たちの鼓動の色

水飴さらさ
BL
由人は、気が弱い恥ずかしがり屋の162cmの高校3年生。 今日も大人しく控えめに生きていく。 同じクラスになった学校でも人気者の久場くんはそんな由人に毎日「おはよう」と、挨拶をしてくれる。 嬉しいのに恥ずかしくて、挨拶も返せない由人に久場くんはいつも優しい。 由人にとって久場くんは遠く憧れの存在。 体育の時間、足を痛めた由人がほっとけない久場くん。 保健室で2人きりになり…… だいぶんじれじれが続きます。 キスや、体に触れる描写が含まれる甘いエピソードには※をつけてます。 素敵な作品が数多くある中、由人と久場くんのお話を読んで頂いてありがとうございます。 少しでも皆さんを癒すことができれば幸いです。 2025.0808

曖昧な関係

木嶋うめ香
BL
笹川蛍(ささがわけい)はリモートワーク勤務の会社員。 高校からの友達である中村拓(なかむらたく)と一緒に暮らしている。 会社支給のパソコンの交換のため久し振りに会社に出ていた蛍は、コンビニで明日の朝食用の食材と一緒に買ったコーヒーとドーナツを車の中で食べながら、拓と暮らす部屋ではドーナツなんて食べたことなかったなと気がついた。 Xのルクイユ・アートフェスティバル(@RecueilArtFest)様の素敵企画『ルクイユのおいしいごはんBL』に参加中です。

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

処理中です...