エルーシアの物語

ねむ太朗

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番外編

家出娘と出会うまで ディリック視点

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  俺は伯爵家の次男に生まれた。
  兄は優秀な人で何事もそつなくこなす人だった。
  周りの人は、俺と兄を比べる事はしなかったが、俺の中には兄に対する劣等感が多少なりもあった事は、否定が出来ない。

  そんな日々の中で俺はレオン様に出会った。
  レオン様は俺に剣を振るう事の楽しさを教えてくれた人だ。
  剣を振るっている時は、色々な事を忘れる事が出来た。

  レオン様は十八歳になり、騎士になった。俺も四年後に騎士になるから、待っていて欲しい事を伝えた。

  月日が流れ……戦争が始まった。
  戦争が始まって数ヶ月後にレオン様の訃報が俺の耳に入った。
  最初は信じられなかった。理解出来なかった。

  しばらくしてから、レオン様が帰ってきた。
  俺はこの時はじめて、レオン様にもう会えない事を頭の中で理解した。

  葬儀はこじんまりと執り行われた。
  葬儀で久しぶりにレオン様の婚約者の方に会った。
  会ったと言うより、見掛けたと言った方が正しいのかもしれない。
  彼女の悲しみに暮れた顔を見ると胸が痛くなった。
  彼女の悲しみは計り知れない……

  きっと戦争が起こらなければ……二人は近いうちに結婚をしていたのだろう。
  俺はその日を境に、いつも以上に稽古に励むようになった。

  しかし……終戦を迎えた。
  あまりにも呆気ない終わり方。
  両国共に財政難。だったら、はじめから戦争などしないで欲しい。仕掛けて来たのは、隣国。それに応じた我が国にも問題があるのかもしれないが。

  今の俺があの国の人間を殺せば、ただの人殺し……
  俺は剣を握らなくなった。

  それから、ただなんとなく時間が流れていった。
  俺の耳にライングドール王国との同盟の話が入ってきた。

  ライングドール王国と言えば……豊かで謎めいた国。

  俺が不思議探しを始めるまでに、それほど時間は掛からなかった。
  父に話したが、家を出る為のこじつけと思っていたのだろう。
  国から許可はもらえたが、父は全く俺に期待をしていないようだった。

  俺はベルノーのみを連れて家を飛び出した。そして、使う事がないだろうと思いながらも、帯剣をした。
  それから母は、元気に送り出してくれた。
  ライングドール王国の秘密を明らかにして見せる。と大層な事を言って出てきたが、いざライングドール王国に来てみると何をしたら良いのか分からなかった。

  とりあえず、町の中を散策した。とても治安が良い事が分かった。

  俺がこの国に来て二日目。
  夜に町の中を歩いていると、公園のベンチに少女が寝ていた。

  事件に巻き込まれているかもしれないし、これから巻き込まれるかもしれない。
  俺は仕方なく宿屋に連れて帰った。

  次の日の朝、俺は少女よりも先に目を覚ます。
  彼女は中々きれいな顔立ちをしていた。
  俺が少女を観察していると、目を覚ましたようだ。

  彼女口から語られた事は少々驚いたが、使えると思った。
  この国の知識が今の俺には必要だった。
  俺は家出娘を保護する事にしのだった。
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