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「お、おい。俺も登ったぞ」
やっとゲジェが私達が居る所に到着したようだ。
「お疲れ、ゲジェ」
「俺は疲れていない」
ベアルは苦笑いをしていた。
私はリナリアが先程していた話を思いだしたので、二人に話した。
「なんだそれ、作り話か?」
「本当の話みたいよ」
「へぇー」
ゲジェは信じていない様子で、ベアルは興味が無さそうだった。
それから夕食の時間になったので木から降りた。
次の日は掃除当番だった。
廊下を水ぶきしていく。
「ローズマリー、そっちは終わった?」
「うーん。もうちょっと」
「仕方ないわね……」
「えっ! 手伝ってくれるのね。ありがとう」
まだ手伝うとは言っていないのですが。
ローズマリーと掃除を終わらせ、私達はリナリアを探した。
「あっ! ゲジェ……リナリアを知らない?」
「さっき院長先生に呼ばれていたよ」
「そう。ありがとう」
「ああ」
ゲジェは離れて行った。
「へぇー。ふふーん」
ローズマリーがニヤニヤして私を見てきた。
「ローズマリー……顔が気持ち悪いわよ」
「ちょっ! それどういう意味よ」
「あっ! ベアルだ」
「えっ! うそ。どこ?」
ローズマリーさん……単純過ぎませんか?
そこが可愛いのだけどね。
「気のせいだったみたい」
「もう、ちょっとしっかりしてよ」
ローズマリーよ……あなたには、言われたくないわ。
リナリアには昼食の時に会えた。
昼食の後の片付けはベアルとだった。
「フィーナはさ、この間だの話を信じているの?」
「この間だの話って?」
「隣町の話さ」
そう言えば、ベアルは興味が無さそうだったものね。
「信じているけれど」
「ふーん。そうなんだ」
「そういうベアルはどうなの?」
「僕は信じているよ」
意外な回答だった。
「興味が無さそうだから、信じていないかと思ったわ」
「ふふ。ふはははは。僕は信じているよ。誰よりもね」
急に笑い出したベアル。
私にはベアルがどうして笑っているのかが、分からなかった。
「ベアル……何がそんなに楽しいの?」
「僕があの話を信じていないと思っていたフィーナが、可愛い人だと思ったからだよ」
「えっと……とにかく、ベアルはあの話を信じているのね」
「そうだよ。フィーナも信じているんでしょ?」
「ええ、信じているわ」
ベアルは優しく微笑んだ。
ベアルは格好良いというより、美しいと表現をした方が良いかもしれない。
食器洗いを終わらせた私達は廊下を歩いた。
みんな外に居るようで、廊下は人影が無かった。
「じゃあ、僕は部屋に一旦戻るから」
そう言うとベアルは離れて行った。
私はローズマリーとリナリアを探しに行った。
この時間は外かしら?
外に出るとゲジェに会った。
「あっ! ローズマリー達を見なかった?」
「向こうに居たよ」
「ありがとう」
「待って!」
私はゲジェに引き止められたので、その場にとどまった。
「何?」
「その……」
ゲジェは話すのを止めて、キョロキョロしていた。
私も周りを見てみた。
遠くで小さい子ども達が、遊んでいるのが見えた。
「あのさ、フィーナの事が好きなんだ」
「えっと……ごめん。ゲジェの事は友だちだと思っているわ」
「分かった。友だちはやめないで欲しい」
不安そうに言ったゲジェに、私は微笑んだ。
「もちろんよ。私達は友だちよ」
ゲジェは安心をした顔をしていた。
私はゲジェから離れて、ローズマリー達を探しに行った。
やっとゲジェが私達が居る所に到着したようだ。
「お疲れ、ゲジェ」
「俺は疲れていない」
ベアルは苦笑いをしていた。
私はリナリアが先程していた話を思いだしたので、二人に話した。
「なんだそれ、作り話か?」
「本当の話みたいよ」
「へぇー」
ゲジェは信じていない様子で、ベアルは興味が無さそうだった。
それから夕食の時間になったので木から降りた。
次の日は掃除当番だった。
廊下を水ぶきしていく。
「ローズマリー、そっちは終わった?」
「うーん。もうちょっと」
「仕方ないわね……」
「えっ! 手伝ってくれるのね。ありがとう」
まだ手伝うとは言っていないのですが。
ローズマリーと掃除を終わらせ、私達はリナリアを探した。
「あっ! ゲジェ……リナリアを知らない?」
「さっき院長先生に呼ばれていたよ」
「そう。ありがとう」
「ああ」
ゲジェは離れて行った。
「へぇー。ふふーん」
ローズマリーがニヤニヤして私を見てきた。
「ローズマリー……顔が気持ち悪いわよ」
「ちょっ! それどういう意味よ」
「あっ! ベアルだ」
「えっ! うそ。どこ?」
ローズマリーさん……単純過ぎませんか?
そこが可愛いのだけどね。
「気のせいだったみたい」
「もう、ちょっとしっかりしてよ」
ローズマリーよ……あなたには、言われたくないわ。
リナリアには昼食の時に会えた。
昼食の後の片付けはベアルとだった。
「フィーナはさ、この間だの話を信じているの?」
「この間だの話って?」
「隣町の話さ」
そう言えば、ベアルは興味が無さそうだったものね。
「信じているけれど」
「ふーん。そうなんだ」
「そういうベアルはどうなの?」
「僕は信じているよ」
意外な回答だった。
「興味が無さそうだから、信じていないかと思ったわ」
「ふふ。ふはははは。僕は信じているよ。誰よりもね」
急に笑い出したベアル。
私にはベアルがどうして笑っているのかが、分からなかった。
「ベアル……何がそんなに楽しいの?」
「僕があの話を信じていないと思っていたフィーナが、可愛い人だと思ったからだよ」
「えっと……とにかく、ベアルはあの話を信じているのね」
「そうだよ。フィーナも信じているんでしょ?」
「ええ、信じているわ」
ベアルは優しく微笑んだ。
ベアルは格好良いというより、美しいと表現をした方が良いかもしれない。
食器洗いを終わらせた私達は廊下を歩いた。
みんな外に居るようで、廊下は人影が無かった。
「じゃあ、僕は部屋に一旦戻るから」
そう言うとベアルは離れて行った。
私はローズマリーとリナリアを探しに行った。
この時間は外かしら?
外に出るとゲジェに会った。
「あっ! ローズマリー達を見なかった?」
「向こうに居たよ」
「ありがとう」
「待って!」
私はゲジェに引き止められたので、その場にとどまった。
「何?」
「その……」
ゲジェは話すのを止めて、キョロキョロしていた。
私も周りを見てみた。
遠くで小さい子ども達が、遊んでいるのが見えた。
「あのさ、フィーナの事が好きなんだ」
「えっと……ごめん。ゲジェの事は友だちだと思っているわ」
「分かった。友だちはやめないで欲しい」
不安そうに言ったゲジェに、私は微笑んだ。
「もちろんよ。私達は友だちよ」
ゲジェは安心をした顔をしていた。
私はゲジェから離れて、ローズマリー達を探しに行った。
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