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私の視線に気づいたのか、デュラン様が話し掛けてきた。
「あれは……兄ですね」
「まあ、アリスと踊っているのは、デュラン様のお兄様ですのね」
「はい」
曲が丁度終わった。
アリスとデュラン様のお兄様が何か話をしている。
デュラン様のお兄様はアリスの腰に手を回し、歩き始めた。
あっちは……庭園の方ね。
アリス……大丈夫かしら。
「アネモネ嬢、アリス嬢の所に行きますか?」
「ええ、よろしいのですか」
「はい。一緒に行きましょう」
私達はアリス達がいる方に歩いて行く。
「兄上! 今日は兄上も来ていたのですね」
「ああ、デュラン」
アリスは私の顔を見て、ほっとした顔をしていた。
「そちらの女性は?」
「レイラール家のアネモネ嬢です」
「ああ。セシル様の妹さんか」
「アネモネ・レイラールと申します」
「アンドリュー・メリベーンだ」
アリスとデュラン様も挨拶をしていた。
「アリス。セシルお兄様の所に行きたいのだけれど、一緒に来てくれる?」
「ええ、もちろ」
アリスが言い掛けた時に、アンドリュー様が遮った。
「申し訳ありません。アリス嬢は私と約束をしています」
「えっと……そうだったのですね」
まずい。アリスが連れて行かれる。
どうしよう。どうしよう。
デュラン様が話に入って来た。
「そう言えば、確かセシル様がアネモネ嬢とアリス嬢を探していましたよ。アネモネ嬢は今日は早めに帰るのでしたよね。急がれた方がいい」
「ええ、デュラン様そうなんです」
「まあ、だったら私もセシル様に挨拶に行きたいわ」
「では、私がアネモネ嬢とアリス嬢をセシル様の所までお連れしましょう。そう言えば先程、ルルードドル子爵令嬢が、兄上の事を探しておられましたよ」
「何、彼女が来ているのか」
急に顔色が悪くなった要注意人物アンドリュー様は、去って行った。
「デュラン様、セシルお兄様の所まで連れ行ってくれると言う事でありがとうございます」
「いえいえ。では行きましょう」
その日はアリスも私も早めに会場を後にした。
帰宅後、ロンは起きていた。
「ただいまロン」
「おかえり、夜会はどうだった?」
「うーん、なんか疲れたわ。アリスがね、アンドリュー様に連れて行かれそうで大変だったのよ」
「……アンドリュー様?」
「アンドリュー・メリベーン様よ」
「何……やつと知り合ったのか」
「アリスを助ける為にね。アリスが無事で良かったわ」
「アネモネ……アンドリュー様には気を付けろよ」
「分かっているわよー。要注意人物だもね」
ロンは首を傾げた。
「要注意人物……?」
「あっ、えっと、何でもないわ」
危ない危ない。女の子だけの秘密だったわね。
「アネモネ、寝るぞ」
なんか最近のロンは偉そうね。まあ、王子様だから偉いのかもしれないけど。それに、いつから私の事をアネモネと呼ぶようになったのかしら。
「はい、はーい」
私が寝具に入るとロンも何故か、入って来た。
「ロンの寝床はあっちよ」
「今日はアネモネと寝る」
「えー! ロンの事を潰しちゃうかも」
「一生根にもってやる」
「こわーい!」
「寝るぞ」
「はーい」
うっかり潰したら本当に根にもちそうよね。
それに取り憑かれそう……。
そんな事を考えていたら、すぐに眠りについた。
「あれは……兄ですね」
「まあ、アリスと踊っているのは、デュラン様のお兄様ですのね」
「はい」
曲が丁度終わった。
アリスとデュラン様のお兄様が何か話をしている。
デュラン様のお兄様はアリスの腰に手を回し、歩き始めた。
あっちは……庭園の方ね。
アリス……大丈夫かしら。
「アネモネ嬢、アリス嬢の所に行きますか?」
「ええ、よろしいのですか」
「はい。一緒に行きましょう」
私達はアリス達がいる方に歩いて行く。
「兄上! 今日は兄上も来ていたのですね」
「ああ、デュラン」
アリスは私の顔を見て、ほっとした顔をしていた。
「そちらの女性は?」
「レイラール家のアネモネ嬢です」
「ああ。セシル様の妹さんか」
「アネモネ・レイラールと申します」
「アンドリュー・メリベーンだ」
アリスとデュラン様も挨拶をしていた。
「アリス。セシルお兄様の所に行きたいのだけれど、一緒に来てくれる?」
「ええ、もちろ」
アリスが言い掛けた時に、アンドリュー様が遮った。
「申し訳ありません。アリス嬢は私と約束をしています」
「えっと……そうだったのですね」
まずい。アリスが連れて行かれる。
どうしよう。どうしよう。
デュラン様が話に入って来た。
「そう言えば、確かセシル様がアネモネ嬢とアリス嬢を探していましたよ。アネモネ嬢は今日は早めに帰るのでしたよね。急がれた方がいい」
「ええ、デュラン様そうなんです」
「まあ、だったら私もセシル様に挨拶に行きたいわ」
「では、私がアネモネ嬢とアリス嬢をセシル様の所までお連れしましょう。そう言えば先程、ルルードドル子爵令嬢が、兄上の事を探しておられましたよ」
「何、彼女が来ているのか」
急に顔色が悪くなった要注意人物アンドリュー様は、去って行った。
「デュラン様、セシルお兄様の所まで連れ行ってくれると言う事でありがとうございます」
「いえいえ。では行きましょう」
その日はアリスも私も早めに会場を後にした。
帰宅後、ロンは起きていた。
「ただいまロン」
「おかえり、夜会はどうだった?」
「うーん、なんか疲れたわ。アリスがね、アンドリュー様に連れて行かれそうで大変だったのよ」
「……アンドリュー様?」
「アンドリュー・メリベーン様よ」
「何……やつと知り合ったのか」
「アリスを助ける為にね。アリスが無事で良かったわ」
「アネモネ……アンドリュー様には気を付けろよ」
「分かっているわよー。要注意人物だもね」
ロンは首を傾げた。
「要注意人物……?」
「あっ、えっと、何でもないわ」
危ない危ない。女の子だけの秘密だったわね。
「アネモネ、寝るぞ」
なんか最近のロンは偉そうね。まあ、王子様だから偉いのかもしれないけど。それに、いつから私の事をアネモネと呼ぶようになったのかしら。
「はい、はーい」
私が寝具に入るとロンも何故か、入って来た。
「ロンの寝床はあっちよ」
「今日はアネモネと寝る」
「えー! ロンの事を潰しちゃうかも」
「一生根にもってやる」
「こわーい!」
「寝るぞ」
「はーい」
うっかり潰したら本当に根にもちそうよね。
それに取り憑かれそう……。
そんな事を考えていたら、すぐに眠りについた。
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