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六、猪隈殿
(六)
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さて、その七年後の久寿三年(一一五六)一月七日、後白河天皇が方違えを行うことになり、山槐記の記述に従えば、行幸先に選ばれたのは、法住寺入道中納言の東堂であった。東山堂を建立したとき太宰大弐だった清隆は、久寿二年(一一五五)に権中納言で出家しているので、この法住寺入道中納言の東堂は、大弐清隆の建てた東山堂のことであろう。ちなみに兵範記では、中納言入道の法住寺堂と書かれているが、同じ寺のことを指しているものと思われる。
さて、方違えの行幸先が法住寺東堂に決まった理由であるが、関白忠通が、陰陽頭憲栄を召して、方違えの行幸先を選定している間、鳥羽院が、自身の御祈願の寺であるからと、法住寺東堂を行幸先に推したのが、大きな理由であったようである。
この方違え行幸に関しては、当時、内裏であった高松殿から、東山堂までの行幸の経路が、山槐記に記述されている。その経路とは、このようなものだ。
高松殿の右衛門の陣路から西洞院大路を南に行き、三条大路を東に行き、東洞院大路を南に行き、八条大路を東に行き河原に出て、河原を斜めに北に折れて艮(北東)へ向かい、八条坊門末の堂の西門へ入る。門より御所に至る間に池があり、池の上に十餘丈の浮橋を構えて、御輿の道となして、堂の東廊(三間廊)に御輿を寄せる。
右衛門の陣とは、右衛門府管轄の諸門を警護する官人たちの詰め所のことで、内裏の外郭の西側中央にある宜秋門の脇にあった。ただ、この当時には、内裏は焼失して、高松殿を里内裏としていたが、この高松殿でも、その西側中央の門の辺りに、右衛門の陣を設置してあったのであろう。高松殿は、西は西洞院大路に面していたので、その西門から出て、西洞院大路を南下したと言うことである。そして、南に東にとじぐざぐに進みながら、八条大路に入ると東に進んで、鴨川の河原を北東に進み、八条坊門小路の辺りで鴨川を渡る。渡った先を更に東に進んで、法住寺東堂の西門から入ったと言う経路である。
この経路では、なぜか、途中、じぐざぐに進んでいるが、本来は、西洞院大路を南下して、三条大路で東に進み、東京極大路につき当たったところで南下して河原に出て鴨川を渡り、八条坊門末から東堂に入るという経路であった。では、なぜ、この経路の途中がじぐざぐに曲がるように変更されたかと言えば、この前々日の五日に枇杷殿前齋院(禛子内親王)が七条末の御堂で薨去されたため、触穢を避けるために、御堂の御門が視界に入らないような経路に急遽変更されたと言うことである。
さて、方違えの行幸先が法住寺東堂に決まった理由であるが、関白忠通が、陰陽頭憲栄を召して、方違えの行幸先を選定している間、鳥羽院が、自身の御祈願の寺であるからと、法住寺東堂を行幸先に推したのが、大きな理由であったようである。
この方違え行幸に関しては、当時、内裏であった高松殿から、東山堂までの行幸の経路が、山槐記に記述されている。その経路とは、このようなものだ。
高松殿の右衛門の陣路から西洞院大路を南に行き、三条大路を東に行き、東洞院大路を南に行き、八条大路を東に行き河原に出て、河原を斜めに北に折れて艮(北東)へ向かい、八条坊門末の堂の西門へ入る。門より御所に至る間に池があり、池の上に十餘丈の浮橋を構えて、御輿の道となして、堂の東廊(三間廊)に御輿を寄せる。
右衛門の陣とは、右衛門府管轄の諸門を警護する官人たちの詰め所のことで、内裏の外郭の西側中央にある宜秋門の脇にあった。ただ、この当時には、内裏は焼失して、高松殿を里内裏としていたが、この高松殿でも、その西側中央の門の辺りに、右衛門の陣を設置してあったのであろう。高松殿は、西は西洞院大路に面していたので、その西門から出て、西洞院大路を南下したと言うことである。そして、南に東にとじぐざぐに進みながら、八条大路に入ると東に進んで、鴨川の河原を北東に進み、八条坊門小路の辺りで鴨川を渡る。渡った先を更に東に進んで、法住寺東堂の西門から入ったと言う経路である。
この経路では、なぜか、途中、じぐざぐに進んでいるが、本来は、西洞院大路を南下して、三条大路で東に進み、東京極大路につき当たったところで南下して河原に出て鴨川を渡り、八条坊門末から東堂に入るという経路であった。では、なぜ、この経路の途中がじぐざぐに曲がるように変更されたかと言えば、この前々日の五日に枇杷殿前齋院(禛子内親王)が七条末の御堂で薨去されたため、触穢を避けるために、御堂の御門が視界に入らないような経路に急遽変更されたと言うことである。
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