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七、三条烏丸の御所
(三十四)
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妻戸からわらわらと女房達が出てきた。皆、檜扇や蝙蝠扇で顔を隠している。妻戸から簀子に出てみたものの、騎馬武者の姿を見て、恐怖に駆られて右往左往していた。すると女房達の後から出てきた、先程の腹巻の男が、女房達に長刀をつきつけ、もう一人、妻戸から出てきた、腹巻に半首を被った裸足の男が、女房達から扇を取り上げ、髪を掴んで顔を晒して、いちいち女であることを確認して、「行け。」と言って、その場から追い払った。
庭先を狩衣に烏帽子の男が走り抜け、それを見咎めた騎馬武者が、弓をひき、矢を放った。矢は首に立って、男はその場に倒れた。しかし、即死したわけではなく、唸り声をあげて、横たわっていた。一騎の騎馬武者が馬を寄せて、弓の先で小突いて、倒れた男の顔を自分に向けさせて確認すると、「違うな。」と呟いて、馬を元に戻した。
芳野は、少し離れた繁みに隠れていたが、たまたま庭先に逃げて来た別の女房達に見つかって、驚かれた。それで不審に思った一騎の騎馬武者がやってきて、芳野を見つけた。
「お前は誰だ?」
芳野は一気に血の気が引き、体は凍り付いて、動けなかった。「殺される」と直感した。何も言葉が出てこなかった。
「おい、ちょっと来てくれ。」と別の騎馬武者を呼ぶと、
「この男はどうだ?」と言って、その騎馬武者に芳野の顔を確認させた。
「違う。信西ではない。左近中将成憲でもないな。」
「お前はどうだ?」と言って、もう一騎の騎馬武者に声をかけた。
「宰相俊憲や右中弁貞憲ではない。」
「ということは、無関係か。そうか。じゃあ、どうする?」
「放っておけ。」
庭先を狩衣に烏帽子の男が走り抜け、それを見咎めた騎馬武者が、弓をひき、矢を放った。矢は首に立って、男はその場に倒れた。しかし、即死したわけではなく、唸り声をあげて、横たわっていた。一騎の騎馬武者が馬を寄せて、弓の先で小突いて、倒れた男の顔を自分に向けさせて確認すると、「違うな。」と呟いて、馬を元に戻した。
芳野は、少し離れた繁みに隠れていたが、たまたま庭先に逃げて来た別の女房達に見つかって、驚かれた。それで不審に思った一騎の騎馬武者がやってきて、芳野を見つけた。
「お前は誰だ?」
芳野は一気に血の気が引き、体は凍り付いて、動けなかった。「殺される」と直感した。何も言葉が出てこなかった。
「おい、ちょっと来てくれ。」と別の騎馬武者を呼ぶと、
「この男はどうだ?」と言って、その騎馬武者に芳野の顔を確認させた。
「違う。信西ではない。左近中将成憲でもないな。」
「お前はどうだ?」と言って、もう一騎の騎馬武者に声をかけた。
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