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二、アイル橋のたもと
一年前、愛宕山でたあちゃんがなぎをつれてきてから今日までをざっと (1)
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一年前、たあちゃんは、俺が愛宕山に会いに行ったとき、なぎを連れてきて、俺に預けた。そのときの様子は、こうだ。
授与所で鯉の餌を買って、池の汀の岩の上にうずくまって鯉に餌をやっていると、足下に茶色の子猫がじゃれついてくる。見ると、他に三匹の子猫が背後で追いかけっこをしている。見上げると、たあちゃんが立っている。にこにこして、俺を見下ろしている。彼女の足には三人の子供がしがみついて、俺をじっと見つめている。男の子二人と女の子一人だ。
たあちゃんは、にこにこして、三人の子供を俺の方に押し出してくる。俺は、もしかしてと思うが、一ヶ月しか経ってないのにあり得ない話なので、きょとんとしていると、たあちゃんが隣にきて腰を落としてくる。そして、子供の手を引いて前に抱える。
「あなたの精を受けて産んだ神々よ。この二人の男の子は荒れる波の神、この女の子は、凪の神、あなたに、この凪の女神を賜るから、大事に育てなさい。名前は『凪津姫命』。多少、神の血は薄れているけど、まだ、只人ではないから、その点、忘れないようにね。」
そう言って、女の子だけを俺の前に押し出す。女の子は、ちらっとたあちゃんの方を見るけれど、何かを悟ったのか、すぐに俺に抱きついてきた。
当時、おそらく三歳くらい。それから急速に成長して、今では、自称十六歳である。
当初は学校どうしようかとか悩んだが、杞憂に終わった。なぎは、何も教えずとも、おのずから自然に知識を蓄えていって、今では、時折はっとさせられるくらい、悟ったような大人びたせりふを吐いたりする。
なぎは俺にとてもなついている。ただ、母親に似たのか、上からの物言いが多くて、自然と、こっちが下手に出るというパターンになってしまう。しかし、なぎは、半分、神様である。いや、たあちゃんの言い方だと、ほとんど神様らしい。ほんのちょっと薄まったという程度か。でも、普段のなぎの所作からは、とても女神だとは思えない。神様って何なんだろうと思ってしまう。
なぎは、その名の通り、穏やかで、怒るということがない。声を上げて笑うのも少ない。ただ、無愛想というわけではなく、とてもほんわかした暖かい空気感を作る。無表情に見えて、よく見ると表情があるように見える、不思議な笑みを持った子だ。
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たあちゃんは、にこにこして、三人の子供を俺の方に押し出してくる。俺は、もしかしてと思うが、一ヶ月しか経ってないのにあり得ない話なので、きょとんとしていると、たあちゃんが隣にきて腰を落としてくる。そして、子供の手を引いて前に抱える。
「あなたの精を受けて産んだ神々よ。この二人の男の子は荒れる波の神、この女の子は、凪の神、あなたに、この凪の女神を賜るから、大事に育てなさい。名前は『凪津姫命』。多少、神の血は薄れているけど、まだ、只人ではないから、その点、忘れないようにね。」
そう言って、女の子だけを俺の前に押し出す。女の子は、ちらっとたあちゃんの方を見るけれど、何かを悟ったのか、すぐに俺に抱きついてきた。
当時、おそらく三歳くらい。それから急速に成長して、今では、自称十六歳である。
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