天孫降臨

斐川 帙

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三、稲佐の浜

白玉姫との出雲での初めての夜 (1)

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 今夜は出雲市駅前のホテルで泊まる予定だったが、当然ながらシングルで予約を取っている。白玉比売をどうするか、思案のしどころだった。とりあえず、ホテルに電話して、ダブルに変更できないか、問い合わせてみたが、日曜日だったせいか、空いている部屋がないとのこと。ただ、シングルの部屋が一つ空いているので、別々だったら、可能だということなので、まあ、会ってから間もないこともあって、そっちの方が好都合だろうと思い、別々に泊まる事にした。一人分の宿泊費が払える分は、手元にあったので、その場で予約を入れたが、その後の電車賃とかもあったので、駅前で銀行を探し、まだ、開いていたATMで十万ほど降ろして、駅の緑の窓口でその後に自分が乗る列車の切符を、もう一人分、買い足した。帰りの東海道新幹線は、席が離れる事になったので、一旦、キャンセルして隣り合わせの席に変更した。岡山までの特急列車は、偶然、隣がまだ空いていて取る事ができた。
 一畑電鉄の二両の列車で出雲市駅に戻ると、ホテルに向かった。ホテルは駅からすぐそこだ。チェックインすると、部屋が四階と七階で離れていたので、部屋番号を教え合ってエレベータで別れた。夕食は既に取っている。後は寝るだけだ。
 部屋に着いて、気が付いたのだが、次の訪問地、岡山でのホテルのこともあった。早速、ノートPCを取り出してネットにつなぎ、予約状況を調べたが、さすがに岡山駅至近の場所にあるビジネスホテルなので満室だった。困った。明日の事なので、難しいかも知れない。ネットでいろいろと検索してみたが、三つほど見つかったが、どれも高級ホテルだ。一泊、一万~三万。結構、痛い出費だ。ラブホテルというのも思いついたが、岡山の事情も地理も疎いので、危険だった。
 しょうがないので、そのうちの一つに決めた。シングル二つは高いのでダブルの部屋にした。もう電話では遅いので、ネットで予約を入れた。その上で、予約を入れていたビジネスホテルにはキャンセルを入れた。こちらもサイトからである。
 そのとき、電話が鳴った。誰からも、こんなところまで、電話が来るなんて予想していなかったので、びっくりして、恐る恐る受話器を取ると、白玉比売からだった。寂しいから、今夜はそっちの部屋に泊まりたいと言ってきた。大丈夫かなと不安になった。シングルで取ったのに二人で泊まるなんて、ばれたら何か文句言われないかなと。でも、二部屋取ったんだしと開き直って、彼女を迎え入れる事にした。
 彼女は、たあちゃんが天上に連れ去ったなぎの代わりに賜った女性だ。俺の伴侶として下ろしたのだろう。そのことを彼女も認識しているという事なのだろうか。でも、どういう距離感で接したらいいのか困惑した。
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