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第1部
9.side ルシアン▼決行の引き金
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魔法は完成したが躊躇して2週間程経ってしまった頃。テオの顔が見たくなり、書類を届けに行くついでに会いに行った。
第3部隊の訓練所では今日もテオの漆黒の黒い髪が汗で頬に張り付かせ、普段穏やかの碧い色の瞳を鋭くさせていた。
美しいテオ。だが、その側には必ずトリスタン・フェルナンド伯爵令息がいる。
テオにタオルを渡すだけかと思いきや、頬に張り付いた髪まで触っている。腸が煮え返りそうになる。
「あ!ルシアン!」
俺の姿に気づいたテオがにっこりと可愛らしく笑い駆け寄ってくる。
あぁ、愛おしい。
「今日も訓練がんばっていたね。すごいな、テオは」
トリスタンに触れられた所を上書きする。
くすぐったそうに目を細めるテオに思わず無防備のその唇に口付けをしたくなる。
「好きだよ、テオ」
「ははっ、ありがとな。俺も好きだぜ」
「ルシアン様っていつもテオドールに好きだっていいますよね。婚約者がいるのに」
トリスタンがやってきた。しかもテオの肩に手を置いている。
「ルシアンは昔からこうなんだよ!別にいいだろ、親友として好きっていう意味だもんな!」
「……そうだね」
笑顔を崩さないように答える。トリスタンはふーん、と興味なさそうに返事を返す。
厄介な男だ。テオと馬が合うらしく、よく2人で呑みにも出かけるらしい。
魔獣討伐の際にどさくさ紛れに殺してやろうか、と何度思ったことか。
「そうだ!ルシアン様もテオドールに言ってやって下さいよ。こいつ結婚はまだいいって令嬢からの婚約申し込み断ってるんですよ」
「うるさいな!次男だからもう少し1人でいたいんだよ。それにみんなルシアン目当てだったりするし」
多くの令嬢はテオに繋がれば俺と会えると思っている。学生時代は常に横にいて、恋愛に発展しそうな時は俺が邪魔をしていたからだ。
「じゃぁ、今度夜会に行こうぜ」
えー、と照れくさそうに笑うテオ。
俺が知らないところで誰かに恋するなんて許さないよ。
「行こうかなー」
こんなに好きだと伝えているのに。どうして伝わらないのだろう。
早くしなければ誰かに奪われてしまう。
その日の夜、俺は無防備に眠るテオに約9年かけて完成した魔法をかけた。
俺だけを見て貰えるように。
翌朝、慌てた様子のテオがトリスタンではなく自分を頼ってくれたことが何より嬉しかった。
そして嬉しくてつい確認ためもあるが味見をしてしまった。もう少し味見をしたかったのに邪魔をされ、俺は不機嫌になっていた。
やや豪華めな室内になっている応接室は、イザベラの赤い髪がよく映えた。
「魔法成功したのですね。先程、テオドール様の中に貴方の膨大な魔力を感じました。おめでとうございます」
「まだ途中だけどね」
そう、色々と途中だった。はぁ、とため息をついてしまう。
「それと、婚約の解消の方も無事に終わりましたわ」
「そうか、だいぶ待たせてしまったね。いつお披露目するんだい?」
「そのことなのですが、ルシアン様の研究次第というような形になりそうです」
イザベラは王宮からの封筒を開けるように促す。中に入っていたのはイザークからの手紙だった。
テオドール・サリバン自身がお前を愛したいと思った時、願いを聞き入れよう
そう書かれていた。願いというのは結婚のことだろう。
「イザーク様が法を新しく作るをにあたって、今後、この魔法が叶わない恋をしている方々を助けられるようになります。しかし、中には片方に愛がないのに魔法をかけられ種を植え付けられてしまうことがあるかもしれません」
ーー片方に愛のない。
今のテオのように。
「そこで、お互いを愛し合い血の繋がりのある子供が欲しい時のみだけにその魔法をかけられるようにしたいのです。愛し合っているかどうかの確認の魔法、作って下さいね。きっと貴方方が最初に使われると思いますが」
「分かった。その確認魔法は作っておく」
しかし、無理矢理生殖器を変えてしまった俺はテオに受け入れられるのだろうか。後でエリオに塗り薬だと言って魔力が催淫効果に変換されるものを届けさせるか。
グズグズにしてやる。俺なしではいられない身体にする。
「もし、今後テオドール様が貴方がした事に憤慨し離れるようなことがあれば即時中断を。貴方には新しい令嬢が婚約者として宛てがわれます」
「分かった、従おう」
「では、私はこれで」
立ち上がり、イザベラの背を見送る。
彼女はやっと恋に焦がれた相手と共になれる。俺もテオの横に親友としてではなく婚約者、または夫として立ちたい。
ぴたり、とイザベラが足を止める。
「貴方の気持ちが伝わるといいですね」
振り返ることはせずそう一言だけ告げて今度こそ談話室を出ていった。
第3部隊の訓練所では今日もテオの漆黒の黒い髪が汗で頬に張り付かせ、普段穏やかの碧い色の瞳を鋭くさせていた。
美しいテオ。だが、その側には必ずトリスタン・フェルナンド伯爵令息がいる。
テオにタオルを渡すだけかと思いきや、頬に張り付いた髪まで触っている。腸が煮え返りそうになる。
「あ!ルシアン!」
俺の姿に気づいたテオがにっこりと可愛らしく笑い駆け寄ってくる。
あぁ、愛おしい。
「今日も訓練がんばっていたね。すごいな、テオは」
トリスタンに触れられた所を上書きする。
くすぐったそうに目を細めるテオに思わず無防備のその唇に口付けをしたくなる。
「好きだよ、テオ」
「ははっ、ありがとな。俺も好きだぜ」
「ルシアン様っていつもテオドールに好きだっていいますよね。婚約者がいるのに」
トリスタンがやってきた。しかもテオの肩に手を置いている。
「ルシアンは昔からこうなんだよ!別にいいだろ、親友として好きっていう意味だもんな!」
「……そうだね」
笑顔を崩さないように答える。トリスタンはふーん、と興味なさそうに返事を返す。
厄介な男だ。テオと馬が合うらしく、よく2人で呑みにも出かけるらしい。
魔獣討伐の際にどさくさ紛れに殺してやろうか、と何度思ったことか。
「そうだ!ルシアン様もテオドールに言ってやって下さいよ。こいつ結婚はまだいいって令嬢からの婚約申し込み断ってるんですよ」
「うるさいな!次男だからもう少し1人でいたいんだよ。それにみんなルシアン目当てだったりするし」
多くの令嬢はテオに繋がれば俺と会えると思っている。学生時代は常に横にいて、恋愛に発展しそうな時は俺が邪魔をしていたからだ。
「じゃぁ、今度夜会に行こうぜ」
えー、と照れくさそうに笑うテオ。
俺が知らないところで誰かに恋するなんて許さないよ。
「行こうかなー」
こんなに好きだと伝えているのに。どうして伝わらないのだろう。
早くしなければ誰かに奪われてしまう。
その日の夜、俺は無防備に眠るテオに約9年かけて完成した魔法をかけた。
俺だけを見て貰えるように。
翌朝、慌てた様子のテオがトリスタンではなく自分を頼ってくれたことが何より嬉しかった。
そして嬉しくてつい確認ためもあるが味見をしてしまった。もう少し味見をしたかったのに邪魔をされ、俺は不機嫌になっていた。
やや豪華めな室内になっている応接室は、イザベラの赤い髪がよく映えた。
「魔法成功したのですね。先程、テオドール様の中に貴方の膨大な魔力を感じました。おめでとうございます」
「まだ途中だけどね」
そう、色々と途中だった。はぁ、とため息をついてしまう。
「それと、婚約の解消の方も無事に終わりましたわ」
「そうか、だいぶ待たせてしまったね。いつお披露目するんだい?」
「そのことなのですが、ルシアン様の研究次第というような形になりそうです」
イザベラは王宮からの封筒を開けるように促す。中に入っていたのはイザークからの手紙だった。
テオドール・サリバン自身がお前を愛したいと思った時、願いを聞き入れよう
そう書かれていた。願いというのは結婚のことだろう。
「イザーク様が法を新しく作るをにあたって、今後、この魔法が叶わない恋をしている方々を助けられるようになります。しかし、中には片方に愛がないのに魔法をかけられ種を植え付けられてしまうことがあるかもしれません」
ーー片方に愛のない。
今のテオのように。
「そこで、お互いを愛し合い血の繋がりのある子供が欲しい時のみだけにその魔法をかけられるようにしたいのです。愛し合っているかどうかの確認の魔法、作って下さいね。きっと貴方方が最初に使われると思いますが」
「分かった。その確認魔法は作っておく」
しかし、無理矢理生殖器を変えてしまった俺はテオに受け入れられるのだろうか。後でエリオに塗り薬だと言って魔力が催淫効果に変換されるものを届けさせるか。
グズグズにしてやる。俺なしではいられない身体にする。
「もし、今後テオドール様が貴方がした事に憤慨し離れるようなことがあれば即時中断を。貴方には新しい令嬢が婚約者として宛てがわれます」
「分かった、従おう」
「では、私はこれで」
立ち上がり、イザベラの背を見送る。
彼女はやっと恋に焦がれた相手と共になれる。俺もテオの横に親友としてではなく婚約者、または夫として立ちたい。
ぴたり、とイザベラが足を止める。
「貴方の気持ちが伝わるといいですね」
振り返ることはせずそう一言だけ告げて今度こそ談話室を出ていった。
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