孤独な少年は選択を迫られる

雨降チコ

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だいいっしょう

ダンジョンの隠し部屋で選択を

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2人に教えてもらうことを頼んでいい感じにお金も集まって。さて、じゃあ城に帰ろうかとヘリーが言い始めた時に俺はやらかしてしまった。

「ちょっと疲れたから休んでいいか?2人とも。」
「えぇ、大丈夫ですよ。」
「時間はあるしな!水でも飲むか?」

元々体力も無いのだ。今日ほど動いたことは無いし身体が付いてこない。少し休んで、いや、大丈夫。と声をかけて壁に手を着き立ち上がろうとした時に、手を着いた壁がガコンッと大きな音を立てて凹んで、壁が回転した。

「イチカっ!!!」
「イチカ君!」

2人が慌てた顔で手を伸ばしたのを見たのを最後にこれの視界は真っ暗になった。
そして勢いでどこかに頭を打ちつけて俺の意識は遠のいた。



どれくらい経ったか分からないがしばらくして目を覚ました俺は、この視界の暗さをどうにかしたくて手持ちのバックの中に入っていたマッチを付けた。
運がよく近くに松明があったので火をつける。
仕掛けかなにかだったのか一気に火が広がり周りが明るくなる。

そして俺は言葉を失う。
壁一面に、俺が住んでいた日本の絵が描かれていたからだ。

「な、、んで、、、。」

そしてどこからともなく声が聞こえる。



「こぉ~んに~にわぁ~!しろいいちかくん~!」

…は?
いいや放置。めんどくさそうだから関わらないのが一番いいだろう。

「えぇ~?ほうちとかしないで~!るるないちゃ~う…」
「誰なんだよお前…」
「あっ!やっとはんのうしてくれたぁ~!るるうれしぃ~」

こいつはるるって名前らしい。
「そぉ~だよ~!」

…心を読んでくるのをみて神の仲間だろう。
んで、俺になんの用だ。

「えっとねぇ~?さっきもいってたように、私はるるだよぉ~」

おっ、おう、そうか。で?
「るるわぁ~、しろいくんにぃお願いしに来たのぉ~。しろいくんがここにきたことわぁ、いれぎゅらぁ~っていうものらしいのぉ~」

俺はあのハゲに送られてきただけだ。

「うんうん、しろいくんわそうだよねぇ~。ただぁ、こっちとしてはちょっとやっかいなんだぁ~」

そうだったらただの理不尽だな。
親にも殺されて新しくやり直せると思ったらイレギュラーって言われて。俺はつくづく運がない。

「そんなこんなでぇ~しろいくんにわぁ~、ここでしんでもらわなきゃいけないのぉ~」

理不尽だとしか思えない言葉を突きつけられて、思わず声が出てしまった。なんで、なんで。

「いやだね。なんで俺がこっちでも死ななきゃいけないんだ。」

「だってぇ、しろいくんがいるだけでぇこの世界滅亡しちゃうって全知さんがぁ~。だからるるにはいじょするよう頼んできたのぉ~」

俺はどこに行っても邪魔者扱いかよ。
どうしたら俺は、普通に誰にも気にされず、ヘリーやケイルさんみたいな人と関わっていけるんだ。

ただ、ほんの少しの幸せが欲しいだけなのに…。

「うんうんそうだよねぇ~。しろいくんのじんせいわぁ~、るるとってもかわいそうだとおもうのぉ~だからねぇ!!ここで選択肢ですぅ!!」

は??選択肢?

「はい!そぉ~で~す!しろいくんにわ、
『1人で死んで、世界を救う』かぁ~?
『死にたくないから世界を滅ぼす』かの2つをえらんでもらうよぉ~」

…すっごい極端だな。俺はまた報われない人生を生きるのか。だけど俺はまだ…

「っイチカ君!坊っちゃん!!居ましたイチカ君です!!」
「本当かケイル!」

「ありゃりゃぁ~。時間切れみたいだねぇ。選択の猶予は2年、それまでに決められるといいねぇ~」


2人が迎えに来てくれたのか…?俺は誰と話してたんだ、何を話してた、何を、、選択しようとした。

『それじゃあ~またねぇ~!頭ぶつけちゃったところ治しておいてあげたよぉ~』

そう言って不思議な声はそれっきり聞こえなくなった。

体が揺らされて目が覚める。ずっと起きていたかのような体験だった。これで全てを忘れられていたら良かったのに。明かりが都合よく広がり日本の壁画を見たのも、あの不思議な声のヤツが見せたものなのだろう。

「無事かっ!イチカ!怪我は!?」
「無いよヘリー、あんまり揺らさないでくれ…」
「わっわりぃ、、つい。」
「ついじゃないですよ坊っちゃん。イチカ君、僕の背に乗ってください。」

お言葉に甘えておぶってもらうことになった。そして城に着いても本当に王子かというレベルで出迎えも出てこないし、なんならすごく敵意を持たれているような視線で見られる。

庶子はこういう事だったのか。
部屋を割り振られ今日はこのまま安静にするように、と言われて2人と別れた。

明日はどんな一日になるのか。そして俺は選択をしなきゃならない。これから2年間。昔の自分では迷わず自分が死ぬことを選択していただろう。
そして生き返らせてもらった今では、自分が死ぬことは選択できなかった。ヘリーをケイルを、見捨てようとしていたのだ。

「2年後か…」

思わず口に出してしまいため息がこぼれる。
考えても仕方がない、と布団を頭まで被り眠れるようにきつく目を瞑った。

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