3 / 27
序章:名無しの少年
3話:宰相と名無しの少年
しおりを挟む
白い砂、綺麗に整えられた松の木、池、そして―
――典型的な寝殿造り。いかにも平安って感じだな。
ようやく平安平安したものに巡りあい、ある種の納得が少年に訪れる。
「にしても、契神術ってのは自由に空間転移までできるのか。すげえな」
都の外れから一瞬で宰相殿とやらの屋敷に移動したのである。少年は素直に感心した。
だが、そんな少年の言葉に犬麻呂は半ば呆れたように、
「自由って、んなわけねぇだろ。バカみてぇに条件ややこしいぜ?使えるやつなんて一握りだ」
「ふーん、じゃあお前って実はすごいやつなのか?」
いきなりの称賛に意表を突かれる犬麻呂。分かりやすく表情が変わる。
実は案外単純な奴なのかもしれない。そう思うと先の警戒心が少し薄れた。
「へ?ま、まあそんなことあるぜ!まぁあれは宰相殿の術式を借りたやつなんだがな」
「なんだ…」
「んだとコラァ!」
少年がある程度犬麻呂の扱い方を掴んできたところで、寝殿の前にまで辿り着く。
すると、仁王丸、犬麻呂が跪いた。
突然、空気が張り詰めたものへと変わる。
その空気を読んで少年も続いた。
「宰相殿、お命じの通りお連れして参りました」
仁王丸が主人を呼ぶ。少年の肩に力が入った。
――さっきも言ってたけど宰相…いきなり上級貴族と対面か…
ただ、宰相といっても西洋や中国のように最高位の臣下というわけでもない。
古代日本の宰相は、参議という役職の別名だ。
参議は左右大臣、大納言、中納言の下にあたる。
だが、この時代の最高権力の一角には違いない。
彼の気分次第で自分の首が体とお別れすることも十分あり得る。緊張して当然だ。
―この時代の礼儀作法なんてほとんど分からんぞ…どうすりゃいいんだ?現代通りでいいのか?
全神経を寝殿の階段、その上に向ける。だが、
「仁王丸、犬麻呂。ご苦労様」
「うおあ!!!」
想定とまったく異なる場所から飛んできたその声に思わず声を上げる。
その前髪の長い男は、少年にその衣の裾が触れるほどすぐ近くに立っていた。
そして彼は、少年の顔をジロジロ見て幾度か頷く。
少年の頬を冷や汗が伝った。
「ふむ、成る程成る程。これは…」
――なんだこの男は…いや、この人が?
「ふふ、驚かせてしまいましたね。私は正三位参議高階朝臣師忠、しがない廷臣です。お待ちしておりましたよ、神子様」
邸宅の主人が目を伏せ、少年に軽く礼をした。
少し青味がかった黒髪に長身、白粉は付けていないようなのに色白。一言でいうなら美丈夫。
見たところ歳は三十手前、だがそれにしては老成しており、上級貴族の風格を遺憾なく発揮している。
そんな人物が何の前触れもなくすぐ傍に現れたわけだ。驚き恐縮しないわけがない。
「おっ、お初にお目にかかりましてごさいまするっ!この度はご機嫌麗しゅう…えっと…」
動転して無茶苦茶な言葉遣いになる少年に、師忠は微笑み言葉をかける。
「それ程畏まらなくともよろしいのですよ?どうかお気を楽にしてください」
「そ、そうですか。では改めて。俺の名前は…」
少年はいつも通り普通に名乗ろうとした。なのに、
――あれ?
突如猛烈な違和感を抱き、言葉に詰まる。
その理由に気付いた時、少年はこの世界にきて初めて底知れぬ恐怖に襲われた。
先ほどの劇的な逃走劇、そして壮絶な殺人現場も恐怖であったが、それとはベクトルが違う。
もっと根本的に質の異なる、アイデンティティを揺るがしかねない現象が己のあずかり知らぬところで起きていた。
――名前が、思い出せない…?
唖然とし、固まる少年。
犬麻呂と仁王丸は不思議そうにその様子を眺めるが、少年にはもはやそれは目に入らない。
ただ、師忠だけが表情を変えずに微笑んでいた。
――そんな馬鹿なことが。自分の名前だぞ!いや、この期に及んで自分の常識でことを推し量ろうとすること自体が馬鹿だ。転移、転生前の記憶が都合よく無くなってるなんてその手の話じゃテンプレじゃないか。そもそも転移が異常事態。こんなオカルト紛いの状況でまともな思考なんて無意味だ。これしきの事でパニクってどうする!落ち着け、とりあえず素数を数えよう。1、2、3…1って素数だっけ?
思考が脱線し始め、本格的にこんがらがる前に少年は一度頬を自分で叩いた。
――選択肢は二つ。笑って誤魔化すか、偽名を使うか。相手の出方、能力は不明。恐らく向こうは自分の情報をある程度持っている。嘘など通用しないだろう。となれば、選択肢は自ずと決まる――
そして、意を決しニカっと笑った。
「すみません。名前忘れちゃったみたいです」
師忠邸を秋風が吹き抜ける。
衝撃の告白に返す言葉もなく、辺りはしばしの静寂に包まれた。
「「はぁ!?」」
仁王丸、犬麻呂の声がハモる。
自分の名前を忘れるなんて普通あり得ない。まあ驚くだろう。
一方師忠は幾度か頷くだけで依然として微笑。
まったく思考が読めない。そして、
「ふむ、成る程。まあそんなこともあるかもしれませんね」
そんな師忠の感想は酷くあっさりとしたものであった。
――いや、ねーよ!
突っ込みそうになるのを必死に抑え、話を続けようとするが、
「ともあれ、いつまでも立ち話というのもなんですから、中へどうぞ」
師忠は自邸に少年を招き入れた。
====================================
いかにもな貴族の邸宅。
少年にはよく分からないが、そこら辺に置かれている調度品もきっと凄い価値のものであるに違いない。
とはいえ、それ程派手すぎるわけでもなく、侘びさびを弁えている。
という感想を抱いたところで、何か小さな違和感を幾つか少年は覚えた。だがその正体には気づけない。
そうしているうちに師忠は話を進める。
「何はともあれよくおいでなさいました。色々と大変だったでしょう?ひとまず気をお休めになって下さい」
「お気遣いどうも…それはともかく、あなたは一体何者?もしかして俺を召喚したのもあなた?」
まどろっこしいことが苦手な少年はストレートに切り込む。
今のところ、彼が少年を召喚した人物である可能性はかなり高い。
少年がこの世界に来る日時を把握していたかのような命令、何事にも動じず全てが想定通りとも言わんばかりの余裕の態度、そしてなによりしれっとそんなことをやってしまいかねない雰囲気が彼には漂っている。
動機は全くもって分からないが。
しかし、そんな少年の問いにも師忠は安定の微笑を崩さない。これがデフォルトなのだろう。
「ふふ、召喚ですか。成る程、貴方はそのように考えるのですね。…まああながち間違いでもない。ですが、再臨の神子に関わることは、差し詰め浄御原帝の術式か、神の悪戯かでしょう」
「神の悪戯…浄御原帝?」
師忠の言を信じるなら少年の転移は彼の仕業ではないようであるが、また知らないワードが出てくる。
――神の悪戯、はともかく浄御原帝の術式とは?いや、そもそも再臨の神子って一体何なんだ?
そのような至極まっとうな疑問が浮かんだ。
そして、恐らく師忠はその答えを知っている。
これを聞かない手はない。
「質問ばかりですみませんが、一つ、いや2、3個聞かせて下さい!浄御原帝ってどなたですか?それと何度も出てくる「再臨の神子」って何なんですか?本当に俺はその神子とやらなんですか?名前が思い出せないのもそれと関係が?」
食い入るように尋ねる。
それらはいずれもこの世界に来ることになった理由と密に関わっていると少年は考えたのだ。
そんな彼の反応にさも嬉しそうに師忠は頷く。
彼は知識をひけらかすのが相当好きなようだ。
「いいのですよ。疑問だらけ、聞きたいことだらけで当然です。さて、一つずつ答えていきましょうか。まず浄御原帝についてですね。彼は皇国第38代の帝で我々高階の祖に当たります。契神術を発明したのも彼ですね」
――第38代、浄御原、高階…もしかして浄御原帝って天武じゃね?天武天皇が契神術を発明したの!?どういうこっちゃ。全然結びつかないぞ…
自身の受験知識を動員、状況を整理するが、このあたりから少年は流石に感づき始める。
というより、自分を誤魔化すのがもう限界になってきたというべきであろうか。
一つの懸念が現実味を帯びてくる。
だがそんな彼をよそに師忠は続けた。
「そしてもう一つ。再臨の神子についてですね」
少年はゴクリと唾を飲み込む。
すべての核となりかねないその答え、そこに一縷の望みを賭け、その一言一句を逃すまいとする。
自然と場に緊張が走った。
「再臨の神子―それは皇国に存在する七神子が一であり、陰の属性を持ち月読命と皇国を結ぶ存在です。そして」
「そして?」
「こことは異なる世界線から迷い込んだ少年であり、彼が来て初めて七神子は揃い、災厄は収束する。彼がいつどこにどのようにして現れるのかは予言されていましたが、それ以上のことは我が一族には記録されていません。これが今話せることの全てです」
――えっ?これが全て…?
少年は、新規情報の少なさに落胆する。
だが、これで懸念は恐らく現実のものであったと受け入れざるを得なくなった。
すなわち、この世界は過去ではない。
異世界、いや平行世界の過去である可能性が高いのだ。
よく考えれば、おかしな所はいくらでもあった。
先ほど感じた違和感、それはどことなく漂う時代とのミスマッチである。
調度品にはガラス製品が混じっていた。それに掛けられていた絵画も水墨画。
少年は美術史に詳しいわけではないが、平安時代にガラス製品が普及していたとは考えられないし、水墨画が日本で流行りだすのが室町時代ということも知っている。
つまり、これらが当たり前のようにある空間は本来おかしいのだ。
いや、そもそも契神術なんて出てきた時点でそう断定すべきだった。
――つまり、今の俺は先読みチートも使えず、特に能力もなし、そして状況証拠的に戦乱の重要人物。こうしてみると超ハードモードだな!?
「あのー、俺が神子っていうのが何かの手違いってことはないですか?」
せめてそんな危険なポジションには居たくない。
悲痛な願いを込めて縋るが
「いえ、間違いありません。それに、仮に手違いでしたら私が貴方を留めおき、保護する必要性はなくなってしまうのですがそれでも?」
師忠の絶対的な自信の根拠は分からないが、あっさり希望は打ち砕かれる。
そんな少年の様子を察したのか、一つ溜息をつき、慰めにも似た言葉を掛ける。
「ですが、何の能力もないということは恐らくないでしょう。見たところ貴方には契神術の適性はあまりなさそうな感じがしますが、他の六神子はみな神性を有していますし、何かしらの「権限」を持っています。そうしたものがあれば自覚があっても良さそうなものなのですが、貴方にはなにかその手の感覚はありませんか?」
「け、権限…?うーん、そんなもの無さそうなんだけどな…あ、そういえば!」
少年は一つ思い出し、声のトーンを上げる。
「昔から口に出したことが実際に起こったり起こらなかったり、ということが…あと運はいい方です!」
彼は取りあえず何かやるときは口に出してみるタイプである。
それに努力型でもあるので大抵のことはやってのける。
それゆえそんな結果になるのだが、これはどう考えても疑似相関だ。
運がいいのも彼が勝手にそう思っているだけである。
第一、この状況で運がいいとは片腹痛い。
「…やっぱり何もないのかも知れませんね。強く生きて下さい」
「そんな殺生なっ!!!」
相変わらず微笑んだままの師忠。
だが少年にとっては笑い事ではない。
寝食と庇護者は獲得したが間違いなく厄介ごとに巻き込まれることが確定した。
ただでさえ異世界に飛ばされて混乱しているのに、この仕打ちというのは酷である。
「ふふ、そこまで大きな声をなさなくても」
「いや、出しますよ!なんか希望と先行きが全然見えてこない!」
「心配なさらず。いくら陽成院といえども神子に手を下すとは思えない。それは破滅を招きかねませんから」
――陽成院?なぜここで?
また意外な人名が出てくる。
陽成院、すなわち陽成上皇は殿上で殺人を犯し、退位に追い込まれたと伝わる人物だ。
少年の頭の片隅にある知識ではそうであるが、なぜ彼がここで出てくるのか。
ただ、問題はもはやそこではない。
「いや、何で神子に手を下すと破滅を招くんだ?」
その問いを聞くと師忠は少し考えこみ、幾度か頷く。
「成る程、そうでした。そこからでしたね。私としたことが大前提をお話ししていませんでした」
「大前提?」
そうだ。そもそもここは過去の世界では恐らくない。
ならば現在の社会情勢、歴史、思想、信仰、何なら物理法則まで全く異なる可能性がある。
少年は目先のものにとらわれ、そこの確認を忘れていた。
きょとんとした表情を見せる少年に、師忠は嬉々として応じる。
「ええ、そうです。まず皇国は高天原より委任をうけた帝が代理統治する地であり、神子はその柱となる存在。いつもは神裔・蒼天・彩天・悠天・灼天・回天の六神子がそれぞれ陽・水・金・木・火・土を担当し、調和をもたらしています。ですが戦乱により国が二分される事態が生じれば、その均衡は崩れてしまう。現に今、平城京の陽成院と皇都の今上陛下・摂政殿下の二大勢力が永らく敵対状態にあり、この均衡は崩れつつあります。あなたも見たでしょう?ほんの4、5年前まで右京もそこまで荒れ果ててはいなかった。あれはここ数年立て続けに起こった天災が原因。その天災は二大勢力の対立に起因します」
ものすごい勢いで新規情報があふれてくる。
さすがに少年は処理しきれない。
「えっと、どゆこと?」
「ようするにこの戦いは、普段は六人いる神子を使った陣取り合戦ということです。神子をすべて引き入れるか、神子が所属する敵陣営を取り込むか滅ぼせば勝ちですね」
少年はしばらく師忠の言葉を反芻していたが、ようやく理解が及んで手をポン、と叩いた。
「つまり、この膠着は神子を一人追加することで崩れる。長く続いた戦乱の終結への糸口となる、それが俺の役割ということですか」
「ええ、その通りです。加えて言うなら神子は存在自体に意味があり、特に職掌はありません。ですが一人でも欠けると一大事。その属性を担当する神の恩恵がほとんど受けられなくなりますから」
――ふーん…ん?待てよ?
さらりと師忠が補足するが、少年に何かが引っかかった。
「でも、再臨は普段はいないんですよね?じゃあ再臨ってそれ当てはまるんですか?」
少年にとって一番気になるのはそこだ。
存在に意味があるからこそ命は保証されている。
だが、それはあくまで「再臨」以外の6人の神子の話だ。
つまり、普段はいない「再臨」が死んでも大した問題が生じない可能性がある。
となれば、厄介なだけの「再臨」は真っ先に抹殺対象となりかねない。
少年は一段と力を込めて尋ねる。しかし、
「それは、分かりませんね。なんせ記録がない。ですが神子の存在は高天原の望むところのもの。つまり再臨に刃を向けるのは八百万の神々に刃を向けるのと同義です。それが皇国において何を意味するのかは想像がつきますよね」
師忠は意味深な笑みを浮かべた。
少年はその意味を必死に探ろうとする。だが、
「すみません、少々この後用事があるのを失念しておりました。これ以上の話はまた追々。仁王丸、犬麻呂、あとはよろしく」
師忠は突然話を打ち切って一礼して立ち上がり、御簾を掲げて母屋を後にする。
「え!?ちょっとそんないきなり!?まだ聞きたいことは山ほどあるのに!」
少年は後を追うが、
「あれ?」
御簾の向こう側に人の気配はもうなかった。
====================================
相変わらずの微笑を浮かべたまま、師忠は人気の感じられない京の町を行く。
「いやはや、これほどまでに胸が高ぶるのはいつぶりでしょうか」
彼はそう独り言つ。
「…まったく。相変わらず性格が悪い」
その表情は、誰にも見えない。師忠は夕闇に消えた。
――典型的な寝殿造り。いかにも平安って感じだな。
ようやく平安平安したものに巡りあい、ある種の納得が少年に訪れる。
「にしても、契神術ってのは自由に空間転移までできるのか。すげえな」
都の外れから一瞬で宰相殿とやらの屋敷に移動したのである。少年は素直に感心した。
だが、そんな少年の言葉に犬麻呂は半ば呆れたように、
「自由って、んなわけねぇだろ。バカみてぇに条件ややこしいぜ?使えるやつなんて一握りだ」
「ふーん、じゃあお前って実はすごいやつなのか?」
いきなりの称賛に意表を突かれる犬麻呂。分かりやすく表情が変わる。
実は案外単純な奴なのかもしれない。そう思うと先の警戒心が少し薄れた。
「へ?ま、まあそんなことあるぜ!まぁあれは宰相殿の術式を借りたやつなんだがな」
「なんだ…」
「んだとコラァ!」
少年がある程度犬麻呂の扱い方を掴んできたところで、寝殿の前にまで辿り着く。
すると、仁王丸、犬麻呂が跪いた。
突然、空気が張り詰めたものへと変わる。
その空気を読んで少年も続いた。
「宰相殿、お命じの通りお連れして参りました」
仁王丸が主人を呼ぶ。少年の肩に力が入った。
――さっきも言ってたけど宰相…いきなり上級貴族と対面か…
ただ、宰相といっても西洋や中国のように最高位の臣下というわけでもない。
古代日本の宰相は、参議という役職の別名だ。
参議は左右大臣、大納言、中納言の下にあたる。
だが、この時代の最高権力の一角には違いない。
彼の気分次第で自分の首が体とお別れすることも十分あり得る。緊張して当然だ。
―この時代の礼儀作法なんてほとんど分からんぞ…どうすりゃいいんだ?現代通りでいいのか?
全神経を寝殿の階段、その上に向ける。だが、
「仁王丸、犬麻呂。ご苦労様」
「うおあ!!!」
想定とまったく異なる場所から飛んできたその声に思わず声を上げる。
その前髪の長い男は、少年にその衣の裾が触れるほどすぐ近くに立っていた。
そして彼は、少年の顔をジロジロ見て幾度か頷く。
少年の頬を冷や汗が伝った。
「ふむ、成る程成る程。これは…」
――なんだこの男は…いや、この人が?
「ふふ、驚かせてしまいましたね。私は正三位参議高階朝臣師忠、しがない廷臣です。お待ちしておりましたよ、神子様」
邸宅の主人が目を伏せ、少年に軽く礼をした。
少し青味がかった黒髪に長身、白粉は付けていないようなのに色白。一言でいうなら美丈夫。
見たところ歳は三十手前、だがそれにしては老成しており、上級貴族の風格を遺憾なく発揮している。
そんな人物が何の前触れもなくすぐ傍に現れたわけだ。驚き恐縮しないわけがない。
「おっ、お初にお目にかかりましてごさいまするっ!この度はご機嫌麗しゅう…えっと…」
動転して無茶苦茶な言葉遣いになる少年に、師忠は微笑み言葉をかける。
「それ程畏まらなくともよろしいのですよ?どうかお気を楽にしてください」
「そ、そうですか。では改めて。俺の名前は…」
少年はいつも通り普通に名乗ろうとした。なのに、
――あれ?
突如猛烈な違和感を抱き、言葉に詰まる。
その理由に気付いた時、少年はこの世界にきて初めて底知れぬ恐怖に襲われた。
先ほどの劇的な逃走劇、そして壮絶な殺人現場も恐怖であったが、それとはベクトルが違う。
もっと根本的に質の異なる、アイデンティティを揺るがしかねない現象が己のあずかり知らぬところで起きていた。
――名前が、思い出せない…?
唖然とし、固まる少年。
犬麻呂と仁王丸は不思議そうにその様子を眺めるが、少年にはもはやそれは目に入らない。
ただ、師忠だけが表情を変えずに微笑んでいた。
――そんな馬鹿なことが。自分の名前だぞ!いや、この期に及んで自分の常識でことを推し量ろうとすること自体が馬鹿だ。転移、転生前の記憶が都合よく無くなってるなんてその手の話じゃテンプレじゃないか。そもそも転移が異常事態。こんなオカルト紛いの状況でまともな思考なんて無意味だ。これしきの事でパニクってどうする!落ち着け、とりあえず素数を数えよう。1、2、3…1って素数だっけ?
思考が脱線し始め、本格的にこんがらがる前に少年は一度頬を自分で叩いた。
――選択肢は二つ。笑って誤魔化すか、偽名を使うか。相手の出方、能力は不明。恐らく向こうは自分の情報をある程度持っている。嘘など通用しないだろう。となれば、選択肢は自ずと決まる――
そして、意を決しニカっと笑った。
「すみません。名前忘れちゃったみたいです」
師忠邸を秋風が吹き抜ける。
衝撃の告白に返す言葉もなく、辺りはしばしの静寂に包まれた。
「「はぁ!?」」
仁王丸、犬麻呂の声がハモる。
自分の名前を忘れるなんて普通あり得ない。まあ驚くだろう。
一方師忠は幾度か頷くだけで依然として微笑。
まったく思考が読めない。そして、
「ふむ、成る程。まあそんなこともあるかもしれませんね」
そんな師忠の感想は酷くあっさりとしたものであった。
――いや、ねーよ!
突っ込みそうになるのを必死に抑え、話を続けようとするが、
「ともあれ、いつまでも立ち話というのもなんですから、中へどうぞ」
師忠は自邸に少年を招き入れた。
====================================
いかにもな貴族の邸宅。
少年にはよく分からないが、そこら辺に置かれている調度品もきっと凄い価値のものであるに違いない。
とはいえ、それ程派手すぎるわけでもなく、侘びさびを弁えている。
という感想を抱いたところで、何か小さな違和感を幾つか少年は覚えた。だがその正体には気づけない。
そうしているうちに師忠は話を進める。
「何はともあれよくおいでなさいました。色々と大変だったでしょう?ひとまず気をお休めになって下さい」
「お気遣いどうも…それはともかく、あなたは一体何者?もしかして俺を召喚したのもあなた?」
まどろっこしいことが苦手な少年はストレートに切り込む。
今のところ、彼が少年を召喚した人物である可能性はかなり高い。
少年がこの世界に来る日時を把握していたかのような命令、何事にも動じず全てが想定通りとも言わんばかりの余裕の態度、そしてなによりしれっとそんなことをやってしまいかねない雰囲気が彼には漂っている。
動機は全くもって分からないが。
しかし、そんな少年の問いにも師忠は安定の微笑を崩さない。これがデフォルトなのだろう。
「ふふ、召喚ですか。成る程、貴方はそのように考えるのですね。…まああながち間違いでもない。ですが、再臨の神子に関わることは、差し詰め浄御原帝の術式か、神の悪戯かでしょう」
「神の悪戯…浄御原帝?」
師忠の言を信じるなら少年の転移は彼の仕業ではないようであるが、また知らないワードが出てくる。
――神の悪戯、はともかく浄御原帝の術式とは?いや、そもそも再臨の神子って一体何なんだ?
そのような至極まっとうな疑問が浮かんだ。
そして、恐らく師忠はその答えを知っている。
これを聞かない手はない。
「質問ばかりですみませんが、一つ、いや2、3個聞かせて下さい!浄御原帝ってどなたですか?それと何度も出てくる「再臨の神子」って何なんですか?本当に俺はその神子とやらなんですか?名前が思い出せないのもそれと関係が?」
食い入るように尋ねる。
それらはいずれもこの世界に来ることになった理由と密に関わっていると少年は考えたのだ。
そんな彼の反応にさも嬉しそうに師忠は頷く。
彼は知識をひけらかすのが相当好きなようだ。
「いいのですよ。疑問だらけ、聞きたいことだらけで当然です。さて、一つずつ答えていきましょうか。まず浄御原帝についてですね。彼は皇国第38代の帝で我々高階の祖に当たります。契神術を発明したのも彼ですね」
――第38代、浄御原、高階…もしかして浄御原帝って天武じゃね?天武天皇が契神術を発明したの!?どういうこっちゃ。全然結びつかないぞ…
自身の受験知識を動員、状況を整理するが、このあたりから少年は流石に感づき始める。
というより、自分を誤魔化すのがもう限界になってきたというべきであろうか。
一つの懸念が現実味を帯びてくる。
だがそんな彼をよそに師忠は続けた。
「そしてもう一つ。再臨の神子についてですね」
少年はゴクリと唾を飲み込む。
すべての核となりかねないその答え、そこに一縷の望みを賭け、その一言一句を逃すまいとする。
自然と場に緊張が走った。
「再臨の神子―それは皇国に存在する七神子が一であり、陰の属性を持ち月読命と皇国を結ぶ存在です。そして」
「そして?」
「こことは異なる世界線から迷い込んだ少年であり、彼が来て初めて七神子は揃い、災厄は収束する。彼がいつどこにどのようにして現れるのかは予言されていましたが、それ以上のことは我が一族には記録されていません。これが今話せることの全てです」
――えっ?これが全て…?
少年は、新規情報の少なさに落胆する。
だが、これで懸念は恐らく現実のものであったと受け入れざるを得なくなった。
すなわち、この世界は過去ではない。
異世界、いや平行世界の過去である可能性が高いのだ。
よく考えれば、おかしな所はいくらでもあった。
先ほど感じた違和感、それはどことなく漂う時代とのミスマッチである。
調度品にはガラス製品が混じっていた。それに掛けられていた絵画も水墨画。
少年は美術史に詳しいわけではないが、平安時代にガラス製品が普及していたとは考えられないし、水墨画が日本で流行りだすのが室町時代ということも知っている。
つまり、これらが当たり前のようにある空間は本来おかしいのだ。
いや、そもそも契神術なんて出てきた時点でそう断定すべきだった。
――つまり、今の俺は先読みチートも使えず、特に能力もなし、そして状況証拠的に戦乱の重要人物。こうしてみると超ハードモードだな!?
「あのー、俺が神子っていうのが何かの手違いってことはないですか?」
せめてそんな危険なポジションには居たくない。
悲痛な願いを込めて縋るが
「いえ、間違いありません。それに、仮に手違いでしたら私が貴方を留めおき、保護する必要性はなくなってしまうのですがそれでも?」
師忠の絶対的な自信の根拠は分からないが、あっさり希望は打ち砕かれる。
そんな少年の様子を察したのか、一つ溜息をつき、慰めにも似た言葉を掛ける。
「ですが、何の能力もないということは恐らくないでしょう。見たところ貴方には契神術の適性はあまりなさそうな感じがしますが、他の六神子はみな神性を有していますし、何かしらの「権限」を持っています。そうしたものがあれば自覚があっても良さそうなものなのですが、貴方にはなにかその手の感覚はありませんか?」
「け、権限…?うーん、そんなもの無さそうなんだけどな…あ、そういえば!」
少年は一つ思い出し、声のトーンを上げる。
「昔から口に出したことが実際に起こったり起こらなかったり、ということが…あと運はいい方です!」
彼は取りあえず何かやるときは口に出してみるタイプである。
それに努力型でもあるので大抵のことはやってのける。
それゆえそんな結果になるのだが、これはどう考えても疑似相関だ。
運がいいのも彼が勝手にそう思っているだけである。
第一、この状況で運がいいとは片腹痛い。
「…やっぱり何もないのかも知れませんね。強く生きて下さい」
「そんな殺生なっ!!!」
相変わらず微笑んだままの師忠。
だが少年にとっては笑い事ではない。
寝食と庇護者は獲得したが間違いなく厄介ごとに巻き込まれることが確定した。
ただでさえ異世界に飛ばされて混乱しているのに、この仕打ちというのは酷である。
「ふふ、そこまで大きな声をなさなくても」
「いや、出しますよ!なんか希望と先行きが全然見えてこない!」
「心配なさらず。いくら陽成院といえども神子に手を下すとは思えない。それは破滅を招きかねませんから」
――陽成院?なぜここで?
また意外な人名が出てくる。
陽成院、すなわち陽成上皇は殿上で殺人を犯し、退位に追い込まれたと伝わる人物だ。
少年の頭の片隅にある知識ではそうであるが、なぜ彼がここで出てくるのか。
ただ、問題はもはやそこではない。
「いや、何で神子に手を下すと破滅を招くんだ?」
その問いを聞くと師忠は少し考えこみ、幾度か頷く。
「成る程、そうでした。そこからでしたね。私としたことが大前提をお話ししていませんでした」
「大前提?」
そうだ。そもそもここは過去の世界では恐らくない。
ならば現在の社会情勢、歴史、思想、信仰、何なら物理法則まで全く異なる可能性がある。
少年は目先のものにとらわれ、そこの確認を忘れていた。
きょとんとした表情を見せる少年に、師忠は嬉々として応じる。
「ええ、そうです。まず皇国は高天原より委任をうけた帝が代理統治する地であり、神子はその柱となる存在。いつもは神裔・蒼天・彩天・悠天・灼天・回天の六神子がそれぞれ陽・水・金・木・火・土を担当し、調和をもたらしています。ですが戦乱により国が二分される事態が生じれば、その均衡は崩れてしまう。現に今、平城京の陽成院と皇都の今上陛下・摂政殿下の二大勢力が永らく敵対状態にあり、この均衡は崩れつつあります。あなたも見たでしょう?ほんの4、5年前まで右京もそこまで荒れ果ててはいなかった。あれはここ数年立て続けに起こった天災が原因。その天災は二大勢力の対立に起因します」
ものすごい勢いで新規情報があふれてくる。
さすがに少年は処理しきれない。
「えっと、どゆこと?」
「ようするにこの戦いは、普段は六人いる神子を使った陣取り合戦ということです。神子をすべて引き入れるか、神子が所属する敵陣営を取り込むか滅ぼせば勝ちですね」
少年はしばらく師忠の言葉を反芻していたが、ようやく理解が及んで手をポン、と叩いた。
「つまり、この膠着は神子を一人追加することで崩れる。長く続いた戦乱の終結への糸口となる、それが俺の役割ということですか」
「ええ、その通りです。加えて言うなら神子は存在自体に意味があり、特に職掌はありません。ですが一人でも欠けると一大事。その属性を担当する神の恩恵がほとんど受けられなくなりますから」
――ふーん…ん?待てよ?
さらりと師忠が補足するが、少年に何かが引っかかった。
「でも、再臨は普段はいないんですよね?じゃあ再臨ってそれ当てはまるんですか?」
少年にとって一番気になるのはそこだ。
存在に意味があるからこそ命は保証されている。
だが、それはあくまで「再臨」以外の6人の神子の話だ。
つまり、普段はいない「再臨」が死んでも大した問題が生じない可能性がある。
となれば、厄介なだけの「再臨」は真っ先に抹殺対象となりかねない。
少年は一段と力を込めて尋ねる。しかし、
「それは、分かりませんね。なんせ記録がない。ですが神子の存在は高天原の望むところのもの。つまり再臨に刃を向けるのは八百万の神々に刃を向けるのと同義です。それが皇国において何を意味するのかは想像がつきますよね」
師忠は意味深な笑みを浮かべた。
少年はその意味を必死に探ろうとする。だが、
「すみません、少々この後用事があるのを失念しておりました。これ以上の話はまた追々。仁王丸、犬麻呂、あとはよろしく」
師忠は突然話を打ち切って一礼して立ち上がり、御簾を掲げて母屋を後にする。
「え!?ちょっとそんないきなり!?まだ聞きたいことは山ほどあるのに!」
少年は後を追うが、
「あれ?」
御簾の向こう側に人の気配はもうなかった。
====================================
相変わらずの微笑を浮かべたまま、師忠は人気の感じられない京の町を行く。
「いやはや、これほどまでに胸が高ぶるのはいつぶりでしょうか」
彼はそう独り言つ。
「…まったく。相変わらず性格が悪い」
その表情は、誰にも見えない。師忠は夕闇に消えた。
0
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
異世界転移物語
月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる