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幕間4 / 不死者たちの起床
第53話:幕間4 / 不死者たちの起床
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「おはよー」
「おはよう」
パジャマ姿の三途が目を擦りながら食堂の扉を開ける。
いつものワンピースを着たヴァンヒールがトースターの横で腕組みしていた。朝の陽射し、ではなく間接照明を浴びて白い肌がますます艶やかに輝いている。
デスゲームも五日目に入ったが、食堂の壁に並ぶ食材は全く減っていなかった。プレイヤーがデスゲームに興じているうちに補充しているのか、それとももっとファンタジックなパワーによるのか。もうどちらでも大して驚かないが。
「今日は早いね。今更だけど、吸血鬼って夜行性じゃないんだっけ」
「それもHEAVENが流したデマ。あと劣化版のクリーチャーは夜行性の方が多いというだけ」
チン、と大型トースターから音が鳴る。ヴァンヒールはトーストを無地の皿に乗せ、あらかじめ盛ってあったジャムとバターと共に三途に差し出した。
「ありがとー。親切された側で言うのもアレだけど、ヴァンヒールって人の朝ごはんとか作って待ってる感じのキャラだっけ?」
「別に待ってたわけじゃないけど。ついでに焼いただけ。余ったら捨てればいいし」
「ツンデレじゃん……ってもう死語か? 冷静に考えると、人の好意をそうやって揶揄うのって普通によくないよね。ありがとーツー」
牛乳の入ったコップも受け取り、テーブルには皿とコップの組が三つ並んだ。
「そっか、もう三人しかいないんだ……いや、一人少なくね」
昨日のマーダーミステリーに参加していたのは、三途、ヴァンヒール、シャルリロ、HEAVEN、ゾンちゃんの五人だ。
今までの法則通りなら一つ前のゲームで勝ったゾンちゃんだけがいなくなって、五引く一で残りは四のはず。
「HEAVENは勝手に帰ったけど」
「かかか、勝手に帰った? デスゲームから?」
「そう言っているでしょうが。書き置きを一枚残してね」
ヴァンヒールがテーブルに一枚の便箋を放る。三途は丁寧に畳まれたそれを開いて読み上げる。
「えーとなになに。このデスゲームは人類の脅威ではないと判断したため、勝手ながらお先に退出させていただきます……」
HEAVENらしい落ち着いた筆致で記されたその文章には、確かに退出の旨がはっきりと綴られていた。
マーダーミステリーの調査フェイズでHEAVENとクロケルのDNAが同一であると確認したこと。よってこのゲームは不死者に狙いを定めて内々に行われているに過ぎないと判断したこと。昨日から言っていた通り、HEAVENはデスゲームが人類にとっての脅威で有り得るのか否かにしか関心がなく、故に続行の理由を失ったこと。
「いずれまたどこかで出会った暁には、どのような結末になったのかお教えくださいね。素敵な皆様と巡り会えたデスゲームに感謝を……だってさ。なんじゃそりゃ!」
「やることが無くなれば帰るのは当然でしょ。どうせ妾たち不死者を真に拘束することなんて誰にも出来ないのだし」
「てことは、まだ帰ってないヴァンヒールはまだやり遂げてないことがあるんだ?」
「ええ確かに、そういうことになるわね」
「あれ、素直に認めるんだ。やっぱり当初のキャラよりちょっと丸くなってるような」
「けっこうなことじゃないですか。不死者でもコミュニケーションは大切ですし、ゲームは満足行くまでプレイした方が健全ですから」
「それはそう、ってシャルリロじゃん。おはよーツー」
「おはようございますスリー。ということは、今日のゲームはこの三人ということになりますね」
シャルリロも席につき、いまや寂しくなった円卓で不死者たちの朝食が始まる。何も付けずにトーストを一気に飲み込んでから、三途は場外乱闘の口火を切った。
「ところでシャルリロ。今日のデスゲームのルールはもう決めた?」
三途がその言葉を発したとき、シャルリロはちょうどトーストを口に含んだところだった。無音の中でゆっくり咀嚼し、飲み込んでから応じる。
「はい、今日は決闘ゲームの予定です」
「へー、それは楽しみ。そんでやっぱりデスゲームのルールって禁断の果実を食べた人が考えてたんだ」
三途はコップの縁を時計回りに撫で、シャルリロも反時計周りになぞってみせる。
「ええ、その通りです。つまり第二回のワード争奪ゲームを考えたのは萌え様、第三回の人狼ゲームを考えたのは泥夢さんと遊道楽、第四回のマーダーミステリーを考えたのはゾンちゃん。いつから気付いてたんですか?」
「そうなんじゃないかなーって疑い始めたのは、人狼ゲームの終盤あたりから。泥夢がルールの盲点を突いて独断で処刑を始めたところ、なんか解釈が鮮やかすぎて不自然だったんだよね。人狼ゲームを初めてプレイする人があんなの気付くわけなくない? てか、そもそもなんであんなピンポイントにミスリードを誘う紛らわしいルールになってるの?」
「なるほど。ゲーマーの三途さんにとっては違和感がある流れだったかもしれません」
「そう、だからたぶん順番が逆なんじゃないかな。ルールに抜け道があることに気付いて悪用したんじゃなくて、最初から泥夢自身が悪用できるルールを決めておいたんじゃない? そういえばワード争奪ゲームでも、正解キーワードはアナグラムっていう最大のギミックに繋がるヒントをクロケルから引き出したのは萌え様の質問だったよね。マーダーミステリーでも、運営がゾンちゃんのオリジンを調べたというよりは、ゾンちゃん自身が自分の誕生エピソードからゲームを作っただけなんじゃないの」
三途は牛乳を飲み干して空のコップをテーブルに叩き付けた。ドン、という重い音が主張の勢いを増す。
「そう考えると、色々なことに辻褄が通ってくるんだ。デスゲームの間が必ず一日空くのは? 直前のゲームの勝者が次のゲームのルールを考えるための時間だよね。ゲームの現状を踏まえて不死者らしいデスゲームを考案して、クロケルのノートにルールを書き込む作業に半日くらいは要るでしょ」
「まさしく」
「ゲームの勝者がわざわざ次のゲームに参加してから退場するのは? 影のゲームマスターとして次のゲームを円滑に進めないといけないから。ゲームの重要なポイントを確認して周知したり、自分でゲームの盛り上がりを作ったり。どう? ウチの推理は」
「お見事、全て正解です。正直なところ、いま僕はかなり驚いています。僕も禁断の果実を食べる前に似たようなことを疑ってはいましたが、そのときの推理より君の方が更に正解に近いと認めざるを得ません」
「推理はアンタの方が得意かもしれないけど、ゲームはウチの専門だからね。それで今ウチが真相を暴いちゃったのに、このデスゲームを続ける意味ってまだある?」
「依然として続行ですよ。謎はまだ山のように残っているのですから」
今度はシャルリロが半分残ったコップをテーブルに置いた。タン、という乾いた音が主導権を取り戻す。
「今暴かれたのは表面的な現象の一部に過ぎません。喩えるなら、事件のトリックとして氷の銃弾が使われたことだけがわかったような状況です。いつ何のために誰がそれを発射したのかはまだ全く謎のままですよ」
「つまり?」
「ゲームの背景が多少わかったところで、デスゲーム全体の意図や目的はまだわかっていないでしょう。例えばゾンちゃんはこのデスゲームは殺すことが目的だと言っていましたが、それは具体的には何を指すのか」
「それはそうだけど、その辺りはもうデスゲームの中というよりは外じゃん。デスゲームが終わってから皆で協力して暴く部分だと思ってたんだけど」
「違います。デスゲームの賞品たる真相というのは謎の答え全てです。だから全ての謎を解くには依然としてデスゲームで勝ち抜くしかありません。ここは全く動いていません」
「そうは言ってもね。もうゲームを作る仕組みは解き明かしちゃったんだからモチベが下がってもしょうがなくない? 謎が減ったってことは真相の価値もちょっと落ちたわけだし」
「今まで目を向けてこなかっただけで、他にもよく考えれば不可解なことはいくらでもありますよ。例えば、僕たちはなんで日本語で喋っているんでしょうか?」
「えっ……そこって突っ込んでいいの? それはお約束だからじゃなくて?」
「探偵の辞書にお約束などという甘えた言葉はありません。謎は謎です。これだけ文化圏が違う参加者同士が統一された言語でスムーズに意思疎通できていること自体が一つの謎でしょう」
「ちょっとちょっと。いま目の前でパンドラの箱が開封されようとしている気がするんだけど、この会話って本当に続けていいやつ? トラックとかが突っ込んできて中断される展開にしなくて大丈夫? 今ならまだ聞かなかったことにしてもいいけど」
「一切配慮不要です。いっそもっとはっきり言ってやりますよ。これだけ文化圏が違う者たちが集まって、なんでごくごくローカルな極東の言葉を共通語に採用しているんですか? せめて英語の方が自然では? どうせ皆アルファベットのアナグラムがこなせる程度には話せるんでしょう? ちなみに僕は探偵ですから日本語も英語もドイツ語もリシャフ語も流暢に話せますけどね。なんで君は日本語を喋るんですか? Why don't you use English? Warum sprichst du kein Deutsch? Kavhel valu ven truvahl lisaf-tal?」
「あああ、暴走しないで、収拾が付かなくなっちゃう! くそー、そっちがそう来るならウチも先回りして潰しておくけどさ、この期に及んで『実はこのデスゲームはVR仮想空間でした』みたいな時代遅れで手垢塗れで百番煎じの超つまんない真相を開示するのだけはやめてよね。ウチだって頭の隅っこにはあったけど、ゴミすぎると思って言うの我慢してたんだから」
「確かに僕もそれはナンセンスすぎると思いますし、真相がそれでないことだけは今この場で保証してもいいでしょう。何にせよ、まだデスゲームには解くべき謎が多くあるということには納得してもらえましたか?」
「んん、悔しいけど!」
「妾は別に、そこまで細かいことを知りたいわけではないけど」
ヴァンヒールがコップを机に置いた途端、彼女の白い腕の下から這い出る黒い影がそれを一瞬で飲み込んでいった。
「おはよう」
パジャマ姿の三途が目を擦りながら食堂の扉を開ける。
いつものワンピースを着たヴァンヒールがトースターの横で腕組みしていた。朝の陽射し、ではなく間接照明を浴びて白い肌がますます艶やかに輝いている。
デスゲームも五日目に入ったが、食堂の壁に並ぶ食材は全く減っていなかった。プレイヤーがデスゲームに興じているうちに補充しているのか、それとももっとファンタジックなパワーによるのか。もうどちらでも大して驚かないが。
「今日は早いね。今更だけど、吸血鬼って夜行性じゃないんだっけ」
「それもHEAVENが流したデマ。あと劣化版のクリーチャーは夜行性の方が多いというだけ」
チン、と大型トースターから音が鳴る。ヴァンヒールはトーストを無地の皿に乗せ、あらかじめ盛ってあったジャムとバターと共に三途に差し出した。
「ありがとー。親切された側で言うのもアレだけど、ヴァンヒールって人の朝ごはんとか作って待ってる感じのキャラだっけ?」
「別に待ってたわけじゃないけど。ついでに焼いただけ。余ったら捨てればいいし」
「ツンデレじゃん……ってもう死語か? 冷静に考えると、人の好意をそうやって揶揄うのって普通によくないよね。ありがとーツー」
牛乳の入ったコップも受け取り、テーブルには皿とコップの組が三つ並んだ。
「そっか、もう三人しかいないんだ……いや、一人少なくね」
昨日のマーダーミステリーに参加していたのは、三途、ヴァンヒール、シャルリロ、HEAVEN、ゾンちゃんの五人だ。
今までの法則通りなら一つ前のゲームで勝ったゾンちゃんだけがいなくなって、五引く一で残りは四のはず。
「HEAVENは勝手に帰ったけど」
「かかか、勝手に帰った? デスゲームから?」
「そう言っているでしょうが。書き置きを一枚残してね」
ヴァンヒールがテーブルに一枚の便箋を放る。三途は丁寧に畳まれたそれを開いて読み上げる。
「えーとなになに。このデスゲームは人類の脅威ではないと判断したため、勝手ながらお先に退出させていただきます……」
HEAVENらしい落ち着いた筆致で記されたその文章には、確かに退出の旨がはっきりと綴られていた。
マーダーミステリーの調査フェイズでHEAVENとクロケルのDNAが同一であると確認したこと。よってこのゲームは不死者に狙いを定めて内々に行われているに過ぎないと判断したこと。昨日から言っていた通り、HEAVENはデスゲームが人類にとっての脅威で有り得るのか否かにしか関心がなく、故に続行の理由を失ったこと。
「いずれまたどこかで出会った暁には、どのような結末になったのかお教えくださいね。素敵な皆様と巡り会えたデスゲームに感謝を……だってさ。なんじゃそりゃ!」
「やることが無くなれば帰るのは当然でしょ。どうせ妾たち不死者を真に拘束することなんて誰にも出来ないのだし」
「てことは、まだ帰ってないヴァンヒールはまだやり遂げてないことがあるんだ?」
「ええ確かに、そういうことになるわね」
「あれ、素直に認めるんだ。やっぱり当初のキャラよりちょっと丸くなってるような」
「けっこうなことじゃないですか。不死者でもコミュニケーションは大切ですし、ゲームは満足行くまでプレイした方が健全ですから」
「それはそう、ってシャルリロじゃん。おはよーツー」
「おはようございますスリー。ということは、今日のゲームはこの三人ということになりますね」
シャルリロも席につき、いまや寂しくなった円卓で不死者たちの朝食が始まる。何も付けずにトーストを一気に飲み込んでから、三途は場外乱闘の口火を切った。
「ところでシャルリロ。今日のデスゲームのルールはもう決めた?」
三途がその言葉を発したとき、シャルリロはちょうどトーストを口に含んだところだった。無音の中でゆっくり咀嚼し、飲み込んでから応じる。
「はい、今日は決闘ゲームの予定です」
「へー、それは楽しみ。そんでやっぱりデスゲームのルールって禁断の果実を食べた人が考えてたんだ」
三途はコップの縁を時計回りに撫で、シャルリロも反時計周りになぞってみせる。
「ええ、その通りです。つまり第二回のワード争奪ゲームを考えたのは萌え様、第三回の人狼ゲームを考えたのは泥夢さんと遊道楽、第四回のマーダーミステリーを考えたのはゾンちゃん。いつから気付いてたんですか?」
「そうなんじゃないかなーって疑い始めたのは、人狼ゲームの終盤あたりから。泥夢がルールの盲点を突いて独断で処刑を始めたところ、なんか解釈が鮮やかすぎて不自然だったんだよね。人狼ゲームを初めてプレイする人があんなの気付くわけなくない? てか、そもそもなんであんなピンポイントにミスリードを誘う紛らわしいルールになってるの?」
「なるほど。ゲーマーの三途さんにとっては違和感がある流れだったかもしれません」
「そう、だからたぶん順番が逆なんじゃないかな。ルールに抜け道があることに気付いて悪用したんじゃなくて、最初から泥夢自身が悪用できるルールを決めておいたんじゃない? そういえばワード争奪ゲームでも、正解キーワードはアナグラムっていう最大のギミックに繋がるヒントをクロケルから引き出したのは萌え様の質問だったよね。マーダーミステリーでも、運営がゾンちゃんのオリジンを調べたというよりは、ゾンちゃん自身が自分の誕生エピソードからゲームを作っただけなんじゃないの」
三途は牛乳を飲み干して空のコップをテーブルに叩き付けた。ドン、という重い音が主張の勢いを増す。
「そう考えると、色々なことに辻褄が通ってくるんだ。デスゲームの間が必ず一日空くのは? 直前のゲームの勝者が次のゲームのルールを考えるための時間だよね。ゲームの現状を踏まえて不死者らしいデスゲームを考案して、クロケルのノートにルールを書き込む作業に半日くらいは要るでしょ」
「まさしく」
「ゲームの勝者がわざわざ次のゲームに参加してから退場するのは? 影のゲームマスターとして次のゲームを円滑に進めないといけないから。ゲームの重要なポイントを確認して周知したり、自分でゲームの盛り上がりを作ったり。どう? ウチの推理は」
「お見事、全て正解です。正直なところ、いま僕はかなり驚いています。僕も禁断の果実を食べる前に似たようなことを疑ってはいましたが、そのときの推理より君の方が更に正解に近いと認めざるを得ません」
「推理はアンタの方が得意かもしれないけど、ゲームはウチの専門だからね。それで今ウチが真相を暴いちゃったのに、このデスゲームを続ける意味ってまだある?」
「依然として続行ですよ。謎はまだ山のように残っているのですから」
今度はシャルリロが半分残ったコップをテーブルに置いた。タン、という乾いた音が主導権を取り戻す。
「今暴かれたのは表面的な現象の一部に過ぎません。喩えるなら、事件のトリックとして氷の銃弾が使われたことだけがわかったような状況です。いつ何のために誰がそれを発射したのかはまだ全く謎のままですよ」
「つまり?」
「ゲームの背景が多少わかったところで、デスゲーム全体の意図や目的はまだわかっていないでしょう。例えばゾンちゃんはこのデスゲームは殺すことが目的だと言っていましたが、それは具体的には何を指すのか」
「それはそうだけど、その辺りはもうデスゲームの中というよりは外じゃん。デスゲームが終わってから皆で協力して暴く部分だと思ってたんだけど」
「違います。デスゲームの賞品たる真相というのは謎の答え全てです。だから全ての謎を解くには依然としてデスゲームで勝ち抜くしかありません。ここは全く動いていません」
「そうは言ってもね。もうゲームを作る仕組みは解き明かしちゃったんだからモチベが下がってもしょうがなくない? 謎が減ったってことは真相の価値もちょっと落ちたわけだし」
「今まで目を向けてこなかっただけで、他にもよく考えれば不可解なことはいくらでもありますよ。例えば、僕たちはなんで日本語で喋っているんでしょうか?」
「えっ……そこって突っ込んでいいの? それはお約束だからじゃなくて?」
「探偵の辞書にお約束などという甘えた言葉はありません。謎は謎です。これだけ文化圏が違う参加者同士が統一された言語でスムーズに意思疎通できていること自体が一つの謎でしょう」
「ちょっとちょっと。いま目の前でパンドラの箱が開封されようとしている気がするんだけど、この会話って本当に続けていいやつ? トラックとかが突っ込んできて中断される展開にしなくて大丈夫? 今ならまだ聞かなかったことにしてもいいけど」
「一切配慮不要です。いっそもっとはっきり言ってやりますよ。これだけ文化圏が違う者たちが集まって、なんでごくごくローカルな極東の言葉を共通語に採用しているんですか? せめて英語の方が自然では? どうせ皆アルファベットのアナグラムがこなせる程度には話せるんでしょう? ちなみに僕は探偵ですから日本語も英語もドイツ語もリシャフ語も流暢に話せますけどね。なんで君は日本語を喋るんですか? Why don't you use English? Warum sprichst du kein Deutsch? Kavhel valu ven truvahl lisaf-tal?」
「あああ、暴走しないで、収拾が付かなくなっちゃう! くそー、そっちがそう来るならウチも先回りして潰しておくけどさ、この期に及んで『実はこのデスゲームはVR仮想空間でした』みたいな時代遅れで手垢塗れで百番煎じの超つまんない真相を開示するのだけはやめてよね。ウチだって頭の隅っこにはあったけど、ゴミすぎると思って言うの我慢してたんだから」
「確かに僕もそれはナンセンスすぎると思いますし、真相がそれでないことだけは今この場で保証してもいいでしょう。何にせよ、まだデスゲームには解くべき謎が多くあるということには納得してもらえましたか?」
「んん、悔しいけど!」
「妾は別に、そこまで細かいことを知りたいわけではないけど」
ヴァンヒールがコップを机に置いた途端、彼女の白い腕の下から這い出る黒い影がそれを一瞬で飲み込んでいった。
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