不運が招く人間兵器の異世界生活

紫苑

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第四章

44 全否定

アーダルリアで俺に起きたことを包み隠さず、皆に、否二人に伝える。
二人の反応が怖くて、俺は顔を上げられない。
どんな顔を二人はしているのか・・・・・・
もしかしたら二人とも俺から離れていくかもしれない。
もしかしたら二人とも許してくれるかもしれない。
許されなかったら、俺は・・・・・・・・。

ガタンと椅子から立ち上がる音がして、その方向へ皆が顔を向けるとジルフォードがワナワナと振え、ふらつき、そして、壁にもたれ掛り、
「そ、んな・・・・・・俺は・・・・・・む、り」
「っ!」
「ジルっ!!!」
ジオルドが立ち上がり、ジルフォードの胸ぐらを掴む。
けど、それでもジルフォードは言葉を紡ぐのを止めることは出来ず・・・・
「ジオル、ドとの事は・・・わかるっ!元々スイレンはジオ、ルドと・・・ジオルドとそのような仲になる前の事も、まだ・・・・理解出来る。だがっ!!」
「うん・・・いいよ、続けてジルフォード殿下」
俺は努めて優しい声音を紡いだのだ。
そんな俺の声音で少し安心したのだろう。訥々とだが、自分の意見を言い終える。
「俺たちと夫婦になった後でも、そのような行為をする者を俺の伴侶として認めたくない!!」
「っ!!」
「ジルフォード!!お前っ!」
ジオルドは更に強くジルフォードの胸ぐらを掴み、遂にはジルフォードがつま先立ちになるまで持ち上げたのだ。
「ジオルド!いい!もういいからっ!」
「しかしっ!」
胸ぐらを掴まれているジルフォードはジオルドの手に自分の手を重ねて退けようとしているが、あまりの強さに敵わず。俺はその手を離れさせようと彼の手に触ると、
「触るな!!!汚いっ!」
と、罵られてしまった。
さすがにかなりのショックを与えられた。
だが、何も言うことはできない。俺が悪いのだから。
桃季もわかっているから、怒らず、冷静に静かに居座っているだけだ。
ただ、ジオルドは違った。
「お前はスイレンを裏切った!!!俺はお前を絶対に赦さない!」
胸ぐらを手酷く離し、ジルフォードの肩を強く押した。まるでここから出て行けと言わんばかりに。
レオンハルトもユーステスもじっと動かず、この先を見守るしかないのだ。ただ、二人の眉間には深い深い溝が出来上がっていたのを俺は見逃さなかった。
何に対してかは、わからない。
俺やジオルドの行動に対してなのか、ジルフォードの発言に対してなのか・・・・・・。
「ジルフォード、指輪を置いて出て行け!」
ジオルドは容赦なく、ジルフォードから指輪を奪い、そして机に置いた。
俺も静かに自分に嵌められた指輪を隣に置く。
ジオルドもだ。
「ここにフィルハート帝国第四王子ジルフォード・フィルハートとフィルハート帝国第四騎士団団長スイレン・フウマの離婚が成立した!立証人はここにいる者全員だ!」
「「「承知致しました、ジオルド・フィルハート第三王子殿下」」」
俺を含め、ジルフォード以外はジオルドに敬礼をした。
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