不運が招く人間兵器の異世界生活

紫苑

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第一章

30.虚言

「ジルフォード殿下、お願いがあるのですが?」
「なんだ、畏まって?気味が悪いぞ?」
おい、俺が殊勝な態度を取れば、その言いぐさか!?
「じゃ、通常で。俺が捕えたバーミリアのあいつらに会わせてくれ」
「うん、今度は不敬極まりない言い方だな。ま、その方がスイらしいが」
「スイ、どうして今更会うの?父上たちが証言を得たんだろう?」
ジオルドが何故か不満げだ。
「だって、あんなとこにスイを近づけさせたくないから」
「気遣いは感謝するけど、あいつらの証言は俺の考えと異なるぞ。アルバートにも説明したら、はっきりと「違う」って言い切るだろうな」
「「アルバートも??」」
「ああ、だって、『精霊の住まう森』であいつらの会話を聞いたのは、俺とアルバートだけだからな」
「そういえば、そうだったな。よし、では皆で楽しい(・・・)尋問に行こうか」
ということで、楽しくない尋問の為にゾロゾロと捕えている地下牢へ向かう。
牢という場所は、清潔ではないイメージがあったが、そうでもなかった。
湿った臭いもなければ、窓がないのにどこからか風が入ってくる。
ジメジメ感がないので、想像していた牢とかけ離れている。
何カ所かある牢の一つにその二人は纏められていた。
「あ、テメーは、あの時の!?」
一人が俺を指さし、もう一人は恐怖の色を顔に纏っている。
「俺は、フィルハート帝国第四騎士団団長、スイレン・フウマだ。よろしくはしたくない。本題に入る。お前ら家族をバーミリアに人質に捕られていないな?」
ギクリと音が出そうなくらいに、この者たちの身体が飛び跳ねる。
「お前たちは『精霊の住まう森』で言っていたな。王が水を浄化するための聖女召喚に資金がいる為と嘘を吐き、民衆から税金を巻き上げ、自分たちの水だけ確保し、そして、お前たちは水を汚染するように依頼され、金(・)を(・)貰った(・・・)、と」
つまり、
「我々フィルハート帝国の王族に嘘を吐いたということだな。それがどれだけ重罪かわからないわけないだろう?」
「ぐっ!た、助けてくれっ!情報は全て渡す!」
「そうだっ!バーミリアについての情報は全て渡す!だから命だけは!!」
みっともなく格子に縋り付く。
「情報はいらん。大体把握した。貴様らがどうなろうが、俺にはどうでもよいことだ。罪もない人々の命を脅かした罪をどのような形であれ、償え、愚か者共」
「「ひっ!!」」
もう、ここに用はない。
「殿下、この者たちの処分はお任せします」
「ああ、ついでにこの事も陛下に伝えてくる。アルバート付いてこい」
「はっ!」
「あ、待って!この間の闘技場って今日使える?」
ジオルドを引き留めると、
「ん?あそこは普段使えるけど、どうしたの?」
「ん~~~報告後そこに来て。俺を加護してくれる『神獣様』を召喚するから」
「「「『神獣様』???」」」
「ん、この世界は精霊の加護だけど、俺がいた世界では、というか、普通は加護なんてないんだけど、俺が超特別製人間兵器なだけなんだけど。そっちでは『神獣』と呼ばれていた神々だ」
「「「神~~~~~~~~~~~!!!」」」
「そんなに驚かなくても。あ、小さい子がいたら連れてきて。神獣様が喜ぶから」
「あ、ああ・・・それはいいのだが。ま、わかった。報告しながらそちらに向かう」
「ん、了解。じゃ、行こっか!」
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