不運が招く人間兵器の異世界生活

紫苑

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第一章

40.神格化された魔王

「よっ!ジオルド殿下!こっちはどうなっええぇぇぇぇぇぇ、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!!!」
俺はスラム街をレインに任せ、ジオルドたちの所に戻ってきたら、俺の事を無能などと呼び蔑んだ民たちが一斉に座り、俺に頭を下げてきたのだ。
「数々の非礼、申し訳ございませんでしたっ!」
「「「でしたっ!!!」」」
「貴方様がこちらの世界に御降臨された『神』だったとはっ!!」
「はっ??!!!神???」
「ああ、どうか、我々の所行をお許しください!!」
「ああ、神よっ!!!」
はは~~~と、平伏して、俺の次の言葉を待つ民たち。身体は震え、どんな言葉が俺から繰り出されるのか恐怖なのだろうが、その前に・・・・・・・
「何、この茶番?」
「わからない。スイがいきなり『神格化』されてしまった」
「あ、そう・・・・・で、俺どうしたらいいわけ?」
「スイが思うように行動してくれたらいい。た・だ・しっ!勝手な真似だけはしないでくれ。こうなったのもスイが勝手に動いたからだ」
「あ、俺のせい?ま、反省は少しだけしといてやるとして。で、お前らは無能な俺にどうしてもらいたいんだ?」
ギロリと平伏する民に視線を投げる。
あちこちで小さく「ひっ!」と息を飲む音が聞こえたが、俺は「神」なのだろう?恐怖を感じるなら「魔王」とでも思ってんじゃないのか?
「わ、私たちは貴方様があの素晴らしい力をお持ちになっておられたこと、存じておりませんでした」
「だから、『無能』呼ばわり?あんまりじゃねーの?こっちに来て、説明もされず、金も渡されず、城から出てきた俺を『不要人』だったか?『税金泥棒』だったか??石まで投げつけて。見ていただろう?血が出ていたの?」
「ぐっ!!!」
「俺は聖人君子じゃねんだよ。謝罪をされたからって心のこもっていない声にホイホイと手を貸すわけねーだろ?」
この勝手の良さに呆れてくる。
「も、申し訳ありません!いくらでも謝罪いたしますから、どうか、どうか、お助けを!」
「スイ、そのくらいにしておけ。お前、今、まじで『魔王』だぞ」
「ジルフォード殿下、失礼ですよ、俺に。ま、属国にするんだから、『瘴気』を祓わないといけないですし、ま、いいでしょう」
途端、「「「おおおおおおっ!」」」と喜びの歓声が民から上がり、マジで、うぜー。
おっと、いけない!これだから『魔王』呼ばわりされるんだな。
「俺はスラム方面から城に向かって、殿下たちは反対側からお願いします。ジルフォード殿下が浄化をした後、すぐさまその空間を包むようにジオルド殿下が清浄してください。シュタイン団長及びアシュレイ副団長は殿下たちの護衛をお願いします。そして、騎士は殿下たちの組と俺の組に分かれてくれ!スラムほど酷くはないが、道中遺体が所々にある。それを一箇所に回収してくれ。殿下側にも居られると思う。最終的には一箇所に纏め、皆で弔う!では、住民たちも分かれてくれ!時間はかかるが今日中には終わらせる!終わった箇所の住民は、家だけではなく、水路や路地裏の清掃をしてください。そういう所から『瘴気』は沸きますから」
「「「神のお導きのままに」」」
「・・・・・・・は?(ジオルド)」
「・・・・・・・・・・・・・・・・は?(ジルフォード)」
「俺は『神』じゃない・・・・・・最強の人間兵器だ」
「不運から始まったこの異世界生活で、人間兵器から「神」に崇め奉られるとは、本当に不運なのか?」
「ジル殿下、それ以上言うのならば、ご褒美あげないけど」
「おっと、言い過ぎたな、スイ。ま、これが俺の性格だって知っているだろう?」
「ま、な。そんなジル殿下が可愛いのだけどね」
「かわっ!?俺が、か?」
「当たり前だろう?なあ、ジオルド殿下?」
「そうそう、素直じゃないジルが可愛いんだよ」
「二人で俺をなんだと思っていやがる?」
「「さぁ?可愛い弟??」」
「お・れ・は!スイより年上だぁぁぁぁぁっ!!」
「「はいはい」」
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