不運が招く人間兵器の異世界生活

紫苑

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第一章

46.介抱の後、行動

「ん・・・・・」
目を開けると、ジオルドとジルフォードが既に支度を調えて、優雅に紅茶を飲んでいる。
「スイ、起きた?」
「お腹空いてないか?スープくらいなら飲めるだろう?」
「ん、の・・・ごほっ!かはっ!」
「ああっ!あれだけ喘げば喉を痛めるよね。ちょっと待って」
ジオルドが治癒をしてくれたおかげで、喉の痛みは取れたが、腰と尻の痛みはしっかりと残っている。
だけど、この痛みは残していたい。
愛された証拠なのだから。
「はぁはっ・・・スープください」
上半身をゆっくりと大きな枕に預けると口元にスプーンを添えられた。
「ほら、飲め。ゆっくりな」
「ん・・・・・・・・美味しい」
「それはそうだろう。まともに食べてないからな。ジオルドが今他の温かい物を用意するよう手配しているから、ちょっと待ってろ」
「ん、ありがとうございます」
「身体は綺麗にしておいたが、何か他にして欲しいことはないか?」
「はは、優しい」
「当たり前だろう、我々の大切な人なのだから」
「っ!!!うう、恥ずかしい」
綺麗な容姿の男性にまっすぐに言われた場合の女性の心がよくわかった。
「今、いつ頃ですか?」
「この部屋にはスイと俺たちしかいないのだから、敬語は不要だ。昼前だ。動けるようなら、今後どうするか決めたいのだが」
「ああ、今後ね~~~。とりあえず、ユーステスを借りたいのとバーミリアでは食料が足りていないと思うから、騎士の交代に乗じて食料も運び込もう」
「そうだね、スイ。あ、頼んだからね、温かい食事。それを食べたら行動開始しようか」
「そうだな、それまでには俺も動けるようになってると思うし。悪いけど服取ってくれ。着替えておくから」
ホイとジルが何故かジオルドに手渡し、二人して俺の着替えを手伝ってくるのだ。
甲斐甲斐しいにもほどがある!
一人で着替えた方が、断然早いのに!!
「そうだ、スイに聞きたいことがあったんだ」
「ん?何?」
「『精霊女王の力』が弱まっているのって、瘴気に関係あるって事でいいのかい?」
「そう。精霊女王は精霊たちを護る義務があるんだと思う。だが、瘴気のせいで精霊たちが毒されていっているんだろうね。それを救うのも王たる務めなのだろう。だが、昨今の瘴気の状況から自分の本体に限界が来てしまったのだろうね」
本当にクソ親父は大変なことをしでかしてくれた!
ん?というか、あいつ何でこっちにいるんだ???
異世界転移なんて力、俺にないのにあいつにあるはずがないのだ。
全ての力を与えられた人間兵器の俺ですら、そんな力は持っていない。
ということは、こちらに召喚されたという考えしか思いつかないわけで。
じゃあ、バーミリアが召喚したのか?
それとも他の国が??
尋問事項が一つ加わった。
「『瘴気』を世界からなくす努力をせねばな」
「ああ、そうだな」
食べながらどんな食料を持って行くのかを決め、食事が終わると第一騎士団にユーステスを借りることを了承しに行き、なぜかヴォルフも付いてきてくれることになった。というのも、第三騎士団をこちらに一度戻し、第一・第二が交代することになったためだ。ということで、もちろんアラベスク団長も来てくれるので、正直助かる。第一王女殿下の騎士団もヘルミナ様の騎士団と交代で来てくれることになった。
第一・第二殿下は尋問と事情を聞く役目に回り、王女殿下並びに王妃様方は保護した方々のお世話に回るとのこと。陛下は各国に通達などの仕事をしなければならないとのことで、今、新たな混乱が生まれているのだが、ま、ここのことは任せて、
「さ、行きましょうかね」
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