73 / 247
第二章
19.税金泥棒
「うん、本当にスイが魚介類好きだと言うのは判った。帝都でも新鮮な魚を手に入れられるよう考案する」
「よっしゃーーーーーーーーーーっ!」
俺は両手を挙げて大喜び。その様は
「本当に子供だな」と呆れられるくらいでした。
「スイのおばあ様の話に戻るが、彼女はこちらに召喚され、こちらで寿命を閉じた。しかし、亡骸は埋葬途中に消えてしまった、という言い伝えだ」
「・・・・・??ん、ということは、新たに俺たちの世界で『生』を受けたということか?そういや、こっちの世界の話、一度も聞いたことなかったな」
おばあちゃん子の俺が聞いたことないのだから、ばあちゃんはこちらの世界で亡くなった『記憶』が無く、新しい命を貰い、生をやり直したのだろうか。だが、召喚された時代のばあちゃんはどうなったんだろう?
そして、『風磨一族』はこの世界に縁があるのだろうか。
ただ、ばあちゃんは二度とこちらの世界もあっちの世界でも「トウカ・フウマ」として生きることはない。こちらの世界で亡骸が消え、俺が生きた世界で新たな『生』を受け、俺が最期を看取りちゃんと『骨上げ』をしたのだから。
「ばあちゃんが生きた世界で俺生きてるから、心配しなくていいよ。ばあちゃんのおかげでたこ焼きとか食べられるから、ありがとうね!」
空に向かって微笑むと、ばあちゃんの満面の笑みに会った気がした。
その綺麗な思い出をかき消す怒声が噴水広場の方から聞こえてくる。
「余所の村の税金を巻き上げて開催する祭りに、何の意味があるっ!」
「税金泥棒っ!返してよっ!」
「俺たちの村の金、返せっ!」
と、「返せ」コールの中に不平不満が混じる。
『税金泥棒』とは?ならず者が言っていた内容と似ている。
「すみません、第四騎士団の者ですが」と、近くにいた不平を漏らす民に声をかける。
「ああっ!き、騎士様!!助けてください!!!」
「騎士様だっ!」
「助けてください!!!」
俺に群がってくる人々をレインが押しとどめ、
「お話はお伺い致しますので、落ち着いてください」
レイは、
「殿下、どこかゆっくりできる場所に転移いたしましょう」
「そうだな。じゃ、『精霊の住まう森』に行くか。簡易テントもあることだし」
・・・・・そういえば、初めて会った時のあの建物、回収し忘れてるわ。
あんな大きい建物を簡易テントで済ませられる神経が理解はできないが。
ま、あんな建物が四角いキューブからできたなんて驚きだったけど。
「じゃ、行こっか」
というので、
「待って!!!たこ焼き、鯛焼き、イカ焼き、海鮮焼き、全て50人分買ってくる!」
「「「「「「うおぉぉぉおぉぉぉいっ!!」」」」」」
「スイ、買いすぎだ・・・・・・・・」
精霊の住まう森に着いた途端、アルに文句を言われたけど、連れてきた民は皆襤褸の服を纏い、顔もすす汚れ、体はやせ細っている。
あそこの場に立っていられたのも『返して欲しい』という気力からだろう。
だから、少しでも力を付けて欲しくて買い込んだのだ。
「私たちはホルシオの街から少し離れた村々で暮らしています。前の領主が村の保証をしてやるから税金を払えと言ってきました。疑う者はおらず、払い続けても全く援助もなにもありません。詳しく調べてみると、我々の税金がホルシオを栄えさせるために使われていたようで」
「挙げ句、働き手まで取られ・・・・・今、息子たちがどこにいるのかもわからないのです!」
「酷いな、それは・・・・・・・。スイ、私たちはこの方たちからご子息たちの名前を伺い、捜索の手はずを整える。君はレイと共にこの方たちを回復してあげてくれ。栄養を充分に摂れていないせいなのか、脈拍が些か早く感じる」
「了解しました、ジオルド殿下。それにしてもよくわかりましたね」
「ああ、精霊たちが私に『耳をすませて』と語りかけてくれたんだ」
「ふふふ、大層気に入られたようで。では、荒事の際は俺が引き受けます。それまで、しっかりとお勤めしてください」
「荒事って。スイが言うと本当に起きそうで怖いよ」
レインたちが既に調査を始めており、俺とレイは、呼吸不全などを抱えている人たちの介抱に手を尽くした。
「と、いうことだ、スイ」
「何がだよ・・・・・・・・ホルシオって結構『クソ』じゃねーか」
「だな。まさかここまでとは思いもしなかったよ」
民をとりあえず自分の村まで送り届け、ホテルに戻ってきたのだ。
ただ、第三騎士団連中は一旦帝都に戻ってからだけど。
「私の団員に所在を調べるよう、通達してきたから、早ければ2,3日には結果が出るだろう」
「碌な新婚旅行じゃなかったな・・・・・・・」
今日が最終日なのに、結局仕事で、明日朝一で帝都に戻らないといけない。
新婚旅行はとりあえず、『尻をよく使いました』!花丸!!
で、締めくくられるわ。
「よっしゃーーーーーーーーーーっ!」
俺は両手を挙げて大喜び。その様は
「本当に子供だな」と呆れられるくらいでした。
「スイのおばあ様の話に戻るが、彼女はこちらに召喚され、こちらで寿命を閉じた。しかし、亡骸は埋葬途中に消えてしまった、という言い伝えだ」
「・・・・・??ん、ということは、新たに俺たちの世界で『生』を受けたということか?そういや、こっちの世界の話、一度も聞いたことなかったな」
おばあちゃん子の俺が聞いたことないのだから、ばあちゃんはこちらの世界で亡くなった『記憶』が無く、新しい命を貰い、生をやり直したのだろうか。だが、召喚された時代のばあちゃんはどうなったんだろう?
そして、『風磨一族』はこの世界に縁があるのだろうか。
ただ、ばあちゃんは二度とこちらの世界もあっちの世界でも「トウカ・フウマ」として生きることはない。こちらの世界で亡骸が消え、俺が生きた世界で新たな『生』を受け、俺が最期を看取りちゃんと『骨上げ』をしたのだから。
「ばあちゃんが生きた世界で俺生きてるから、心配しなくていいよ。ばあちゃんのおかげでたこ焼きとか食べられるから、ありがとうね!」
空に向かって微笑むと、ばあちゃんの満面の笑みに会った気がした。
その綺麗な思い出をかき消す怒声が噴水広場の方から聞こえてくる。
「余所の村の税金を巻き上げて開催する祭りに、何の意味があるっ!」
「税金泥棒っ!返してよっ!」
「俺たちの村の金、返せっ!」
と、「返せ」コールの中に不平不満が混じる。
『税金泥棒』とは?ならず者が言っていた内容と似ている。
「すみません、第四騎士団の者ですが」と、近くにいた不平を漏らす民に声をかける。
「ああっ!き、騎士様!!助けてください!!!」
「騎士様だっ!」
「助けてください!!!」
俺に群がってくる人々をレインが押しとどめ、
「お話はお伺い致しますので、落ち着いてください」
レイは、
「殿下、どこかゆっくりできる場所に転移いたしましょう」
「そうだな。じゃ、『精霊の住まう森』に行くか。簡易テントもあることだし」
・・・・・そういえば、初めて会った時のあの建物、回収し忘れてるわ。
あんな大きい建物を簡易テントで済ませられる神経が理解はできないが。
ま、あんな建物が四角いキューブからできたなんて驚きだったけど。
「じゃ、行こっか」
というので、
「待って!!!たこ焼き、鯛焼き、イカ焼き、海鮮焼き、全て50人分買ってくる!」
「「「「「「うおぉぉぉおぉぉぉいっ!!」」」」」」
「スイ、買いすぎだ・・・・・・・・」
精霊の住まう森に着いた途端、アルに文句を言われたけど、連れてきた民は皆襤褸の服を纏い、顔もすす汚れ、体はやせ細っている。
あそこの場に立っていられたのも『返して欲しい』という気力からだろう。
だから、少しでも力を付けて欲しくて買い込んだのだ。
「私たちはホルシオの街から少し離れた村々で暮らしています。前の領主が村の保証をしてやるから税金を払えと言ってきました。疑う者はおらず、払い続けても全く援助もなにもありません。詳しく調べてみると、我々の税金がホルシオを栄えさせるために使われていたようで」
「挙げ句、働き手まで取られ・・・・・今、息子たちがどこにいるのかもわからないのです!」
「酷いな、それは・・・・・・・。スイ、私たちはこの方たちからご子息たちの名前を伺い、捜索の手はずを整える。君はレイと共にこの方たちを回復してあげてくれ。栄養を充分に摂れていないせいなのか、脈拍が些か早く感じる」
「了解しました、ジオルド殿下。それにしてもよくわかりましたね」
「ああ、精霊たちが私に『耳をすませて』と語りかけてくれたんだ」
「ふふふ、大層気に入られたようで。では、荒事の際は俺が引き受けます。それまで、しっかりとお勤めしてください」
「荒事って。スイが言うと本当に起きそうで怖いよ」
レインたちが既に調査を始めており、俺とレイは、呼吸不全などを抱えている人たちの介抱に手を尽くした。
「と、いうことだ、スイ」
「何がだよ・・・・・・・・ホルシオって結構『クソ』じゃねーか」
「だな。まさかここまでとは思いもしなかったよ」
民をとりあえず自分の村まで送り届け、ホテルに戻ってきたのだ。
ただ、第三騎士団連中は一旦帝都に戻ってからだけど。
「私の団員に所在を調べるよう、通達してきたから、早ければ2,3日には結果が出るだろう」
「碌な新婚旅行じゃなかったな・・・・・・・」
今日が最終日なのに、結局仕事で、明日朝一で帝都に戻らないといけない。
新婚旅行はとりあえず、『尻をよく使いました』!花丸!!
で、締めくくられるわ。
あなたにおすすめの小説
処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる
猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。
しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。
当然そんな未来は回避したい。
原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。
さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……?
平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。
ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
腐男子♥異世界転生
よしの こひな
BL
ある日、腐男子で新卒サラリーマン・伊丹トキヤの自室にトラックが突っ込む。
目覚めたトキヤがそこで目にしたのは、彼が長年追い続けていたBL小説の世界――。しかも、なんとトキヤは彼が最推しするスパダリ攻め『黒の騎士』ことアルチュール・ド・シルエットの文武のライバルであり、恋のライバルでもあるサブキャラの「当て馬」セレスタン・ギレヌ・コルベールに転生してしまっていた。
トキヤは、「すぐそばで推しの2人を愛でられる!」と思っていたのに、次々と原作とは異なる展開が……。 ※なろうさん、Caitaさん、PIXIVさんでも掲載しています。
52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった
よっしぃ
ファンタジー
【祝!3/22~25 ホットランキング第1位獲得!】
皆様の熱い応援、本当にありがとうございます!
ファンタジー部門6位獲得しました!感謝です!
【書籍化作家の本気作。まず1話、読んでください】
電車でマナー違反を注意したら、逆ギレされて殴られた。
気がついたら異世界召喚。
だが能力鑑定は「なし」。魔力適性も「なし」。
52歳のおっさんに、異世界は容赦ない。
結論――王都の地下下水道に「廃棄」。
玄湊康太郎。職業、設備管理。趣味、健康管理。
血管年齢は実年齢マイナス20歳。
そんな自慢も、汚物まみれの下水道じゃ何の役にも立たない。
だが、転んだ拍子に起きた「偶然の浄化」が、すべてを変えた。
下水には、地上の連中が気づかない「資源」が眠っている。
捨てられた魔道具。
長年魔素を吸い続けた高純度魔石。
そして、同じく捨てられた元聖女、セシリア。
チート能力なし。異能なし。魔法も使えない。
あるのは、52年分の知識と経験、そして設備屋としてのプロ意識だけ。
汚物を「資源」に変え、捨てられた者たちと共に成り上がる。
スラムから始まる、おっさんの本気の逆転劇。
この作品には、現代の「病気」と「健康」に対する、作者の本気のメッセージが込められています。
魔力は毒である。代謝こそが命である。
軽い気持ちで読み飛ばせる作品ではありません。
でも、だからこそ――まず1話、読んでください。
【最新情報&著者プロフィール】
代表作『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』(オリコンライトノベル部門18位記録)の著者が贈る最新作!
◆ 2月に待望の【第2巻】刊行!
◆ 現在、怒涛の展開となる【第3巻】を鋭意執筆中!
◆ 【コミカライズ企画進行中】!
すでにキャラデザが完成し、3巻発売と同時に連載スタート予定です。絶対的な勢いで駆け上がる本作に、ぜひご期待ください!
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。
はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。
2023.04.03
閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m
お待たせしています。
お待ちくださると幸いです。
2023.04.15
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
更新頻度が遅く、申し訳ないです。
今月中には完結できたらと思っています。
2023.04.17
完結しました。
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます!
すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。