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第二章

54 その後

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処刑後、帝都はもちろんのこと、ホルシオや焔でも動きがあったため、俺たちは各々別行動を余儀なくされていた。
まず、ホルシオでは新しい司祭が決まり、先に就任していた領主と共に孤児の保護を優先的に行うための決議が開かれ、第一殿下と団長および副団長がその議会の見届け人として参加した。別の会議室では第二殿下がホルシオの誇る漁業で、年間どのくらいの水揚げがされているのか確認をし、脱税や横領などがなかったか調査している。それには膨大な資料との睨めっこが必要となるため、ジオルド及びジルフォードも監督という責でホルシオに出向した。
焔には、俺とレイン、第三騎士団が第一騎士団と共に土地開発及び民が必要とする物資などを運ぶ日々を送っていた。
田畑には実りが多く、作物には危惧する必要がなくなったが、その後作物を加工する機材が大量に不足していたのだ。
日本伝来の機織り機を欲してももちろんフィルハート帝国では、手に入らない。よって、資材を運び、焔の人々で作り上げた。
味噌や醤油を加工する大きな樽も必要だった。それは帝国に存在するため、運ぶのにかなりの人手を必要としたが、運び終わると、民が握った握り飯を頬張って皆で笑い合った。
そして幾日か経過した頃、焔は一つの『街』として出来上がっていた。
もう何も心配することなどない。
あとは、『領主』を置くことを検討するまでに至った。
当初は第一殿下が統治する予定だったのだが、多忙のうえ『更に』となると、目が回って手が回らない事は誰の目にも明らかだったため、貴族院たちが評決を取り、侯爵家の次男が領主となることが決定したのだ。しかも、その侯爵家次男は、ナルミア様の婚約者とのこと。
侯爵家次男をある意味での『王』と置き、ナルミア様を王妃にすることで決議が可決されたのだ。
それにナルミア様は焔の民にかなり感謝をされている。
実は、ナルミア様が一番『焔』に援助をしてくれたからだ。
俺も知らなかったのだが、
「スイの元の世界の風習や習慣は残しておきたいじゃない?それにスイだって『日本』?って国を懐かしく思うことだってあると思うのよ!だから大切にしないとね!」
と、俺の事を含めての援助だったそうだが、追加で
「ま、スイはあんまりそこら辺頓着しているようには見えないから、『日本』?という国に未練はないのでしょうけど。あ、これは内緒ね!!」
・・・・・・・・という内容だったので、誰も俺に教えてくれなかったのだ。

無慈悲っ!!!

と、叫んでも誰も文句は言わないだろう。否、言わせないけどね!!!
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