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第三章

閑話2 至高の宝だったのに

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閑話2



「ひ・・・・あん・・・・・・やん・・・・・・」
びちゃびちゃと水音が床に零れる音と聞きたくもない女の嬌声が地下の牢内に響く。
「うるせーーーーな、上も下も!」
ビシッ!!!
「ひぎぃぃっ!!」
鞭が臀部に強烈に穿たれ、悲鳴と共にジョロロロロと下品な音と硫黄臭が密閉された空間に放たれる。
女は全裸で三角木馬に強制的に座らされ、抵抗できないよう手足を拘束され、そして孔という孔からは全て流せる物は流している始末。
汚物も含めてだ。
臭い匂いが充満するこの地下室は桃季が所有する料亭の地下。桃季の『役割』は裏切り者の『始末』。
だから、地下が用意されているのだ。
『始末』にも種類がある。
『始末』だからそれ相応の部屋はあるが、拷問部屋ももちろんある。それには性拷問の部屋もあり、ありとあらゆる卑猥な危惧が壁に飾られている。
そんな部屋に一人の売られた女を縛り付け、拷問しているのだ。
ただの拷問では『売り物』にならない。
強気な女を屈服させるのが好みの『客』もいるが、この女はじゃじゃ馬過ぎる。
何せ、俺の大切な翠蓮を何処の世界か、あの世かもしれない場所に突き落とした女だからだ!!!
翠蓮の嬌声なら聞いてみたい。
あの綺麗な顔から、あの強い眼差しから、あの穏やかな雰囲気から、一気に『色』に犯される翠蓮の姿なら見物だ。
だが、このクソビッチな女などどうでもいい。
良い値で売れたらそれでいい。
それまでに調教全て終わらせてやる!
しかし、この臭い匂いどうにかならないか・・・・・・・。

「こ、こんなぁああん、ことしてぇぇえぇ!許される、ひぎぃぃぃっ!!」
手ひどく三角木馬を蹴ると、五月蠅く罵っていた口からは快楽の悲鳴があふれ出す。
「すげーーな、テメーは。これだけヤラレてまだ意識残ってんだ?じゃ、もっと酷くしてもいいな?」
この女の汚ねーケツにこの部屋で一番太くて長くて重いディルドを勢いよく突っ込む。
すんなりと入り込む後肛は赤く腫れ上がり盛り上がっている。
「ぐぁあぁぁん!!!きもちぃ・・・・・・あん!!」
「テメーはな、親に売られたんだよっ!俺たちの翠蓮様を裏切ったんだからな!」
そうだ!
俺たちの大切な!
翠蓮を!!
翠蓮様を!!!!
あいつは!
あのお方はとても尊く、気高く!
俺の大好きな!!

幼なじみだったのに!!!

「テメーは契約を破ったんだよっ!!」
「ひぎゃぁぁぁっぁつ!!」
鞭を激しく振り下ろすと、その痛さに腰が引け自らの体重で動いたせいで股間が摺られ、否応なしに快楽へと引きずり込まれる。
「あいつはただの『雇われ護衛』だ。ただし国内最高のな!契約の時に伝えたよな!!テメーの身は護る、それが仕事だと!だがっ!俺たちの身を故意をもって危険にさらせば違約金または身柄を『売る』という契約だったろうが!知らねーとは言わせない!!」
木馬を激しく蹴りながら、鞭を降り続ける。
「ああああああっ!いっ!あ・・・・・もっとぉぉ・・・・・・」
「何気持ちよくなってんだ?聞いてんのかよっ!!」
振り上げた鞭は後肛に厳しく当たり、赤い液体を流し出す。
「いたぁぁぁいっ!!・・・・・・し、知らないわよっ!そんな契約!」
「んな、わけねーだろうがっ!テメーもその席にいたんだからよっ!」
「ひぐぁつ!!!やめっ!!ああああんっ!!!」
「竜胆、もうその返にしておけ。こいつの股間が使い物にならなくなったら売れないだろうが」
「ちっ!桃季邪魔するな!」
「いやいやいや。ここの後始末するの、俺の式神なんですけど?」
「・・・・・・・悪い・・・・・・頭に血が上って・・・・・・」
「ん、わかってる。お前は翠蓮大好きだもんな」
「ん、大好きだ・・・・・・・・」
「そっか・・・・・・・」
桃季は印を組み
「来たませ今世へ。来たませ我が領へ!」
と、唱えると足下に小さな可愛らしい十字の紙の式神が現われた。
この式神は部屋を掃除してくれる『掃除屋』だが、特定のモノしか掃除しない。
それは主が『汚物』とはっきりと認識したモノだけだ。
つまり、桃季さえこの女を『汚物』と認識したならば、式神たちは『掃除』するのだ。
そういう意味で。
「ということは、桃季はこの女をどう思ってるんだ?」
「ん?『金になる汚物』?」
つまり『金』になるから単なる『汚物』ではないのだ。だから、『掃除』しない。
本当に出来た式神だ。
「竜胆、翠蓮は絶対生きている。なんとなくだが、翠蓮はどっかで大きな事を成しているように思える」
「・・・・・・・・あいつはタダでは死なない。だから、絶対に生きている。が!この女のしたことは赦せん!」
「それはそうだな。ま、買い手はついた。海外のお客様だ。『上位なお嬢を屈服させ、犬落ちさせる』ことを嬉々とする貴族様だ」
「ほ~~~~。それは素晴らしいな。ということは?」
「ああ、もちろん残りの命は短いな」
「けっ!」
女は快楽で赤く染まった身体を震わせ「いやよ」と小さく呟いているが、知ったことではない。
「俺たちと契約をするということは、多大なリスクを伴うんだよ」


「何て言ったって俺ら『人間兵器』だからな」


その言葉に愕然とした後気絶したこの女は、目覚めると既に違う世界に迷い込んでいた。

「ココ何処????」
「あ~~~やっと起きたか、次のペットが。何日保(も)つかな~~~??」
「ひっ!!!」
女は部屋を見渡すと、先ほどまでいた部屋以上の快楽の拷問器具がずらりと並べられた異様な部屋で。
家具などは高級品などと見受けられるが、それらの物が異彩を放っているため、ただの飾りでしかない。
「あ、あ、あ」
「お前はあの者たちを裏切った。それが貴様の報いだ。さ~~私のペット。今日から君に名前はない。服もない。あるのは後肛にねじ込まれたプラグだけ。はははははは!!良い姿だなっ!裏切り者の末路はこうなるんだよっ!」
「ひぎゃぁあああああああああああああああああああああっ!!」

そして、女はこの世から抹消された。
代わりに快楽をただただ享受する人形が誕生したのだった。


「竜胆、お前翠蓮のことになると本当に人が変わるな」
「五月蠅い」
「翠蓮をそんな目で見ていたなんてな」
「・・・・・・お前もだろう」
「・・・ああ、そうだな。抱けるなら抱いてみたかった」
「俺もだ。俺だって・・・・・・・」
「お前には葵がいるだろう?」
「・・・・・・・翠蓮は違う。あいつは・・・・・・・」
「そうだよな。俺たちの宝で、至高の神に等しい」
「俺は抱きたかった、翠蓮を。抱いて、快楽に身を任せる翠蓮を抱きしめたかった」
「でも、決行はできない」
「ああ、それほど至高の宝石だ」
「そうだな。あいつは・・・・・・・・・」





「至高最上級の宝だったのに・・・・・・・・・」
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