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第三章

48 新たな存在

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俺は殿下たちが愛してくれた証を洗い流す。
下水に流れ落ちていくジオルドとジルフォードの精が混じり合った白い精液を見ると、少し残念に思い自然と自分の下腹部を撫でるとゾワリとしてしまったので、もう二人の事を考えるのは止めてとりあえず身ぎれいにした。
菖蒲が用意してくれたのだろう新しいラバースーツを着込み、鏡で噛み痕がしっかり隠れているかチェックする。

「翠蓮、温かいハーブティーを用意したわ。飲んで内臓をさっさと回復して頂戴」
「内臓?確かに下腹部は鈍痛がするけど・・・・・・・」
「は~~~言いたくはないのだけど、気を失ったあんた「脱腸」していたそうよ」
「ひっ!!ま、まじでか???」
「殿下たちは『やり過ぎた』と後悔していたけども、喜色を滲ませた表情だったから本心だったのか疑わしいわね」
俺はそっとパンツの上からそこを撫でるが特に違和感はない。
「そこだけ治癒して再び『再生の戦場』へ向かったわよ」

・・・・・・・・・・なんとも憐れな治療なのだろう・・・・・・・・・・


「翠蓮様、報告がございます」
突如菖蒲が口調を改め、跪く。
「良い、話せ」
「はっ!」
「魔国の瘴気は小さい物を除き除去されました。しかし」
「???」
「瘴気を祓えども同じ箇所から再び現われてくるため、桃季が式神を遣い上空から調べたましたら」
「・・・もしかして、どこからか・・・・・」
「左様です。魔国から北に位置する方面から瘴気が流れ込んできていると報告があり、すぐに葵、竜胆両名が向かっております」
「ああ、妥当だな」
「ということで、葵たちが向かった先で何があろうとも怒らないでやってくださいね」
絶対零度の表情が俺を射止める。
何を当然・・・・・・・・
「まさか、その国『ぶっ飛ばす』つもりか?」
「さ~~~?私にはそこまでわかんないわ~~~。葵がついているから『冷静』に対処はするでしょうけど?竜胆はね~~。あんたと似てて直情型だからね~~~。あ、桃季を含めた同い年組がそうだったわね~~~」
「ぐぬぬぬぬぬ。菖蒲・・・・・・・ま、罰することはないし、徹底的に証拠を洗いざらい吐かせた後に潰すなら別に構わない」
「あんた、ほんと、容赦ないわよね~~~。そういうところが『頭領』らしいのだけど」
「褒めは受け取る。さて、俺たちも再度魔国に行くか。麒麟様のお力を借りて完全結界を張る。そうすれば他国?から流れてくる『瘴気』に侵されはしないだろう?」
「ええ、その通りよ。麒麟様のお力をお借り出来ればだけど」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、ことで麒麟様よろしいですね?嫌と言っても今回は引き釣り出しますから覚悟しといてくださいね」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
空中に話しかけると小さな溜息をつかれて、
『お前は俺様をなんだと・・・・・・・お前に言っても仕方がないな』
「わかってるんなら協力してくださいね」
『お前手製のハンバーガーで手を打とう』
「お安いご用ですよ。本当にお好きですね、ハンバーガー」
『ああ、お前の作るのは格段に美味い!それに力が漲る』
「相性が良いですからね、俺たちの『基の力』は」
『うむ』
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